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当然のことだ

 異世界よりの侵略者、いわゆるコンクエスタ―による襲撃が、召喚された異世界人の軟禁用区画への襲撃を察知して、戦闘員は武装し屋外に、最低限の護衛以外の非戦闘員は建物内の燃えにくい地下室へ入る対応をして、飛んできた格子状になるほど細い無数の閃光が熱を持って、兵士たちの体へ穴を開ける。

 俺の周りに居た兵士はこの聖剣の機能で守られたが、こんな無差別狙撃に自衛できる兵士はそういない。

 俺だって、まったく反応できないながら魔力を感じて強制的に聖剣の魔力を補充する構成式に変換する力が預けられてなければ頭を貫いて、そこに何人か転がる兵士のように貴方を貫かれていたかもしれない。

 この狙撃軌道が残ってできる格子状の目が細かい辺りに運悪くいた兵士は自衛できる実力がなければ死亡。目の荒い辺りにいたら運が悪くない限り体の一部を焼き貫かれる魔術で感嘆に直せる軽いけがで済む。

 被害は……この周辺が1番多い。つまり、敵はこの聖剣の機能の使用に反応して、密度を上げたと考えられる。

 光の魔力、方角は、あっちか!

 こんどは俺の周辺以外へ多く魔力を感じる。俺以外の全部狙いか……だが、建物は狙っていないか? いや、それは後だ。俺は今度は反応できたんだ。この聖剣を、

 アンドロマリー様から預かっている勇者代行の称号としての働きを果たせねばならないのだ。でなければ、私は恩に報いるのが難しい。

 飛び上がった俺が全体から見えるように聖剣を掲げると、閃光は発生することなく、魔力の全てが聖剣の中に蓄えられる雷の魔力因子に変換され収束する。

 敵がいるとみた方向にっ!? 破裂音……――――――落とされた。魔力を放出することなく、なにか……腹に刺さっている。金属の礫?

 さっきとは逆方向から光の魔力が……!?

 そっちは開けているからそのまま走って、魔力の位置が元の位置に変わった。なんだ、ブラフかよ!

 全部カバーは無理でももう一回飛び上がって正面の聖剣に光の魔力を集めて雷の魔力に勝手に変換する。

 見えた! 破裂音とわずかな火花、

聖剣の魔力でその位置からくるそれを防御する!

 控えめな光の残照の筋が最前衛の数名の兵士を殺害した。そこへ、俺に向けて、金属の礫を発射した武器を持つ真っ黒な服装の兵士たちが襲来する。

 現場の兵士は直接戦闘になるが、俺はこの光の魔力の元を全力で防がなくては……、くそ、こんな位置じゃあ、

「敵は周辺に高速移動する能力と狙撃能力をもつ!! 近くに遮蔽物のある位置で密集を避け、小隊単位での行動に切り替えろ!」

 意図を理解してくれた兵士たちは小粒に散開して、声の届かなかった最前衛に飛び道具になる魔術で支援攻撃する。

 光がやっかいだな。これ、魔術じゃなくて魔法だろ。魔力が作る光熱を誘導する軌跡に魔術の構成式やそれに準ずるものが入っていない。ただの薄めの魔力だ。

 そもそも異世界に本当に魔術がないのか、そんなことは知らないが、魔法が主力になっているとは防衛のために聞かされていたが、そういうことなのか?

 分析も再現も不能なものを主力にするって、どういう精神性なのか想像できないが……

 ――――――見えた。射撃手の移動先の着地点!! 遠くで乱れ飛ぶ魔力の流れの途切れたその場所を! 跳躍と簡素な構え必殺の一撃を!

いま瞬間的に出せる最大出力の電圧を予測地点へ照射した瞬間、俺のふくらはぎが弾け富んだ。いや、蒸発したのだ。あまりの熱に編み込まれた錬気の魔力を抜いて肉体を焼き焦がし、一瞬で沸騰させて着弾地点を蒸発させ、その周囲を沸騰させた。故に、弾けたような音で俺の脚が煮え立つのだ。

 あぁ、自らの雷撃で敵の光線が見えなくなるなどとは、どこまで行っても俺は足りないものばかりだろうか。

 俺の周囲に折ら割れた簡素で暗い色であきらかに異質な文化圏の戦闘服を着用した隊員から、光の魔力因子と同じものが作られるのを感じた。

「まさか! この威力を複数っ」

 目視できた数は3人、全員でこれとは思わない。風の魔術で自分の身体を叩き落し、満足に動かない片足とモウ一本の脚で痛みに耐えながら一人は大きく迂回して跳躍するような挙動で胸を割いて、どくどくと血を吹き出す二つの肉の塊に変える。

 光の魔力が格子状に張られる。だめだ、全体が見通せる位置じゃないとこの聖剣の力で魔法や魔術が起こる前に聖剣の雷の魔力因子に変換する魔術は行使できない!

