54話 ケナフ発見!
この村はミーシャの所とは逆に、お火様(?)が居るようだ。
家と森で囲われた場所の中心にお火様がいて、それを囲むように8個の焚き火がされている。
「こんにちは~」
「おう、こんちは。あんた、どっから来なすったぃ?」
「ここらを旅してるんですよ。一応向こうの方から来たんですけどね。多分最初に居たところは反対側なんですよ。」
「おう?なんか謎かけの様な事言い出しやがったな。まぁいいや。ここに何か用かぃ?」
「いえ、通りがかっただけですよ。今日ここに泊めてもらってもいいですかね?」
「あぁかまわねぇよ。夏場にここに来たら熱くて大変だったろうが、最近は涼しくなってきたんでね。ここにいらっしゃる火炎様の力であったかく過ごせるぜぇ。それに、なんか危ねぇモンが襲ってきても火炎様がやっつけてくださる。安心して眠れるぜ。」
それで森に近いのか。退治してもらえれば、ついでに肉も手に入るしね。
しかし夏場でなくてよかった。夏場にこんなに焚き火をしていたら熱くて干からびてしまう。
「それではご厄介になります。空いてる家なんてありませんよね?」
「そりゃねぇよ。まだ日は高いんだ。がんばりゃ作れるかもしれねぇぞ?」
「そうですね。じゃ、がんばってみますよ。ところで、どこかに水ってありますかね?」
「そこの木の向こうをちょいと歩きゃ川がある。川に行く前に火炎様に挨拶ぐれぇしてってくれ。」
「そうですね。そうします。」
挨拶しておかなくて、外敵扱いされてはたまらない。
「こんにちは、はじめまして。今日一晩ご厄介になります。よろしくお願いします。」
「んぁー・・・zzZ]
・・・どうやらお休みのようです。
火炎様は寝るんだ・・・
挨拶は目が覚めたらにして、川を探しに行く。
この村は火炎様に守ってもらえてて、水も近くにある。なんでこんなに人が少ないんだろうか?
暫く歩くとせせらぎの音が聞こえる。
生活するにはちょっと面倒に感じる距離かもしれない。
しかし、周りを見渡していいものを見つけた。明日いくらか採ってから出かけよう。
川につくと、服を脱いでの水浴び!
自分で出す程度では体を拭くのがせいぜいだったので、水を浴びれるのが凄く心地いい。
ついでに服もお洗濯。
川は流れも随分緩やかになっていて、ゆったりと浮かんでいられる程だ。
冷たいことには目をつぶろう。
・・・いや無理。寒いものは寒いから・・・
急いで服を着て、火炎様の下に向かう。早く乾かさないと風邪引いちゃうよ。