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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
三章 発見
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48話 火を扱うのが人の証

村の人に聞いてみると、やはり今とはかなり違うようです。


姿は最初見た時のように”四肢のあるもの”程度の姿で、今のように人のような姿ではなかったとの事。

声も昔は淡い感じに響くように”そう聞こえる”程度の言葉でしかなく、今のように人と全く区別がつかない様なはっきりしたものではなかった。

声に抑揚がついた所為か、今でははっきり感情が表れているが、昔は感情など感じ取れなかった。


意識を通した結果、お水様の自我がはっきりしたということだろうか?

これは進化したという事だろう。


お水様は意識の塊という事だろうか?


チカラは意識を通すことによって通した物に願い通りになってもらう力。

お水様に通したチカラには癒しをイメージしていた。


本来は癒しのチカラで癒されるのだが、癒しのチカラを取り込んで自意識をはっきりさせた。

僕の中で癒しの人はおそらくミレイ。そんな無意識的なものまで取り込んだから姿がミレイに似たんではないだろうか。


村の人に聞いても村がいつからあるのかも、いつからお水様が居るのかも分からない。

当然何故お水様が助けてくれていたのかも分からない。


お水様に意識を通し続けて、意識を与え続けると二つに分裂したりするのだろうか?


いつか試してみたい。



*****



今は日暮れ。

村の人は今日ついにお水様が動かなくなってしまって、狩りをする事も忘れてずっと集まって嘆いていたそうだ。

当然ご飯など無い。


「申し訳ありません、ケイ様。お水様を助けていただいたあなたをもてなしたいのですが、今は何も食べるものが無いのです。すぐ何か採ってきますから暫くお待ちください。」


「もう随分と暗くなっていますが、大丈夫なんですか?」


「森の奥にまで入って探そうと言うのでは無いので、御気使いには及びませんよ。その分量も種類も大したものでは無いと思いますが。本当に心ばかりの物になってしまうと思いますが、ご容赦下さい。」


折角もてなそうとしてくれているのに、自分も採りに行きますとも言えない。大人しく待っている事にしましょうか。


「わかりました。楽しみに待たせてもらいますね。その間に火を起こしておきますね。」


「え、あ、申し訳ありません。本当に申し訳ないのですが、火を起こすのは()めて頂けますか?お水様が嫌うものですから・・・」


「そうなんですか?ちょっとお水様に聞いてきます。」


水は火を嫌う?

しかし、意識の塊であろうモノなら構わないのではないか?


確認したい。



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