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陰陽師の憂い  作者: 高木 圭
二章 出会い
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幕間 探し物

赤い木の実・・・


どれくらい中に入っていけば見つかるのかな?

聞いたのは、「山の中」とだけ。


お父さんはいない。昔狩りに行った時に死んでしまったそうだ。

お母さんは体が弱い。あまり出歩いたりできない。

兄弟はいない。私とお母さんの二人家族。二人だけの家族。


村の人は誰も手伝ってはくれない。

私もお母さんも髪の色が薄い。

力の無い証拠だ。

力の無い者にはみんな冷たい。

役に立たないからだ。


私にはお婿さんは来てくれない。

弱い私と弱いお母さんの面倒を見ることが分かっていては、誰も相手にしてくれない。



お母さんはあまり出歩けないのでご飯は私が取ってくる。

でも私ではあまりご飯を取ってこれない。

近くにある木の実は、みんなが取るのですぐに無くなってしまう。

森に入れば食べ物はあるが、怖くてあまり中まで入れない。


動物を狩ることが出来れば、あまり怖くもなくなるのかもしれないが、私では狩れない。

小さな動物は動きが速い。捕まえられない。斧を当てれない。

弓は下手くそでもっと駄目。狙った方に行かないし、行っても刺さらない。弱すぎるのだ。


だからあまりご飯が食べれない。

だからいつもお腹が空いている。

だから余計に力が入らない。

どうしようもない。どうにもならない。


でも、赤い木の実を食べると力が付くと聞いた。誰かが話しているのが聞こえた。


私でも、食べたら強くなれるのかな?

お母さんが食べたら、元気になれるかな?



ぶどうを見つけたので食べた。甘くておいしい。

お母さんにも食べさせてあげたいな。

でもまだ駄目。赤い木の実を見つけなきゃ。

ここで帰ってしまったら、もう一度上ってくる勇気は出ないと思う。


風で葉っぱが揺れる。がさがさいっている。

怖い。風でがさがさいってるのか、動物が居てがさがさいっているのか分からない。


ちょっと怖いけど、後ろを振り返ってみる。


「あ・・・赤い木の実がある!」


上っている時には気づかなかったのに、そこに赤い木の実があった。

いっぱいある。

どれがいいのか分からないけど、全部持っていっておかあさんと食べよう。

そのまま食べるといいのかな?

焼いて食べるといいのかな?


近づいていったら・・・落ちた。


「きゃーーーーーーーー」


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