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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
三章 発見
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33話 分業になりました

「ではみなさん、狩りがんばってきてくださいね~」


狩りに出かける人たちをミレイが見送る。

村の人43人のうち10人が固まって狩りに向かう。

鍋が契機となり、各家庭ごとで食料を調達することから、村で調達する事に変わった。

肉が主食だったのに比べて野菜を食べるようになってからは、肉は切羽詰った食糧確保という感じから食事を彩る食材という感じに変化した。

村人全員分で小動物2匹取れれば十分な事から、それぞれが食事を用意することから分業になったのだ。


大人の内、狩りには10人、野菜採取に5人、休む者5人。

それを日ごとに交代で。


それ以外に焼き物を専門にする人が2人。

小さい子は留守番。大きい子供は好きに覚えたいものに付いて行く。


ここにケイとミリヤは含まれない。

ケイは村の人から特別扱いで、やりたい事を好きにやっていればいいとなっていて、体調の優れないミリヤは免除。

これも食糧事情が楽になったため、病人の面倒を見ている余裕ができたおかげだ。


それと、ミレイ働きのお礼という意味もあるかもしれない。


火・水・土・風を操る事を教えたのだが、その感覚を応用してか、作物を生長させる事と怪我を治す事ができるようになっていた。

これはケイの一族でも知らなかった事だ。


元の世界でも医者は古来より特別なものであったが、今まで怪我をしても治す手立てのなかったこの世界ではとても重要なものになる。


そのミレイがみんなと一緒に働いているのだ。代わりにミリヤを休ませることに異を唱える者などいない。


最近のケイは、ガズにチカラの使い方を教える事にしている。


「まず手を見て、手にに意識を集中してごらん? 手が重いような暖かいような感じになってくるかい?」


「ん・・・なんとなく暖かくなってきた・・・かな?」


「じゃ、その手をこの枯葉に(かざ)す様にしてみて。」


「ん。」


「それじゃその手の暖かさを、ゆっくり枯葉に移してみて? できるかい?」


「ん~~~・・・むずかしいよ・・・」


「はは、ちょっと力みすぎかな? 力を抜いて、ゆっくりちゃんと呼吸しながらね?息止まってたよ?」


「すーはー・・・もう一回やってみる!」


「焦らなくていいんだから、気楽にやればいいんだよ。コツとしては、火が点いて下さいってお願いする感じかな?」


「うん・・・ あ!火が点いた!」


「やったね!おめでと~」


「うん!ありがとう!」


「ミレイに続いて二人目だ~ みんな喜ぶぞ~」


「やったね!僕にもできた~」


「一度できれば、後は簡単だからね。これからはもっと簡単にできるようになるよ。」


「じゃ、今日のご飯のときの火は僕が点けるね!みんなに自慢するんだ~♪」


これがケイのすることがなくなった瞬間である・・・



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