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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
三章 発見
48/89

45話 大変な事になってるんですが・・・

村の規模はミレイの所と同じくらいか?

10件程の家が、真ん中の小さな池を囲むようにドーナツ状にある。


そろそろ夕食の時間になろうとしているのに、村人は池の傍に寄って(かが)みこみ、暗い感じに落ち込んでいるように見える。

大人子供合わせて30人くらいは居そうだから村人のほぼ全員が集まっているのだろう。


「こんにちわ~、みなさんどうされたんですか?」


出来るだけ軽い感じに声をかけてみた。


「あんた誰だ?何の用だ?」


「私はケイと言います。向こうの方から歩いてきました。何かあったんですか?」


「ここのお水様が元気をなくしちまってるんだよ。このままだと俺らも生きてけねぇ。もうどうにもならねぇんだよ・・・」


ここの(・・・)お水様? よくわからん。


「お水様って何です?そちらに行ってもいいですか?」


「お水様はお水様だ。他に何がある? 来るのはいいが、水はやれねぇぞ。」


お水様と水は違うもののようだ。池の事でも無いよな?

行ってみてみればいいかと近寄ってみると、不思議なモノが居た。


これが妖精っていうものなんだろうね。


池の中に、水で出来た人型のものが居た。

池にとっぷりと浸かっているのに、同じ水で色の違いなど無いのに何故かちゃんと形が分かる。

お水様だ。


「お水様ですね。今まで見た事も無かったですが、これがお水様だって分かりました。どうされたんでしょうか?」


「わからねぇ。ここんとこ、どんどん元気をなくされてたんだが、とうとう動けなくなっちまったみてぇなんだ。」


「お水様の事教えていただけますか?もしかしたら元気になってもらえるかもしれないんですが。」


「何いってんだ?知りもしねぇのに、何かできるってのか?」


「もしかしたらなんですけどね。お水様ではなく(ちょっと違うが)土の精なんですが元気にはできたんですよ。だから、もしかしたらお水様も元気になって貰えるかもしれないなと。」


「ほんとか?また元気になって貰えるかもしれねぇんだな?なら何でも聞いてくれ。元気になってもらえるならなんでもするぞ。」


「お水様って、普段何をされてるんです?」


「この池が枯れないように水を満たしてくださるんだ。」


「じゃ、どうやってこの水を満たしてくれてるんです? あと、普段何を食べてるんですかね? 分かりますか?」


「わからねぇなぁ。ただ水が無くならない様にしてくれてると聞いてるだけだ。何かを食べてるのは見た事がねぇ。」


「後もう一つ。お水様って、水から出ても大丈夫なんですかね?」


「それは大丈夫だ。時々池から出てきなさる事もあった。」


「わかりました。いくつか試してみたい事があります。何とかできるかもしれません。まぁ出来ないかもしれませんが。

何か水を汲むものってありますか? お水様が入れるくらいの大きさがあるといいんですが。」


思いっきり安請け合いですね。



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