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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
一章 新しい生活
4/89

3話 つながりませんでした

今日は久しぶりに自炊をしている

仕事に虚しさを感じるようになってからは余りしなくなっていたのだが、これから異世界に出入りする事を考えると心が躍ったのだ

余ったものは向こうで生活する上で使ってしまえばいい

大自然の中で食べることを考えると気持ちよさそうだ


久しぶりにご飯を食べた気になれた


心が病んでいると、食べることに楽しみを見出せなくなるようで、「食事」ではなく「栄養摂取」になっていたため食べた満足感を感じていなかったのだ


「ごちそうさま」


・・・声を出したのすら久しぶりな気がする


仕事ですらも話さなくなっていた自分が、一人でご飯を食べて「いただきます」「ごちそうさま」と普通に出てくる


「心が晴れたんだな」


先にあるのが「やる異議の無いルーチンワーク」ではなく「興味を持った事」であるのは素晴らしい


あとは師に連絡だな


プルルルルル


普段はPCでのやりとりである


プルルルルル


必要なことだけのやりとり


プルルルルル


回ってきた仕事に拒否は許されないので


プルルルルル


内容を確認したらYESと日付を入力して返す


プルルルルル


・・・・・・


プルルルルル



「・・・出ねぇじゃねぇか・・・」


さすがに辞めるということをメールで告げるのはどうかと思ってTELしてみたのだが、普段しない事には向こうも対応の用意がないらしい


「まぁか構いはしないか」


人手が多い訳でもないが、足りないわけでもない

「やらない」事を告げてさえおけば、他に廻すくらいの事はするだろう

そこまでモウロクしてはいないはずだ

うまくすれば向こうからかけても来るだろう


「最後になるかも知れないんだから、ちゃんと声で伝えておきたいよなぁ」


戻ってこれなくなるかも知れないのだから

何かの弾みで死ぬかも知れないのだから


まぁいいさ

寝てしまおう





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