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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
三章 発見
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46話 ミレイ復活!?

自分が作ったような、木を繰り抜いた桶があるそうだ。

随分昔から池で直接洗い物をしたり水を飲んだりするのはお水様に失礼だと、必ず桶で水を汲んで使うようにしているとの事だ。

洗い物にも使うため、結構な大きさの桶だ。


先ずその桶を受け取り、池の水ではなく自分で出した水で桶を満たす。

そうすると周りの人が驚いて平伏しだした。


これはもう水に対する信仰ですね。

水が無くては生きていけないところに、お水様なんていう摩訶不思議なモノが水を用意してくれていたんだから水に対する信仰の様なものができていておかしくない。

というか、当然かもしれない。


これはある程度誰にでも出来る事だと説明して、後で適正のある人には出来るように教えると伝えておく。

ここには髪の色が薄い人が多い。使える人は結構いそうだ。


桶を地面に置いて、お水様を両手で救い上げて中に入ってもらう。

触った感じはスライムの様な感じだ。プニョプニョしていて冷たくて気持ちいい。

手を(つま)んで引っ張るとどこまでも伸びそうな気がしたが、今やっていい事ではない。


流石に入れただけでは何の反応もなし。

もしかしたら水が汚れたからとか何か変な物でも混じったとか、池の水の所為だったらこれで良くなるかもと思ったのだがそんな事は無かった。


では第2案。桶の水に手を触れ、水に意識を通す。

お!反応あり。 ピクッと動いた。


「気がつきました?」


一応声をかけてみるが、答えは無い。

水に意識を通したまま少し待ってみるがそれ以上動く事は無さそうだ。


では第3案。両手を水に入れて、お水様を包むようにして直接お水様に意識を通す。

感じとしては水を出すのではなく、お水様を慈しむ感じで。


すると反応があった。

今まで”つるん”としたクリオネの様な姿だったものが、より人間らしくなってはっきり顔が浮き出てきた。髪まである。

女性の様・・・というか、ミレイを小さくしたみたいだ。

色も水と同じだったのが全体的に濃淡のある青い色がついた。


そっと目を開いてくれた。


「ありがとう。気持ちいいわ・・・」


そう言ってまた目を閉じた。


「・・・もう大丈夫なんだよね?」


そう言ってからチカラを納める。


「ああんもう!何でやめてしまうの!? せっかくいい気持ちだったのに!」


見かけはミレイだが、中身は随分違うようだ。

がばりと起き上がり、腰から上を水から出して腰に手を当ててご立腹のご様子。


その声を聞いて、今までずっと平伏していた人達が顔を上げてこちらに擦り寄ってきた。

お水様が元気になったのを見て感嘆の声を上げて喜んでいる。


が、今は放置で。


「随分元気になったみたいですね。楽しむのは後にして、何で元気を無くしてたのか教えてもらえます?」



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