相沢 昴
その日、学校では後輩が僕がヤクザさんから助けてくれた勇者として、至る所で
喋りまくっていた。
「さすがです!相沢サマ!!!」
また始まりましたよ。女子集団の相沢サマ攻撃・・・。
「昴お前勇気あるよ!!」
相沢サマ!勇気あるよ!!って言うけども・・・ヤクザに土下座して、ゆでたまご食べただけじゃん。
学校は普通の進学校です。僕が入った事によりサッカーには力を注いではいるが、後はどこにでも
あるようなフツーーーの学校です。
野球部は二回戦、三回戦で消える。バスケも同じだ。そして、勉強もそこそこ。
何もなかった学校だからこその「相沢サマ」なのです。
ただ、サッカーがうまいだけじゃ「相沢サマ」にはなれない。てか、自分の場合はサッカーは
うまくない・・。
「相沢サマは遠くからでも分かりますわ!!」
「当たり前じゃない!オーラが違うのよ!!」
一緒だよ!!オーラて・・江原氏か!!
ただ単に、僕は他人よりも背が少し高い。中学の頃から10センチは伸びたろう。
今は筋トレをしているせいか、伸びなくなってきたが、184センチあるのでもういいかなと
思っている。親に感謝だ!!FWとしては武器になりますから。
そして、「相沢サマ」の理由のもう1つ。ずばり「顔」である。
自分でいうのも嫌だが、何故か男前に生まれてきた。関西の感じでいうと
シュってしてる。・・です。
ただ、勉強はできない。たぶん脳みそのシワはあまりなく、おそらくテュルンテュルンであろう。
大好きなサッカーのルール・・「オフサイド」にはかなり悩まされましたね。
なんてったって、テュルンテュルンですから。
そんな自分でもテストだけはできる。えんぴつは転がしませんよ!!
オール勘!!というやつでございます。でも記号問題は大概いけます!!
そのかわり、国語の漢字、英語のリスニング、歴史の人物・・・
多い時は諦めが肝心です!!そんな時もありますね。
なぜ相沢君はサッカーの有名校にいかなかったの?と一年の頃は良く言われた。
だってへたくそだからね!!とは、言えなかった。
僕は時々噛む!しかも大事な所で噛む。しかしそれが時々思ってもみないような結果を生む。
なんて言おうかなと思って。出た言葉は・・
「ちゅかれつから」疲れるから。って言いたかったのに。
えっ?ちか何?て聞きなおされて・・噛んだってばれたくなくて、
「近いから」って答えてしまったわい!!・・流川か!!
我ながらかっこいい答えだな!!とんだ嘘つきやわい!!
そんな男としてかっこよくないのに、男からも人気がある。
最初は軽く仲間はずれ的な扱いを受けていた。
そりゃそうだ。こんなルックスで女にキャーキャー言われてる男を好きな奴はいない。
そんな僕は足が無茶くさい。練習が終わり家で裸足でご飯を食べていると、納豆ご飯を
食べていると一瞬錯覚する。あと、犬が僕の足に無茶吠える。
この足は敵だと思われているのかも知れない・・・。
学校でその事がばれる出来事がおきた。
僕自身あんまり気にしてはいないので、授業中に寝た時に上履きがはずれていたようで・・
オナラ事件が起きた。とみんなは思ったようだ。
僕が起きて上履きを履くと、臭いは一瞬にして収まった。
犯人は誰だ。
コナンを呼べ。
しかし犯人は寝ていた。・・・迷宮入りである。
この事件は僕が寝るたびに起こっていた。
毎回同じ臭い・・・
犯人は誰だ。
コナンはまだか。
・・・迷宮入りである。
ある時自分が起きている時に上履きが脱げた。
またこの臭いだ。
犯人を捜すのをもうみんな諦めていた。だってコナンはいないのだから・・・
しかし前回と違う事が1つだけある。・・・
犯人は起きている。そして事件も起こっている。
隣の女子はこういう・・
「相沢君いままで寝てたから嗅いだ事ないよね。このクラス時々この臭いがするのよ」
いやいや、毎日嗅いでいる。家の犬も嗅いでいる。靴下さんはもう耐え切れない!!
ちょっと楽しくなり、履いたり脱いだりを繰り返した。
その度に英語の先生の口が止まる。
それはそうだ。いままで時間は長かったかも知れないが、一回だった臭いの波が
ザブンザブンと津波のように何度も押し寄せるのだ。
先生が耐え切れなく言った。
「誰や!!!???」
僕は一人爆笑した。
こうしてこのクラスの不思議な臭い事件は解決した。
人には欠点がある。足が半端なく臭い自分を笑い飛ばしている僕に、
今まで冷たかった男子たちも、近づいてきてくれた。
少し女子は離れたが、忘れてきたのかまた「相沢サマ」攻撃が始まる。
そんな時は、自分から秘密の花園を開放するのだ。
こうして僕は楽しい学校生活を送っている。
敬語口調はめんどくさくなってしまったので、もうやめることにしました。
あと、そろそろサッカーにふれていかなきゃと思いつつ、
今回はこれにて終了したいと思う。
次回からはサッカーしよ!
つづく