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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
三章 発見
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52話 優秀な弟子

翌朝。 村の人たちには日常が戻ってきた。

目覚めて、お水様改めウィンディーネの心配が無くなった事にやっと実感できた様で、笑顔があふれていた。

みんな池に集まり、ミーシャの元気な様子に安堵して声をかけ、水を(すく)って身支度をして狩りに出かけている。


しかし・・・水を掬うのはいいが、池の(ほとり)で顔を洗って口をすすいでいる為、水は池に戻っていく。


掬う意味あるのかな?


やはり水を浄化したりしていた所為で倒れちゃったんじゃないだろうか。

だとすると、どうにかしないとミーシャに負担がかかる事に変わりはない。


やはり川から水を引いた方がいいんだろうな。


ミレイの村の近くの川はかなりの水量だ。少しくらいならこちらに引いてきても問題無いと思う。


早々に誰かにチカラの使い方を教えて、川を引いてこよう。

そうすればミーシャも気軽に動けるようになる。


朝の狩りが終わってみんなが朝ごはんを食べた後、髪色が特に薄い人から3人選んで教えることにした。

大人しそうな男の子ジェンと、昨日からやたらと懐いてきていた女の子ヒューイ、おそらく一番年上の女性ヒェン。

年は推定で13歳に8歳に50歳くらいだろうか。


最初はジェンだけに教えようと思っていたのだが、そうするとヒューイが騒ぎ出し、それなら狩りに行かずに村に残っているヒェンさんも一緒にどうですかと誘ったのだ。


一番年上という事は、当然一番お水様に接してきていた訳だし、おそらく体が動かなくなってきて子供達の世話になっているのだろうから他にやれる事を見つけるのもいいと思ったのだ。

おそらく一番覚えが悪いだろうから、ジェンが覚えた後の教える相手になってもらえるという思いもある。

本人にもそう伝えた。

ヒェンさんの子供にはまだ子供が居ないらしく、孫と接する様な気持ちになれると喜んでいた。


教えてみると・・・夕方頃には(つたな)いながらもジュンは予想通り扱えるようになったが、それと同じくらいヒェンさんも使えるようになった。


おかげでヒューイが()ねた。


ジェンにはもっと慣れて楽に扱える様になる為に練習を積む様に伝え、ヒェンさんには教え方を伝えてヒューイに教えてもらえる様にお願いした。


この世界の人は、異常にチカラの覚えが早い。

早いおかげで、これでこの村を離れる事ができる。


明日の朝にはこの村を出るとミーシャに伝えると、寂しそうにしながらも笑顔でうなずいてくれた。


そして3度目の正直!


薪に火をつけても嫌がる事はなくなっていた。

昨日散々火と戯れていたので、おそらく火のチカラを取り込んでいるから大丈夫だろうと思っての事だったが上手くいった。

これで村人も火を扱いやすくなる。


次に来た時にはもっといろんな物が食べれるだろう。果物ばかりはつらい・・・

それに、これから冬が来る。火無しではかなり辛いと思うのだ。

それこそ今までどうやって生きてきたのだろう。雪でも降ったら死んでておかしくないと思う。



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