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明日を憂う事なかれ  作者: 不可思議
9/47

スカウト

今回の主要登場人物。


今村(いまむら)真人(まさと) 【ABBA】隊長級工作員  


長田 正弘(まさひろ) 今村班のメンバー 


枝窪(えくぼ) 美彩(みさ)  九州大学教授 海洋資源を研究 三上刃とは大学時代からの親友、

それ以上もあるかも 三上の情報屋もしている。      

(現在2025年4月23日)


三上の元に安土(アズチ)が現れ、

三上の負った大災難の元に成った情報を知った

枝窪(えくぼ)が、三上の元から消えて、

早、10日の日数が経っていた、

未だ一人で歩く事も出来ない三上だったが、

そろそろ我慢の限界に達して居て、

今日こそは、久遠(くどう)が来たら、頼もうと

気合を入れ、朝から久遠を待っている状態だったのだが、

そんな時に限って、もうお昼だと言うのに姿を現さない久遠に、

三上は、看護士さんがテーブルに昼のご飯を

用意してくれたにも関わらず、手を付けずに苛立って居た。


「くぅ~ 久遠の奴、今日は遅いなぁ、

今日は来ないのかもしれんなぁ。」 


そんな状況だったのだ、 


三上が何を焦って、久遠を待って居たかと言うと、

その原因は、枝窪の事が気になって、気になって、

敦森のやろうに捕まり、

一体どんな危ない目に遭わされてるのか?とか、


もしかして安土が言ってた丸菱薬品関係の

実験用モルモットにされる為、

捕まって、殺られてるのかもとか、

悪い事ばかり浮かんで来て、居ても立っても居られなく、

とうとう三上はドクが誘ってくれたあの死の危険が高く、

普通の人間では無く成ると言う危険な手術を、

一か八か、受けようと決心を固め、

その連絡を久遠にして貰おうと

待って居たと言うのが理由だったのだ。 

    

三上が、そんな心配をしてた頃、



枝窪(えくぼ)は、✖〇党放置会系の議員の中でも、

取り分け中国系の者達と関係が深いと噂がある議員を

一人、一人、個別に調査していた、調査を開始してから

9日と言う日数が経っていた、この間、本職となる

大学教授としての役割は、リモートワークで済ませ、

海洋資源の研究室は後輩の助教授、結愛(ユア)・アッシュバーンに任せ、

今は此方に集中している。            


今日は、衆議院議員 小林 一颯(いっさ)の講演会を聞きに、

東京丸の内にある会場(ムーンホール)に来ていた、       

そこで、小林一颯議員の話を聞いていた、勿論周囲に居る人達、

一人一人を隠しカメラに収め、後でどう言う人物で、小林議員と

関係があるのか? とか こまめに洗い出しをして行く為の行為だ、

ここ9日間で得た情報は全て保存してあり、枝窪の得意とする

情報分析技能を存分に役立て枝窪のPCに整理されている、

だが、続けざまに✖〇党放置会系の議員に近付いて来た、

見かけない女の情報がこの講演会の主役、小林一颯を警護している

spに(もたら)されていたのだ、枝窪(えくぼ)もここ数日と違う雰囲気を感じていたのだが、

まだいけると思ったのか、変に粘ってしまった為、

些細な枝窪のある行動に気付いたspが、枝窪の方へと近付いて来たのだ、

3方向から枝窪を囲う様に近付いて来る、枝窪はやばいと気付いたが、

既に逃げる間は与えて貰えなかったのだ。


「そこのあなた、ちょっと来て下さい。」

spにそう言われ、席を立たされる枝窪。

 

