10 帝国兵がホントにスルーしていった
帝国兵が国境から我が国の領地の境界線をなぞるように進軍して行くのが見えた
いや~壮観だね~
・・・まさか本当に帝国が信じるとは思ってもみなかったよ
まあうちの執事が噂を流していたからね
「もう貴族辞めて夜逃げするけど邪魔したらこの前みたいに皆殺しにしちゃうよ?」
逆に言うと
「邪魔しないら豊かなお隣さんでの略奪やり放題」
そりゃ乗りますわな
帝国は去年も不作だったので隣の国のカッパーフィールド男爵まで攻めて略奪しにきた
でも追い返されたのでお腹が空いている
春になったらリベンジだ!
え?カッパーフィールド男爵は戦わない?
あの悪魔のような10歳児が出てこないなら攻めちゃうよ?
攻めこんだおかげでお腹一杯!
じゃあ全軍で行こうぜ!
こういう事らしい
・・・策を考えた執事にドン引きだよ
いやなんでうちみたいな貧乏男爵家にいるのかと言いたい
絶対うちになんかに居ていい人材ではないからね
でもどこいにでも文句を言ってくる人間はいる
「貴族としての役目を放棄してどうする!」
自称婚約者のお付きの騎士が怒鳴り込んできた
自分では何もしないくせに人にはやらせようとしやがりますよ
子供でもおかしいと思うんだけど、いい歳した大人なのに気が付かないらしい
・・・いや自称婚約者は気が付いているようで済まなそうな顔をしているよ
でも何も言わないんだから同罪だよね
文句を言うんなら父親の宰相様に連絡とって国軍でも宰相様の伯爵家の私兵でもいいから送らせろよと言いたい
何もしないんなら何も言うな
そういう事だよね
・・・隣の領とその隣、いやうちの王国の半分くらいがいきなり攻めてきた帝国兵に蹂躙されているけどボクは関係ない
今までカッパーフィールド男爵が命がけで盾となってきたことに胡坐をかいて防衛を疎かにしてきたツケだと言いたい
自業自得ってものだ
戦争というのは
男は殺され
女は犯され
食料は略奪され
家は焼かれるものだ
それを無視してカッパーフィールド男爵や辺境の貴族に犠牲を押し付けてきたツケが回収されただけ
悲惨な目にあっているそうだけど全然罪悪感を感じないね
いやむしろ祝杯を挙げたい気分で一杯だ
まあ10歳、いや新年を迎えたので11歳か、は飲酒できないからできないんだけどね




