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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
三章 発見
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65話 お願いします!

やはり風呂は良い。

本当の五右衛門風呂だと風呂桶が熱くなって落ち着いて入っていられないのだが、この桶は三面が土に接している。

その所為で熱が逃げやすくすぐ冷めてしまうのだが、代わりに触れても火傷する事が無いのでもたれることが出来る。

(へり)に腕を掛けて入れるのが魅力だ。くつろげる。


どうせ石鹸も無し、他に入る人も無いので風呂の中で体を擦ってしまう。出ると寒いんだよね。

しかし、湯船が汚れると出る時に汚れが体についてきてしまった。気持ち良さにばかり目が行っていて考えていなかった・・・

十分体は温まっている。最後に水をかぶっておこう。


小一時間の入浴を終えて戻ると、ミレイが布団の上で寝そべり撫でていた。


「あ、おかえりなさい。」


起き上がってこちらに歩いてくる。


「ここには不思議なものがいっぱいありますね。中でもこれが一番不思議です。前にも思ったんですけど、すっごく気持ち良いですね。」


「でしょう?ミレイの家にもあるといいんだけど、これしか無いんだよね。 今度ミレイがこれ、作ってくれない?」


「ケイさんでも一つしか持ってないんですか。どうやって作るんですか?私にも出来ると良いんですけど。」


「作る手始めとしてやってもらいたい事があるんだ。それを覚えてもらえると嬉しいなって思って来てもらったっていうのもあるんだよ。」


「何をすればいいんでしょう?」


「旅の途中で見つけたんだけど、あの持って来た植物。まずはあのケナフっていう植物から繊維を取り出して欲しいんだ。まずはやってみるね。」


「うわ・・・細かい作業でなんすね。私の家でやると飛んでっちゃいそうです。」


ほぐして繊維を取り出して、糸を紡ぐ。

流石にこんなのは自分もやった事は無かったのでたどたどしくはあったのだが、それでもミレイには見た事やったことの無い作業だ。面白そうに見ている。


「僕もうまくは無いからちょっと不恰好だけど、こんな感じになるように、太さが同じようになるように作ってくれる?」


自分でも分かってはいる。無茶振りである。

それでもミレイならやってくれると期待している。


自分のいう事なら従ってくれるだろうというのもあるが、何より出来上がった物が分かっているのだ。

布団があると気持ち良い!

その目標の為にがんばってください。


いきなり布団は無理だから、まずはタオルからだけどね。

何より綿も羽毛も無い。


騙しているのかな?

見つからなかったら、とりあえずは布を中に詰めておけばいいよね。

今は何もないんだから、それよりはずっといいはず。



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