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3-2

 レンガ造りの街を4人で見て回って食べ物屋と鍛冶屋をそれぞれ10件ほど見て回るが、ユーリは興味は惹かれてるようだが商品というより建物というか、街並みに興味があるらしい、

「そういえば、商業街と居住区で建材がだいぶ違うよね?」

「ケンザイ……?」

「あぁ、建築資材、居住区は木造なのにこっちはみんなレンガ造りばっかりってこと」

 そんな質問をトリタに聞くが、「あぁ、気づかなかったよ!」と発見に対する反応を受ける。

「前にフリッツに質問したら、『治安悪いから放火対策』とか『製造業が多いから耐火』してるんじゃないか? って想像で返事されたけど、結局どれもピンとこなかったし何が正解かなって」

「あぁ、ふふ、それはまた、想像力豊かだな、フリッツ」

「ごめん、適当に答えたのは確かだけど」

 ふざけた回答を恥じるとゼフテロから常識的な回答、

「この街が大きくなったのが帝国崩壊あとだからだよ。街自体はその前からあったんだ」

「一気に大きくなったのね」

「あぁ、塀を延長する際に区画を分けて、新しい街はほぼ同じ時期に建てられた建物ばかりだから素材が同じものになったってだけさ、旧帝国近くの王国の街はこういうの結構多い……とはきくな、実際に全部見たわけなじゃないからそれ以上言えないけど」

 なるほど、と、頷いていると

「ねぇ、さっきの鍛冶屋のアクセサリー、もうちょっと悩んでいい?」

「あぁ、いいぞ……時間もいい頃だな」

 空を見てゼフテロは「じゃあ」と

「フリッツ、今日はここらへんで明日宿へ押しかけるからな……あと、本当に普通の剣は要らないのか?」

「あぁ、また明日、剣、大丈夫だね、これでいいよ」

 そういって腰の両側に差した本来の方向と逆方向に大きく婉曲したサーベルに手をおいて撫でる。

「ショーテルなんてマイナー武器見つけるのにだいぶ、回ったが、本当に使えるのか?」

「どうだろ?」

「どうだろって……」

 額を抑えてゼフテロに呆れられるが、別に僕も考えなしってわけじゃない。

「どうせ鍔迫り合いになったら本職とじゃ鍛え方が違うんだ。力負けが確定してるんだから、きっさきを敵の鎧の隙間に差せるくらいじゃないと護身武器にならないかなって。……それに、な」

「それに?」

「剣はともかく鎌なら使っていたから、新調するなら使いやすいものをってね」

「……農具感覚だったのか、とういか鋒を当てたところで、なにが、いや、相手をひるませるだけなら十分か、いや、そもそもお前が力負けするほどか? いや、すまない待たせた、いこうか」

 話を切り上げて手をひらひらと振りながら、ゼフテロはトリタを連れて何件か前に見た店のアクセサリーを見に行った。



 「ショーテルって珍しいの?」

「まぁ、一般的ではないね。使っても山登りか我流剣士くらいじゃないかな」

 話してユーリは、人混みになにか見ているようだが、

「なにか?」

「いや」

 見慣れぬなにかでもあっただろうか?

「晩ごはんどこで食べる?」

「街を見ている途中、結構食べたから軽めでおねがい。場合によっては食べなくていいかもね」

「そうか、帝国に向かう前だし一度王国風の手の込んだ料理でも見てみるか?」

「そんなにお金かからないから」

「あぁ、手の込んだって言っても帝国料理と比べるとって意味だな。別に高級料理って意味じゃない」

 話してなにかをみつけたのか急になにか目を凝らすように見つめて、視線を戻しても。また先程の方向を見て目を凝らす。さっきから

「あれは?」

「なにを見てい」「きたっ!」

 彼女を見ている方向を向くと走ってくる鎧を着込んだ男が見えた。


 手に緊急で攻撃のための魔力を込め、腰のショーテルを抜き鎧の男が振り下ろした長剣を交差した刀で受ける。

「があ」

 激しい金属音で手が砕けたと錯覚してしまうほどの痛みで内側に湾曲した二刀で受けた痛みに手が痺れる。

 なんとか両手の刀は取りこぼしてない、受ける時にギリギリ魔術の構築も間に合った!

 が、受けるだけではだめ。

 僕の手の感覚を消失させている剣が弾かれた流れを殺さずに、握る腕をたたみ肘で僕の顎を殴る。その流れで横薙ぎに打つ剣を片腕の刀を受けながら、痛みながらも前に進んで受け流そうとするが、受け流せない。

 右腕だけでうけた刀ごと僕の体は持ち上げられて弾かれ商店の壁に背中を打ち付けられる。空いた左腕で斬りつけるが、カス当たり、魔術つかって切ったはずなんだが本当に胸当てのプレートの隙間の衣服を裂いて擦り傷を与えた程度だ。

 集団の悲鳴。多くがその場から離れようと人通りの多い通りが一瞬でパニックになる。鎧を着込んだ男の顔を見えなくしているフルフェイスの兜はユーリを向く、

「っ逃げろ!」

 背中から肺に伝わる痛みでそれしか言えない。ユーリに鎧の男は長剣を構えて斬りかかる。

 ユーリもダメだ。なんとかしようと逃げせずに拳を振るう。なんだあれは、

 目を瞑っているじゃないか! 当たるわけがない。フックのつもりか!?

 ――――――!? 鎧の長剣が弾かれる。……あたった!? そんなバカな、

 狂乱の悲鳴の中、鎧は剣に走り、僕はユーリのもとへ。

「逃げろって!」

「さっきはこの人だけじゃなかった」

「は!?」

 伏兵もいるっていのかよ!? 人混みの方向へも警戒を向ける。が、今は鎧の男だ!

 鎧が剣を拾おうとするが、取りこぼす、右腕に力が入らないのか、持ち手を換えようと左腕が掴むと、左肩から下がだらりとぶら下がるだけで動かなくなり剣がガランと転がって、さきほど切りつけた腕は白く、暗い白紫色に染まった黒色の液体を胸と腹の間の脇腹から流している。

「あぁ、さっき僕が切ったとこだ」

 左持ちのショーテルの血を払いを納刀する。

「大丈夫ですか!」

 結構早いな。かけつけた衛兵が市民に誘導されながら3人集まって、鎧と僕らを囲う。

「ユーリ、君も手を上げて」

 両手を上げて兵士に害意が無いことを表し、鎧がうめき出し右膝から崩れてのたうち回る。

「え、どういう状況?」

「毒の魔術で返り討ちに」

「……事情は詰め所で」

 そうして一人の兵士が僕ら二人へ、二人の兵士が鎧の男に迫ると男は左腕を自分の兜正面へ当て、魔術を発動した。

「なっ!」

 発火した男の腕を見て、自爆かと僕ら含めて全員が一息距離を置くと男はただ、自分の顔面だけを正確に焼き入れる。

「証拠隠滅……えぇ」

 若い兵士が引いている男の自決に、後から数人の兵士が合流して事情聴取を受ける。

 詰め所に拘留されるかと思ったが、買い物のために持っていた手形などで現在の王国民としての僕の身分が結構簡単に確認され、直接の死因は自殺と判断され目撃者も多かったことから起きたことをそのまま話すと、深刻そうに兵士が話し合ってこそいたものの、僕が痺れ毒以上の何かしたとは考えずにそのまま宿に戻ることを許された。

 (迂闊だな)とも(運が良かったな)とも思いつつ、その頃でもまだ夕闇は遠く、夕飯までそれなりの余暇を宿屋のロビーで談笑した。


 ◆ ◆


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