「なに、何なのあなた方は!」

大袈裟に周りに聞える様に立ち振る舞う枝窪。


しかし、誰も助ける素振りすらしてくれなく、三名のspに囲まれ、腕を掴まれ、

会場の外まで連れ出されて行く枝窪、助けを求める目線を歩いてる人に送っても

何だ? と見るだけでそのまま行ってしまう有様だった、

結局、何も出来ないまま、車の所まで連れて来られたのだ。


枝窪はこれはやばい、どうしよう(ジン)、等と心の中で思った。

待ち構えて居た様に後部スライドドアを開け待って居たのだ、

ミニバンに押し込められた枝窪を挟む様に両サイドにspが乗り込み

真ん中にして逃げられない状態にしてしまったのだ。


どうする事も出来ない枝窪は、神様に祈るしか出来なかった。 


さらに頭から頭巾をかぶせられ、周りが分らない様にされると、   

そのミニバンが走り出してしまったのだ。


枝窪は恐怖で一杯に成り、(ジン)が言ってた事を思い出していた。

馬鹿野郎、絶対にダメだ許さん。刃と別れる最後のセリフが

頭に残ってぐるぐると回っていたのだ。  

 

所が、

枝窪がミニバンに乗せられ連れて行かれる所をしっかりと見、

監視していた者達が居た。

  

現在✖〇党放置会系の議員達は皆、遠くから監視されていたのだ、

その監視している者達とは、【ABBA(アバ)】所属の工作員達だ。    

【ABBA】は放置会系の議員達を、日本人拉致に関与した証拠を得、

正式に中国に加担する敵と見なしたのだ。


枝窪が乗せられたミニバンは、【ABBA】工作員の車が後を追い、

何処に連れて行かれるのか?  

しっかりと確認せよと言う指示が入っていた。 

  

ミニバンは、直ぐに首都高速に乗り、

そのまま東名高速に入った、そこで連絡を受け先回りして居た

次の工作員が乗る車と交代、【ABBA】工作員達は連携して、

敵ミニバンを追跡、それだけでは無く、宇宙からの監視も始めていたのだ。

{【ABBA(アバ)】保有の監視衛星(プリズン)は、

表向き【ABBA(アバ)】を支援する民間企業が商業目的として

打ち上げた通信衛星に隠され取り付けられている、主に日本国内を監視出来るスパイ衛星だ}


地上追跡班は、この後も何度か交代しながら

ミニバンの目的地、三重県四日市にあるゴルフ場へと

入って行ったのだ、ここで一旦、枝窪を乗せたミニバンを地上監視班は見失う事に成った。


急遽、【ABBA】中部支部へ連絡し3名の応援と、

このゴルフ場に予約を入れさせ、ゴルフクラブを用意させたのだ。

30分程遅れ、中に入る事と成った工作員は、

あのミニバンを探す為、駐車場をぐるっと回る...  

    

だが、あのミニバンは駐車場には無かったのだ、

その事を【ABBA】司令部に連絡、すると、

地上監視衛星(プリズン)からの情報を地上監視班に伝えて来た、

最後に捉えた拡大映像を工作員が見ると、

ゴルフ場クラブハウスの中へ入るミニバンが映っていたのだ。 

    

ミニバンはクラブハウスに入った事が分かると、



工作員達は駐車場に車を置き、クラブハウスの入り口にやって来ると、

クラブ支配人が、表に出て自分達を出迎えてくれた、

どうやら、予約時間を見越して、客を出迎えた様だ、

監視カメラも付いているのであれで駐車場の様子を見て居たのだろう。

  

受付を完了させると、現在ゴルフ場は空いていて、

そのまま直ぐに順番が回って来る事に成った。


しかし、外に出ても、あのミニバンを見付ける事は出来ない、

取りあえず更衣室へ行き、ラウンド様の服に着替えるふりを

して時間を稼ぎつつ、司令部に状況を報告し、作戦を始めようと、   

客の振りをしている工作員は、クラブハウスに客がいなかった事を理由にし、

早速、実力行使を始めるとのやり取りを司令部としていた、

その一報は、現在ヘリで大宮基地から此方に向かって来てる

今村隊長率いる5名の工作員にも入っていた。   

司令部は間もなく到着する、今村班を待ってからでは駄目なのか? 

