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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
三章 発見
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34話 ただ伝えるんじゃ無いんです

「ミレイ入ってもいい?」


家でミリヤさんに付いているであろうミレイに声をかける。


「どうぞ~、入ってください。」


相変わらず中は暗くて狭い。

そのうち家の作り方も変わっていくだろう。


「ミリヤさんの具合はどう?」


「もう随分よくなってるみたいです。今は眠ってますが、ご飯食べたら散歩に行こうと思ってますよ。」


「そりゃよかった。じゃ、そろそろチカラの使い方とか覚えてもらってもいいんじゃないかな?」


「そうですね。お母さんもその気になってますから、説明とかしていこうかと思ってます。」


「じゃ、それについてもちょっと話があるんだけど、外いいかな?」


「はい、わかりました。」


ミレイを外に連れ出す。

教え方とか聞きたいことなどがあるのだが、これはあまり他人には聞かれたくないのだ。


「今まで教えていなかった、教え方のコツを伝えておくね。 説明はミレイが聞いたことだけじゃなくて感じたことをできるだけ詳しく伝えていけばいいんだけど、実際にやってもらうのは、ただやってもらうだけじゃないほうがいいんだよ。」


「え?説明したことをやってもらう以外にどうすればいいんですか?」


「もうミレイはちゃんとできるように成ってるから言うんだけど、ただやってもらうだけじゃなくて、教える側が教わる側に意識を重ねて、できやすいように導いてあげるんだよ。教わってる時は気付かなかったでしょ?」


「はい・・・全然分かりませんでした。私やガズ君にしてたんですか?」


「そうだよ。手伝いがあってもなんでも、一度出来ると後は出来やすくなるからね。 でもそれを聞いていると、あまり効果がなくなっちゃうから出来る様になるまでは教えないんだ。」


「そうだったんですかぁ。でも、それはどうすればいいんでしょう? 意識を重ねるのは分かりますけど、どう導くんでしょうか?」


「意識を重ねると、結構分かるものなんだけどね。相手に集める場所を言うと、意識をそこに向けようとするじゃない? そのとき相手に意識を重ねていると、その感じがなんとなく分かるんだよ。僕に意識を重ねてみて?」


「はい・・・重ねてみました。」


「意識を集めてみるね。」


「あ、すごい!なんとなくですけど、手に集まってるんだなって分かります。不思議なものですね。」


「集まる感じが分かるんだから、変な感じになっていたら教えてあげれるし、集まりやすいように後押しもしてあげれるんだよ。 で、ここからはミレイが気をつける事。」


「はい?」


「相手に重ねられた状態だと変に操られちゃったりしやすいから、重ねられてると感じたら跳ね除ける事!」


「きゃぁ! ・・・頭がふらふらします・・・」


「重ねられてる意識にさらに重ねる感じで、それを外に弾く感じで押し出すんだ。教えるために意識を重ねるのはいいけど、本当はこれって凄く危険だから教える目的以外ではしないようにね。」


「分かりましたけど・・・(むご)いです。すごい衝撃でしたよ?」


「そうだよ。でも、その衝撃も含めて知っておいて欲しかったからね。いきなりでないと構えちゃうからさ。」


「まぁ分かりました。でも、ケイさんはいじわるです。」


「そう言われるのもしょうがないと思うけどね。でも、教えた相手にはちゃんと教えないと駄目だよ?ガズがちゃんと使えるようになって暫くしたら、ガズにも教えておいてね。」


「え?ケイさんが教えるんじゃないんですか?」


「ん~その方がいいとは思うんだけどね。でも、僕は草原の方に行ってみようと思ってるからさ。ミレイにお願いしようかなって。それで、草原の事教えてくれる?」



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