OPEN
突然ですが、読書は好きですか?
これを読んでくださっているということは…おそらく好きな方が多いのではないでしょうか(・・?
今回は、「読書」にまつわるお話です
「お姉ちゃん、どの本読む?」
私は、妹と一緒に図書館を訪れていた。
妹が小学校の宿題で読書感想文を書くための本を読みたいと言ったのが始まりで、私も暇だったし可愛い妹のためだと思い一緒に出かけたのだ。
今は日差しが少し強めだけど自販機で飲み物でも買って、少し遠くにある市立図書館に行こうと思っていた。
しかし、それより近くに、綺麗なピンク色の建物があったのだ。
「ここ、なんだろうね〜?」
不思議そうに指をさす妹の手を引いて近くに行ってみると、ドアには「OPEN」と書かれた木製の吊り下げ看板がかかっていた。
「入ってみようか。」
そこがなんと、運の良いことに図書館だったというわけだ。
天井からは白い照明、壁や床は外装と同じような鮮やかなピンク色で本がぎっしりと並んだ棚が奥まで続いているように見えた。
(なんか…何かに似ているような…)
棚の側には可愛いクッションやぬいぐるみ、ちょっとした机なんかもある。
「すごーい…!」
妹は瞳を輝かせて、本棚に駆け寄っていった。
どれを読もうかと悩んでいる妹の姿に癒され、私も自分の本を探そうと棚に並ぶ本を見た。
どれも、見たことがないタイトルばかり…だけど面白そうで惹かれる。
一冊手にとって、クッションに腰かけると私は読書を始めた。
物語は起承転結がしっかりしていながらも心が揺さぶられるような、まさに私好みの本だった。
読み終えると、もしかしたら更に面白い作品があるのかも知れないと、次の本に手を伸ばす。
ふと妹を見ると、近くの棚の前で楽しそうに本を読んでいた。
安心しつつ、次なる本を読み始める。この作品も自分と共感出来る所が多い主人公が出てきて涙無しでは読むことの出来ない傑作だった。
私は、すっかり本を読むのに夢中になっていた。
(こんなに本を読むのが楽しかったなんて…!)
学校でも家でも、本を読んでいてここまで楽しいと感じる作品には出会えたことはなかった。
けれど、ここにある本はどれも自分にとって素敵な物語に満ち溢れている。
ふいに、小さな時はよく本を読んでいたな…という事を思い出した。今まで見たことがない作品に触れる度に心が沸き立つような感覚になった。
最近はゲー厶ばかりで、本を読むこともなかったから家に帰ってからも久々に読書をしてみようか。
妹に読み聞かせをしてあげるのも良いかもしれない。
ここにいて、どれくらいの時間が経ったのだろう。
天井の照明の光が最初に来た時より明るくなっているような気がした。
「そろそろ帰るよ〜」
妹に声をかけると、ハッとしたように顔を上げ本を棚に戻すと急いでこちらへ駆けてきた。
「いい作文書けた?」
私の問いに、妹は満面の笑みで頷いた。
優しく頭を撫で、入って来た出口のほうを見た。
そこに出口はなく、本棚がズラリと並んでいる。
「え?」
思わず声を上げたその時、
グラリっと床に振動が伝わった。
(もしかして地震?!)
よろけた妹を抱きしめできるだけ 本棚から離れる。
こんなに高い棚押し潰されてしまったら、大怪我をしてしまうかもしれない。
「お姉ちゃん…怖い…」
ぎゅっと丸まるように私にしがみつく妹を抱きしめていると、ピタリと振動はやんだ。
「良かった…」
その時、
ズズ…ズズズ…
変な音がした。
どこから鳴っているのだろうか。
妹が、天井を見つめている。
その方向を見て私は唖然とした。
天井が、こちらへ迫ってきているのだ。
崩れ落ちてきているようには見えないが、早くしないと押しつぶされてしまう。
「なんなのここ…!」
私は妹と共にここから出るため、走り出した。
ズズ…ズズズ…
また地震が来て走り出した私たちは転んだ。
いや…違う、地震だけじゃない床の「ヌルッ」とした謎の感触も相まって、転んだんだ。
そして気づいた。
本や内装に夢中で気づかなかったけれど、図書館が静かなのは、私たち以外に人がいないから。
それからもう一つ、現在進行系で
床も、どんどんうえに上がってきている。
体を動かしたいけれどヌメりに絡め取られて身動きが取れない。
近くで妹の泣き声が聞こえた。
そういえば、ここに入った時に内装が何かに似ているような気がした。
その答えが、ようやく分かった。
そうだ…
「人の口の中だ」
バクンッ…ゴキュッ
ドアには、まだ「OPEN」の看板がかかっていた。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
壮大な建物の中に化け物ではなく、建物そのものが…((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
どこかで気づいていたら、助かったのでしょうか。
次の作品も読んでくださると嬉しいです!