 聖騎士が防御用に作った金属の多重構造の傘のような構造物の1番高い位置に当たる傘の先っぽに立って光の格子が人のいる範囲発生できないように聖剣の魔術を行使し、敵の複数の光線の発射を失敗させるが、それだけで、俺は二の腕にかすった地上近くのからの複数発射された光線の一発で煮え立つような焼け方をする。反応が遅れてしまった。

 今の着弾も一瞬だけ光が見えたのだからアンドロマリー様なら避けていたぞ……!

 魔法の発生を阻害できだ。アンドロマリー様から受けたこの身の恩をその腕で返さねばならないというのに、未だにアンドロマリー様の代理を務めるだけの戦闘能力を身につけていないばかりか、借り受けたこの降雷の聖剣すら自在に防御に使いこなせないとは、

「残念だ。この程度の存在に手傷を負わされるとは、恥ずかしい」

 発射後に近く居た小隊隊員が光熱の伴わない魔術と槍で貫き少なくとも前線より大きく踏み込んで入ってきた敵兵士を5人は殺害できた。

 戦闘の専門家でもない実力者のカルラやジークフリードより強いのは当然として、セシリア女史やクラーラのような戦闘の専門家には実力で劣る半端な実力者のままの俺に聖剣を預けてくださってくれているのだ。勝利は義務である。

 敵の隊がまとまってこちらの分散した小隊を各個撃破を始め、既にこちらの戦死者は12人を超えた。もう、いい頃合いだろう。

 これだけ纏まったら敵も避けられるものではない。

 この魔力、一度に使い果たすため傘の頂点にもう一度飛び乗り、火傷から滲み出す血液の痛みを激甚の煩わしさを覚えながら、そこらの子女なら人一人より大きなほどの肉厚の大剣を、上段に構えて魔術を放ち、痛む片足を無視して両足に力を込めた跳躍で飛ぶように敵の集団に目掛けて落ちる。

 ――眩しい。ギラギラと、レンガ造りの建屋の一部が融けるけど、ここは避難場所に指定していない。構わないさ。

 ――――素晴らしい戦士たちだ! 電圧を全員が耐えきりやがった!!

 その身の力で雷撃から焼き焦がれることを耐えたその四肢も、身体に内包される筋肉の性質上、わずかに身を内側に屈めるようにして硬直した。

 自在のならない4本のウドの棒のように頼りにならない四肢が繋がった胴の上の一塊を、俺の背丈ほど大きく俺の肩幅ほど熱い大剣を全力で振るって削ぎ落とす。

 0.1秒の一瞬も隙を作っていけない。0.1秒もあれば俺より強い全ての者は身体の硬直を解き防御魔術を使用しながら態勢を整えることなど容易いことだからだ。

 約30名、敵部隊の上から見て3つほどあった戦闘部隊の一塊の首、または顔面の途中の部分を切り、脳骸を落として、白く、ゲル状のものと一緒に脳髄液を撒き散らさせながら、奥の方からドクドクと血を沸き立たせる倒れたカカシに変わる。光の魔力の位置を確認する。

 光の魔力の発生を前に確認してから30人の兵士を殺害するのにかかった時間はたぶん2,3秒くらいだ!

 閃光と閃光の間の編み込みも、魔力の範囲が大きく発射されたら全滅は免れないが、俺自身が無理をすればどうにでもなる。

「ぐぁっ!? ああアア!!」

 腕が焼ける。手のひらの先の爪から肘の奥深い骨子まで、焼けて焦げてビリビリする。ああ、預からせてもらっている聖剣を握っているだけで関節が燃えるかのように痛いんだ。

「問題ない。痛いくらいなら、耐えればいいだけだ」

 水の魔力を使った痛み止めを打つ選択肢もあるが、握力がこの光の魔力で焦げたダメージよりも入らなくなってしまいそうだ。

 だから、精神には異常性がないのだから、むしろ、そういった毒を打ち込まれても動けるように錬気の緻密さにより向き合って内蔵まで護る身体能力のついでで感覚機能も上げる。

「即死しないければいい」

 思うとアンドロマリー様が雌伏を耐えていたときに用立てて頂いてから、私は随分お金をかけて頂いだ。勇者因子を植え付け得る儀式で後天的な魔術の才能の強化、マリーお嬢様直々のつきっきりの授業、信頼できる者たちとの切磋琢磨での剣術修行、閣下となったマリーお嬢の政務を付き得るだけの勉学……、それを思えば、

「敵を殲滅することは当然のことだ……」

 痛みを気合で鈍麻させて敵の他の集団に斬りかかる。

 魔力は聖剣のものを多く攻撃に使うことで殆ど消費はない、痛みは堪えないとどうにもならないが、疲れはこれっぽっちも感じ取れないなぁ! 両腕は敵兵士を横薙ぎに大剣を振り、

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