15話 初めて名前が出ました
理性が飛びます。
体を拭いてあげてる時に「気持ちいい」とか言われた時はほんとに危なかった・・・
気持ちを逸らそうと拭きながら話をする。
「名前、ある?僕はケイっていうんだ。」
「名前、あります。ミレイっていいます」
ほう、名前が体を現してる。美麗(当て字)
「いいね。綺麗な名前だね。」
「ありがとう。」
照れた感じがいいなぁ。
体を拭き終わって服を着せようとしたら、すごく驚いている。
「これ・・・もしかして風の悪魔の皮!?」
・・・すごい名前だな・・・熊の後に狩った、灰色と緑の毛皮だ。あれから3頭狩って、一揃えそろえたのだ。
今自分が着ているのはおそらくヤギのもの。罠に落ちたものを捌いたのだ。
メスなら飼って、乳搾れたかもしれないのに・・・
「風の悪魔というのがどういうのか分からない。でも、こんな毛皮してるのは他に見たこと無いから、多分そうなんじゃないかな?」
見る目が変わってる・・・
驚きの中に少し怯えがある。確かに強い獣だったからね。普通では狩るのは大変そうだ。
「・・・これを着ても・・・いいの・・・?」
纏う毛皮に何か意味でもあるのかな?聞いてみる。
「毛皮は強さの象徴。そして強い獣の毛皮を着せるのは求婚の証。私と結婚してくれるの?」
え・・・・・・・・・・・・・・・・
そんな意味・・・どうしよう???
頭真っ白です。
ミレイも嫌がったとかそんな感じではなく、普通に驚いている。
「あ~・・・ごめん。そんな意味があるなんて知らなかったんだ。混乱させちゃったね。」
「そうだよね・・・こんな髪の私に結婚なんて申し込まないよね。」
ん???
「髪の色?綺麗な色だと思うけど、髪の色にも何か意味があるの?」
「え?髪の色は強さを表す。こんなに薄いのは弱い証・・・」
色素が薄いのは弱い証なのか・・・それともこの世界では特殊な何かがあるのかな?
「そうなんだ・・・でも、それって重要なことなの?」
「??? 重要・・・だと思う。みんな気にしてる。それは当たり前なこと。・・・?」
「そうなんだ。でも、そんなこと知らないから、僕は気にしたこと無いんだ。じゃ、僕の髪の色はどうなの?どんな風に思うの?」
「黒い悪魔と同じ色。とても強いと思う。すごいと思う。」
「ちょっと待ってて。」
熊の毛皮を持ってこよう。