そう、伝えたのだが、客が少なく、そのまま

ラウンドの順番が来てしまって居るとの事から、

引き伸ばしは出来ないと連絡、

先程出迎えてくれたクラブの支配人が居るだろうフロントに向かい、

クラブハウスに隠されているミニバンの所まで案内する様、

拳銃を突き付け、支配人とその他従業員を脅したのだ、

するとフロントでの接客をしていた従業員の一人が、

いかにも一般の者だと言う態度で、騒ぎ出したのだ、

それを止めようと一人の工作員が、「撃ちませんから大丈夫ですよ」と

その男に近付くと、その男がいきなり懐から拳銃を抜き、近付いた工作員に発砲、

更に物陰に移動し、他の工作員にも発砲して来たのだ、

慌てて、【ABBA】工作員達もフロントの中に飛び込む、

カウンターの影に隠れながら、その男と銃撃戦に成ってしまった。


カウンターの中では、支配人ともう一人受付の女性が

頭を抱えて身を低くし、銃撃戦に耐えていた、

その表情から、こちらは本物かと判断した工作員は、

男が撃って来なくなったので、カウンターから飛び出し

一気に方を付けるべく突撃を行ったのだ、二人の工作員が連携し

それを行うと、直ぐに男を取り押さえる事に成功、

殴り倒してから、車のありかを吐かせる事に成ったのだ。  

    

一人の工作員は撃たれて倒れていたが、命に別状は無かった、

弾丸は、胸に当たったのだが、防弾チョッキを着て居たので

ある程度のダメージは防げていた、だが弾はそれを突き抜け

アバラを折っていた様だ、息をするのも辛そうにしているので、

肺にも損傷を受けたのかもしれない、そうした事が分かったので、

もう直ぐ着くと言われていた応援の班が乗って来たヘリで、

一番近い岡崎基地へと撤退させる事にした。

  

工作員達は、捕まえた男に手錠を掛け、カウンターの中で震える

支配人と受付嬢も表に出し、尋問する事にした。

       

「二人共、こちらに出て来て下さい、

何もしません、ただ話を聞かせて欲しいだけなので。」


工作員の一人がそう言うと、まず支配人が先に立ち上がり、

辺りを見回した、そしてカウンターから出る様に受付嬢にも支持して

二人で出て来たのだ、 すると尋問が始まった。


「我々は、誘拐された人を追ってここに来ました、

その者達はミニバンに乗り、このゴルフ場に入ったのです、

そして、そのミニバンは現在このクラブハウスの何処かに駐車中です、

我々を、その場所に案内して欲しいのです、出来ますか?」


工作員のその言葉を受けたが、そのミニバンがある場所の事は知らないと、

二人は首を振り、答えて来た、仕方ないので、銃で抵抗して来たあの男を

徹底的に叩きのめし、白状させようと試みたのだが、一向に口を割ろうとは

しなかったのだ、そんな状態だったが、突然工作員達に向け銃撃が始まった!!


クラブハウスの様子がおかしい事を下に居た、小林一颯のspもしていた

警視庁狭間官兵衛警視総監派に引きこまれたsp達と、中国独裁党から

日本に送り込まれて来ている工作員

{横浜赤レンガ街倉庫地下基地で訓練と教育を受け終わった者達で、

何年も前から少しづづ日本全国に送り込まれていた。

基地は現在封鎖されている。}


達が、襲って来たのだ、その数ざっと6名。 まだ実際の数は分からない、

急いで カウンターの中や、ソファーの影に身を伏せる【ABBA】工作員。


逃げ遅れた、支配人と受付嬢は弾丸が当たったのか? 倒れている。


銃撃戦が始まっていた、負傷した工作員を逃がす間も与えて貰えず、

攻められ続ける事に、しかし、ヘリで到着した今村班が、

早速、その銃撃を嗅ぎ付け、敵の後ろに回り込み攻撃をして来たのだ、

後ろを取られた敵部隊は二方面からの挟み撃ちの状態に成ると、

時間を置かず全滅したのだ、 片付け終わると、今村隊長が。


「無事かお前達?」 


「はい隊長、こちらは皆無事です。」


そう言いつつ、先に戦って居た者達の所へと駆け付けた。


「今村さん、こちらは一人負傷、2名が軽傷を負ってます、

軽傷者は問題無く任務を続行できますが、

重症と思われる工作員は、あばらを折り、

肺を少しやられている様です。」


「そうか、誰か重症の者を連れヘリへ向かってくれ。」


「では私が。」 そう言葉を出したのは今村班の長田だ。  

      

そう言うと長田は、負傷者を連れ乗って来たヘリへと連れて行く...


