再会〜冴子〜
かなり前に書いたものですが、
データが出て来たので、
手直しして投稿していきます。
それから毎日、冴子は一瞬の出会いのあの人を探していた。
似てる人を見かけるたびに振り返り、違う人だと確認してはガッカリするという日々を送っている。
どうして会いに来てくれないのだろう?
あの1度だけしか会えないのなら、なぜあの時私の前に姿を現したの?
そしたらこんなツライ思いすることもなかったはずなのに…。
だけど冴子の本心は一瞬でも出会えた喜びは、忘れていないのだ。
だからこと、会いたくてしかたない。
きっと会えるはず…。
その心だけが今の冴子を支えていた。
そんなある日、バス停でバス待ちをしていると、通りの向こうから冴子をじぃーっと見ているらしい男がいることに気づいた。
ヤダ、気味が悪い…。
目の悪い冴子には、それがどんな人かすらハッキリとはわからない。
かろうじて男であることが分かったくらいだ…。
関わり合いにならないほうが賢明よね?
冴子は視線を逸らし、知らん振りを決めこんだ。
なのに、その男は冴子の方へ向かって歩き始めた。
何?なんでこっちくるのよ~~。
冴子はぎゅっと手を握って、早くバスが来ることを祈った。
そんな冴子が顔を上げたのは、周りが騒がしくザワつきだしたからだった。
何?何をさわいでいるの?
周りの視線の先を冴子が追うと、そっきの男らしい人が数メートル先に来ていた。
あっ!!
冴子は何かを思うよりも先に、身体が動いた。
気づいた時には走り出していた。
あの人だ!!
冴子は自分にこんなに勇気があるなんて、知らなかった。
次の瞬間にはその人の胸に抱きついて、泣いていた。
彼は余裕シャクシャクで、右手で抱きしめて耳元に囁いた。
「遅くなってゴメン。人間になるのに1ヶ月かかっちゃったんだ」
冴子はがばっと顔を上げ、
「じゃあ…やっぱり天、使…?」
彼はイタズラな笑顔で笑って頷き、左手の中の花束を渡してくれた。
「はい、泣き虫ちゃん。今日は3月14日だよ」
あっ、ホワイトデーだ。
ずっと忘れていた。
彼を探すことでいっぱいいっぱいだったから…。
冴子は感じていた。
そうANGEL TIMEが叶ったことを…。
「名前を教えてくれる?」
毎日更新予定です。
よろしくお願いします。




