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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
二章 出会い
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16話 何もしないで真っ黒だ

「この毛皮! 黒い悪魔! すごい!! みんな、これに出会ったら死んじゃうって言ってる!狩ることなんて出来ない、逃げることも出来ないって!!!」


熊ってやっぱり強いんだな。

敷物にしようと頭も残してあるものを持ってきたのだ。分かりやすいよね。

出来るだけ傷を残さないようにと腹を縦に割いて、ひたすら逃げて死ぬのを待ったのだ。二度とやらない。大変すぎる。


「黒い悪魔ってこれのことだったんだね。黒い悪魔と同じ色だから黒髪は強い色なの?」


「よく分からない・・・黒い色が強い色。だから黒い悪魔は強い。黒い髪は強い。」


「ミレイが住んでる所にも黒い髪の人、居る?」


「居ない。一番強い人。茶色。すごく濃い茶色。」


やはり色素の問題だね。少し脱色しようかな。あまり目立ち過ぎたくは無い。


「ここ、ケイさんのお家?木のお家?あと、このふかふかしたの、なに?さっきご飯食べてた入れ物、私のは木だった。あなたの使ってたのはなに?お肉置いてあったのはなに?」


焼き物は無いようだな。縄文時代より前?えらいとこだな・・・


「ミレイはどんなとこに住んでるの?先に教えて?」


「地面に丸く穴を掘る。真ん中に棒立てる。上からはっぱ被せる。」


「寝るときはどうしてるの?」


「はっぱを敷いて寝てる。皮を持ってる人は、はっぱに皮を被せて寝てる。」


「ご飯はどんなもの食べてるの?木の実?」


「うん。木の実とはっぱを食べる。あとはお肉を焼いて食べる。」


ん?肉以外は生?焼き物が無いなら煮込んだりできないか。大変そうだなぁ。


「あ!赤い木の実!私は赤い木の実を取りに来たんだ!」


「赤い木の実?外にあるのかな?ちょっと待ってて。」


畑にあるものを取りに行く。あるのはトマトと唐辛子、ユスラウメに知らない小さな実だ。


「どれのこと?」


「分からない。赤い木の実を食べると強くなるって聞いた。だから食べたかった。お母さんに食べて欲しかった・・・」


「どれのことだか分からないな・・・この小さな実の事かな?他の人に聞けば分かるかな?」


「多分分かると思う。誰かが話してるのを聞いたの。だから、話してた人は知ってると思う。」


ふむ。


「じゃ、みんなのところに行こう?聞いてみよう。この木の実は全部あげる。服もあげる。お肉もあげる。でも、代わりにお願い聞いてもらえる?」


「なに?どんなこと?助けてくれた。ご飯もくれた。お願い、何でも聞くよ?」


「ありがと。じゃぁ、僕が住んでるこの家の事。そのふかふかの物の事。あと、僕が言わないで欲しい事。誰にも、お母さんにも言わないでくれる?」



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