残った今村隊長と7名の工作員で、周囲の状況を確認、

死んだ敵の工作員達を一人一人調べ始める、

死んだと思われていた、受付嬢も腹を撃たれてはいたのだが

生きてる事が分かり、今村隊長に報告、すると今村隊長は、

もう一名の工作員に指示を出し、先程連れて行った負傷者と

同じく、ヘリで中部地区最大の基地、

岡崎基地へと連れて行く様に指示を出したのだ、勿論ヘリのパイロットに

連絡を入れ、まだ飛び発つなと指示を出して措く。


「こちら今村班、もう一名、

緊急の負傷者を連れて行く、飛ぶのはその後にしてくれ。

後、長田は戻る様に伝えてくれ、

後から行く工作員に怪我人の擁護は頼んである。  」

プスッ

「こちらMH2000 ABBA-5 了解しました。」            

ガチャ 


工作員一名を付け受付嬢を介護しながらヘリへと向かわせた。


長田が戻ると、いよいよ発見した地下へと続く階段に降りて行く事に、  

警戒しながらも、そそくさと下に降りて行く工作員、

下まで降り、扉を開くとそこは変電設備の為の部屋に成って居た、

この部屋はそれ程大きく無く、入り口も此処しか無かった。


「ここじゃ無いな、もう一つ扉があった、あれの奥かも知れん。」    


そう言い、階段下にあるもう一つの扉を工作員の一人が開けたのだ、   

  

するとその部屋は、温泉用のボイラー室に成って居て、

かなりの蒸し暑さだ、 

奥にドアがあった、そのままその部屋を抜け

ドアを開くと、先程戦闘した工作員達の根城に成ってただろう、

飲み食いした後や、ゲーム機、テレビ、冷蔵庫、ソファ等、

色々おいてある部屋があった、おまけにクラブハウスの

所々を映し出したディスプレイが並べてあったのだ。     


そしてその部屋の先にあった扉を開け、中に入ると、

小さな倉庫に成って居た、そこを調べて居ると、

スイッチを見付け、それを使うと、

壁だと思っていた場所が突然開く事に、 どうやら隠し扉を見付けた様だ。  


その中へ入った工作員が、突然顔をしかめた! 

思わず顔を背けたくなる酷い悪臭を放って来たのだ、  

長田がそこを覗き込むと、そこには沢山の人が囚われて居て、

倒れている者、吊るされている者、椅子に縛られている者、

怪我をしてる人、様々な人達が囚われていたのだ。


「しかし、凄い悪臭だ。」長田が鼻を摘まみながらそう口にする

すると、別の工作員が、


「そりゃ仕方ない、この人達のトイレも此処でさせられていた様だ。」

匂いの原因は、囚われの人達の排泄した糞尿だったのだ、

しかも腐って匂いが増している、かなり長く囚われて居たのかも知れなかった。   


今村隊長は、この事を本部に知らせ、

直ぐに対処するよう求めた。」 


「司令部、こちら今村班、現在レイバーゴルフクラブ地下で

多数の囚われた一般人を発見、その数20を下りません、

しかもかなり衰弱している者も多数、大至急しかるべき手を打つ用求めます。」     


「こちら司令部、今村隊長了解しました、

そちらに警察官と救急隊を多数差し向けます。

尚、警察官が到着する前に退去するようお願いします。」

        

