表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/34

6 近衛兵の独り言

「アースランス!」


子供がそう叫ぶと王城の床の石が形を変えて槍になった



ああこれが帝国の魔法使いを串刺しにしたという魔法か!


近衛兵わたしは扉の前から逃げ出した







職務放棄で近衛兵を首になる?


やるならやってみろ


喜んで辞めてやるからな!






辺境のカッパーフィールド男爵といったら今一番話題の人物だ


なにせ攻めてきた帝国の魔法使いを串刺しにしたらしい





アースランスなんてしょぼい土魔法?


そう思っていた過去の自分を殴ってやりたい





アースランスはお尻から口まで串刺しにする魔法だ


騎士道精神の点から余り褒められた技でない


それに敵が動いていると外れるらしい


・・・そりゃ誰も使わないだろう





そんな過去の遺物を使う人間が現れた


若干10歳のカッパーフィールド男爵だ


見事に帝国の魔法使いを撃退したらしい





ここまで聞くといい話だ


だが帝国経由で伝わった話は酷かった





アースランスだが食らった人間はすぐに死ななかったらしい





そりゃそうだ


昔、王族の馬車を襲撃してきた賊と戦ったことがあったが、切りつけても動いていたからな


人間、結構死なないもんなんだよな




アースランスを食らった帝国兵も死ななかったらしい


半日くらい貫かれたまんまで生きていたんだとか





痛くて痛くて仕方がなくてそのうち


「殺してくれ!」


と叫んだとか




夜の闇に紛れて助けに来た帝国兵が聞いたそうだ




ちなみに手遅れすぎて助からないから涙ながらにとどめを刺して逃げ帰ったそうだ




・・・男爵はとどめをささなかったらしい


どれだけ鬼畜なんだよ、と言いたい





いや10歳でコレ


完全に精神が狂っている





そんな狂人が王城に来るというので近衛兵おれたちだけでなく、国王陛下まで警戒していた


だがどこの世界にもバカはいるようで男爵に向かって喧嘩を売った貴族が居た




それをネタに煽ってくる男爵


果ては男爵を示す短剣を返す始末





宰相様がぶち切れた


まあ国王陛下がぶち切れたらダメだからな


代わりに泥を被ったんだろう





その返事が


近衛兵をアースランスで串刺しにしてやろうか?


という脅し




まあ国王陛下の威光を示すための茶番だというのが言われなくても判っている


だから近衛兵はすぐにどいた




・・・男爵様はその辺を判っていないようだったんだが大丈夫だろうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