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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
三章 発見
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50話 法則がわからん

やはり薪は簡単に集まった。

問題は薪を集めてから起きた。お水様が火を嫌がったのだ。


なーんーでー?


離れたところで火を熾していれば大した問題では無かったのだろうが、主賓扱いで中心に招かれていたため、お水様の近くだったのだ。


村の人に納得してもらう為に、手の中に火を熾して大丈夫な事を確認したのだが、薪に火を移した途端に嫌がりだしたのだ。


すぐに消したのでお水様は治まったのだが、村の人の目が痛い。

火が大丈夫だったのをみんなにも確認してもらったのに・・・


中途半端に”お水様を治してくれた”と思っているだけに、村の人たちの目が複雑で落ち着かない。

いっそ追い立てられた方がずっと楽だと思う。


「お騒がせして申し訳ないです。」


「いやいや。しかし、先ほどは大丈夫だったのに何故なんでしょうな?」


ほんとにねぇ。


「まぁとにかく今夜は感謝の宴じゃ。みなも喜びを分かち合おうぞ。乾杯。」


乾杯って・・・水ですか。

確かにお酒は無いだろうからしょうがない。

池の水美味しいからこれもありで。


水での乾杯と共に食べ物もいただく。

食べ物はぶどうや無花果(いちじく)。ほんとにこれらを食べてるだけで生活できるのだろうか?


「でも、ほんとに何でさっきは大丈夫だったんですかね?」


誰にとも無く言葉を(こぼ)すと、お水様が答えてきた。


「あれが同じ物だなんて信じられない!全然感じが違ったわよ!」


「そうなの?僕には違いが分からないんだ。どう違うの?」


「あなたの手の中に有ったのは気持ち良さそうだったのに、その後のは気持ち悪かったわ。もっと言えば、怖かった!」


聞いてもよく分からない。意識を通したものだから大丈夫という事か?

また火を点けて見る。


「このままなら平気なんだよね?」


「そうよ。平気どころか近くに居たいと思うわ。暗くなってきたんだし、そのままずっとそうしてなさい!」


うわ~無茶言いますねー。

じゃあさっき薪を取ってきた時に見つけた椎茸を炙ってみようかね。


「木に火が点くのは嫌だけど、このままなら気持ちいいままよ?ほんとに何でなのかしら?」


手を翳している。

その手をゆっくり近づけて・・・火に手を入れた。


「全然問題無いわね。 蒸発しない。 それどころか・・・これが美味しいって事なのかな?中に入ってくる。いい感じよ?」


水って火を食べるんだ・・・



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