18話 うまくいってほっとした
不思議なことがいくつかある。
何故ミレイと言葉が通じるのだろう?
何故育っている野性の植物がおいしいのだろう?
何故総帥は「まだ早い気もするが」と言ったのだろう?
考えられる事はある。
しかし・・・そんなことがあるのだろうか?
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「食べ物を見つけたら言ってね?取るから。」
「はい。お願いしますね。あ、あれ、ぶどうです。」
取る食べ物は、木の実ばかりだ。葉物や根菜はない。豆も無い。
煮る事が無いからかな?生では食べ辛いだろう。
草の向こうにうさぎ発見
身振りで言葉を止め、桶を持ってもらう。
弓に矢をつがえて・・・
手ごたえあり!
「わ、うさぎです!すごいです!一発で仕留めちゃいました。」
目がきらきらしてる・・・かわいいなぁ・・・
かわいい娘に喜んでもらえると、うれしいね。 単純だな・・・
「これ、捌くことはできる?」
「はい。やり方だけは知ってますし、お母さんはやってましたから。」
「じゃ、帰ったらやって見せてね。」
どうやるのか見ておきたい。人がどう捌いているのかは知らないのだ。普通はどうするんだろう?
「あ、村が見えてきました。あそこです。あの木の向こうにある柵の所です。」
普通に村って言うんだね。村って言う表現が無いのかと思っていた。
森を抜けてちょっとした平原になっている所に、区切り程度にしかならないであろう柵がある。
家はたぶん・・・10軒位かな? 少ないな。
建ち方に規則性はなく、それぞれが少し離れて立ててある。
夕焼けが綺麗だ。これなら目の色はよく分からないだろう。
「あの・・・やっぱり、抱っこしてもらっていいですか?」
爆弾ですね。僕が言ったのはおんぶなんですが?
抱っこって、やっぱりお姫様抱っこですよね?