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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
二章 出会い
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19話 村に到着しました

「ねぇミレイ。抱っこって、どんな意味があるの?なんかさ、結婚とか?」


「え・・・と、あの、その・・・意味はないと・・・思います・・・」


めちゃくちゃ不信です。結婚相手がいないと言ってたし・・・周りから絡めとる?意外と(したた)か?


「意味は無いんですけど・・・ちょっと、憧れなんです・・・」


「憧れなんだ。結婚の儀式とかだったらどうしようかと思っちゃったよ。

僕さ、ちょっと訳があって、今暮らしてる家に用があるからあまり離れられないし、いつまで居られるかも分からないんだ。結婚しちゃった後にいきなり居なくならなくちゃいけなくなるかもしれないから・・・結婚は怖くてできないんだよ。」


30になった正月に顔を出せと言われている。何を言われるか分からない。何があってもいいように心心算(こころづもり)はしておいたほうがいい。


「いえ、そういうんじゃないんです。言い伝えであるんです。怪我をした村の娘を抱っこしてきた黒髪の知らない男が、村を助けてくれたって言う言い伝え。すごく憧れてるんです。」


村の人に思いっきり勘違い・・・てか、期待されそうで怖いな。



怖いけど・・・いっか?多分手助けはするだろうし。黒髪ばれないようにしておけば、たいしたこと出来なくてもそれほど落胆はされないだろう。うん。


「ん。わかった。その憧れ、叶えましょう!でも、そうなると絶対髪の色とか言わないでね!すごいことになりそうだから。」


「あ、そうか。ケイさんは黒髪なんだもんね。ふぁ・・・素敵です・・・」


しまった。気づかせてしまった・・・お願いだから、あまり期待しないで・・・


「じゃ、行こうか。荷物は持ってね。」


抱っこした後、荷物はおなかの上に置いてもらった。

あらら。顔が真っ赤だ。いいなぁ・・・



*****



村につくと、いくつかに分かれて焚き火を囲んで食事をしているようだった。

柵の切れ目あたりに居る人たちの内の一人が気付いたようで、こちらを指差しながら周りと話している。


「こんにちわ、はじめまして。 森でこの娘が怪我をしていたので、連れてきました。」


ざわざわと話している。まぁいいや。ミレイの家に送っていこう。


「ミレイ、どの家?」


「あの、(はじ)にある家です。」


「ん、分かった。お母さんは中にいるのかな?」


「はい。多分中で寝ています。」

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