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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
二章 出会い
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22話 また今度ね

「戻りましたー。いい話はそうそうないですね。力の付く実では無かったようです。」


草を掻き分けて家の中に入っていく。


「おかえりなさい。そうですか、違ったんですか・・・」


「ええ、話してたのはこの実の事みたいなんですが、これはものすっごく辛いもので、食べた時は確かに力が出るような気になるんですが・・・ほんとに強くなる訳でもないし、後が大変ですよ。試してみます?」


「いえ、そんな風に聞いてしまうと怖いです・・・」


切実な望みだっただけに悲しいだろうな。半信半疑?


「ま、そうだよね。これもこのまま食べるんで無ければ美味しく食べれるんで、今度食べ方教えますよ。あ、うさぎ(さば)くのはまだです?」


「食べ方があるんですか?でしたら教えてくださいね。食べてみたいです。 捌くのは明日にします。夜やると何が寄ってくるか分かりませんから。」


残念。でも、確かに家の中でやると臭いとかえらい事になりそうだしね。外でやって血の臭いに危険なのが寄って来たら村ごと危なくなる。


「そっか。じゃ、今度捌くの見せてくださいね。 明日は僕用事があるので来れないんですよ。」


「あ、すいません。捌くのが見たくて下さったのに・・・」


「かまいませんよ。また取ればいいんですから。明後日一緒に狩りいきませんか?何か出ても守ってあげられますし、いろいろ教えますよ。」


「ありがとうございます、是非お願いします!」


「分かりました。じゃ、明後日の朝また来ますね。 お母さんはもうお休みに?」


「はい。今日は心配掛けてしまったので、疲れたんだと思います。そうでなくても日が暮れちゃいましたしね。」


「そうですね。食べ物はいっぱいあるんで、明日も食べられるでしょう。ミレイも怪我して大変だったんだから、明日はゆっくりしたほうがいいよ。

そうそう言い忘れてた。怪我したところに貼ってあるの、明後日まで()がさないでね。」


「分かりました、これに何かあるんですね。剥がれない様に気をつけます。」


「そうしてください。あ、この三角のと小さい粒はこのままでは食べにくいので持って帰りますね。それじゃ、僕は帰ります。」


立ち上がろうとすると、ミレイが驚いたように引き止める。


「これから帰るんですか?夜に森って危ないですよ! 泊まっていってください!」


「ありがと。でも大丈夫だよ。襲われても倒しちゃうから。」


そういってミレイの頭を撫でた。完全に日が落ちたようで、暗くて表情が見えない。


「でも心配です・・・」


服をちょんとつまんでくる。かわいいね、そんなに心配してくれるんだ。軽く抱きしめて耳元でささやく。


「大丈夫だよ。僕の髪の色は何色だった?目の色は何色だった?」


まだ心配はしてるみたいだけど、納得もしてくれたようだ。

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