2 二度目の襲撃です
「い、一体何なんだあっ?!」
<バン!>
<バン!>
<バン!>
<バン!>
<バン!>
<バン!>
敵である魔法使いがファイアーボールを連発しながら叫んでいます
そりゃそうでしょう
ファイアーボールが当たって平然と向かってくるゴーレムがいたいらそうなります
・・・いい歳した大人が恐怖のあまりズリズリと後ろに下がっていく作戦を思いついた執事にドン引きでした
いえね、またしても帝国がケンカ、もとい戦争を吹っ掛けてきたんですよ
この前、魔法使いを二人ほど串刺しにしたんでもう来ないだろと思っていました
・・・戦争がそんなに早く終わる訳がないのにね(涙)
一度負けても次に勝てばよい
そんな感じですかね
敵兵の数が増えてました
もちろん魔法使いも、です
まあこちらも負けてはいませんけどね
次の手を打ちました
ボクは土系の魔法使いなのでゴーレムを召喚しました
・・・そう見せかけただけですけどね
10歳の人間に大人と同じゴーレムが作れる訳がないじゃないですか
なんちゃってゴーレムです
ここでおさらいです
ゴーレムというのはそのへんの土と魔力で作られます
ここまでは皆さん御存じですよね
当然魔力で動かします
ここもOKですよね?
じゃあどうやって命令通りに動かすのか?
魔法使いが地面を経由して魔力でゴーレムを動かすのです
なにせ土系ですからね
となればゴーレムが受けた攻撃はつながった魔力を経由して魔法使いまで伝わります
ゴーレムがダメージを受けると魔法使いもダメージを受けることになります
・・・土系魔法使いの地位が低い原因です
でもボクが作ったゴーレムは攻撃を受けてもびくともしません
なぜかゴーレムが受けたダメージが魔法使いまで伝わっていない
つまりは攻撃を受けても行動が止まりません
逆に近寄ってくる始末
そりゃホラーでしょう
ちなみになんちゃってゴーレムの作り方は簡単です
普通に人間が使う全身鎧を持ってきて、鎧の内側に土を張って操作します
土の量が少ないから10歳のボクだって問題なしです
・・・まあ動かすだけで精一杯なんですけどね
土が鎧の内側にあるので炎系魔法使いのファイアボールがぶつかっても問題がありません
土に直接ダメージを与えないとボクにダメージが伝わってこないから当然ですよね
でもそれが判らない敵の魔法使い
パニックになってファイアボールを連発しています
パニックになって腰が引けたというか、抜けた魔法使いなんてただの動かない的
動きが遅いなんちゃってゴーレムでも十分に殺れました
・・・執事が言った通りに動いて大成功
ボクもう要らなくない?
そう思うのは間違っていないと言いたい
いやぜひ執事に男爵を譲って、平民生活をしてみたい気持ちで一杯でした