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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
三章 発見
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42話 意外な行動

日が落ちて暫くの間待っていたが、出てくる様子は無い。

おそらく抱えていたのは食料で、今はもう眠ったのだろうと思い自分も眠ることにした。


明日どうやって話しかけようかね?

まぁ・・・暫く観察してから考えればいいか。



*****



観察するにも出てきてくれなければ見る事もできない。

朝起きてから木の上でずっと見ているのだが、出てこない。

もしかして違うところにも出入り口があるのだろうか?

不安にもなるが、まぁ気長に待ってみよう。 食事を取る以上いつかは出てくるのだから。


夕方まで待ってみたが、出てこない・・・


抱えていたのは食料ではなかったのだろうか?それとも貯え?

ただ木の上で待っているのに飽きてしまったので、一度地面に意識を通して地下がどうなっているのか確認してみよう。

木から降りて少し離れてから地面に手を付いて意識を通してみる。


穴を確認。思ったより小さい?

生き物が住んでいるのなら蟻の巣のように中で広がっているかもしれないと思ったのだが、ただの寝床のようだ。

部屋のようなものが2つあるだけ。


しかし穴の壁は金属で隙間無く覆われていた。

どうやってそんなことをしたのだろう?まさか部屋を作って埋めたわけではあるまい。


部屋の造りに驚いていると、向こうも何か慌てている。ばたばたと二人急いで出てきて周りを見回している。


丁度いい。声を掛けて見よう。


「どうしたんですか?」


「あんた、何かしたのか?」


「はい? いえ、何もしてませんが・・・ どうしたんです?」


「分からんが、急に大地が騒ぎ出した。おまえさん外に居ったんだろう?何かなかったか?」


これは・・・意識を通したのを感じたという事だろうか?


「あー、もしかして、この所為ですかね?」

そう言って地面に意識を通してみる。


「おまえさんか!いったい、どうやってやったんじゃ?何をしたんじゃ?」


「えー、地面に意識を通したんですが・・・意味分かります?」


「いや、よく分からん。分からんが、おまえさん、もう一度やってみてくれんか?」


「あ、はい。いいですよ。」


何が何やら全く分からないが、とにかく言われたとおりに地面に意識を通すと、


「おお!」


と言って二人とも土を掘って食べた。


「え。」


あまりの事に固まってしまった。土を食べた???


「むぅ。うまいが、持ち上げちまうと大人しくなっちまいよるな。すまんがもう一度頼む。」


頭の中は固まったままだが、言われるがままに従う。

今度は地面に腹這いになって直接食べ始めた。


「最高じゃ!わしの勘に狂いはなかった。騒いでおる時に食うと滅茶苦茶うまい!」


うまいんだ・・・



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