「了解。」 


連絡を完了した今村は、直ちに中を調査、

そこに捕らえられて居た今回の主役、枝窪(えくぼ)美彩(みさ)を発見、

「何て奴等だ、こんな美女の顔を殴ってやがったのか!」

長田がそんな事を口から漏らし、枝窪を助け出す。    

椅子に縛られ、何発か顔面を殴られた様だ、

顔を腫らし、口からは血を流して今は気を失っていた。 

その枝窪を救出すると、他の囚われて居た人達には、

飲み物を与えるだけでそのままにし、

直ぐに警察と救急隊がやって来るからと言い残して、

撤退する事に、急ぎ車の元へと戻り、追跡して来た車と

ゴルフバッグを持って応援に来た車の二台に別れ、

ゴルフ場を後に、岡崎基地へと撤収したのだ。 

 

    

枝窪が気が付くと、そこは医療室だったのだ、

今はベッドに寝かされ、顔にアイスノンが張られていた  

来て居た服は脱がされ、代わりに白い部屋着が着せられて居た。


「ここ何処よ?  あ痛たた。」 

枝窪は気が付くと、顔面の痛さを感じながら自分の様子を確認し、

別に囚われている様では無く、治療され寝かされていた事に

驚きを感じていたが、身動きが出来る状態だったので、

早速、ここから脱出しようと行動に移したのだ。


空いて居たドアをそ~~と開けて、外の様子を偵察、

廊下に居る者の位置と向きを把握し、目指す地点を決めると、

サッと行動し、気付かれずに一気に別の扉の中へと入った! 

その扉の中の部屋を見ると、別の人が寝かされていたのだ、   

見ると、胸に包帯が巻かれ治療されている様だ、

どうやら此処は、病院なんだと勘違いした枝窪は、

今度は、堂々とドアを開き、廊下をうろつき始めた。    


所がそんな枝窪の様子は、岡崎基地司令部にあるモニターで

監視員の元、しっかり観察されていたのだ、

基地の中には彼方此方、監視カメラが備えられており、

特に他所から来た者、部外者等は怪我人でもしっかりと

監視対象に成って居た、その監視担当の者と、話をしていたのは

今村班の一人、長田だった、長田は自分が助けた顔を腫らした女性の事を

気に掛けていたのだ、モニターに映る枝窪の不審な行動を

二人で見ながら、話をしていた。


「いや、この人凄いわぁ、あんな目に遭ってながら

目が覚めると、直ぐにあんなに賢く周りを見て 

自分の状態と周囲を確認し、もう行動し始めたよ。」   


「あっ、移動した、誰も気付いて無いみたいだわ。」


「マジか、廊下には3名も居たのに、何ボケっと話してんじゃあいつ等は!」


「あの部屋は、確か、あばらと胸を痛めた工作員が寝てる部屋ね。」

                

「あれあの部屋にはカメラは無いのかい。」


「ええ、向こう側の部屋には無いわ廊下と反対側だけよ。」

                

「どう成ったんだろう、出て来ないわね。」  

  

「じゃあ、俺が見て来ようか?」


「あっ待って、出て来たわ。」


「ほんとだ、あれ、でももう隠れようとして無いよ?」 


「本当ね、堂々と廊下を歩いてるわ。」 


長田達がそんなやり取りをして居たが、既に今村隊長が動いて居た。


枝窪の側まで近付くと、声を掛けたのだ。


枝窪は急接近して来た今村を警戒したのだが、

プロの今村はスルッと近付いて枝窪に話しかけて来た。

   

枝窪(えくぼ)美彩(みさ)さんですね、

私は【ABBA(アバ)】工作員 今村(いまむら)真人(まさと)と言います。」  」  


「えっ、あどうも、枝窪と申します。」  


「気を失われて居たから此処に居る事情がお分かりに成られて無いでしょう、

彼方のベンチに座りながら話をしましょう、

知っている事をお話しますよ。」   

  

「ええ、どうして此処に居るのか分からないのよ、

良いわ、話を聞かせて頂くわ。」


そうして、自動販売機が置いてある

横に並べられたベンチシートに座ると、  


「喉が渇きませんか? 何か飲みませんか。」


そう声を掛けられ、喉が渇いて居た枝窪は、


「飲みます飲みます!」  


手を挙げて答えた、すると今村は、

緑茶のペットボトルを買い枝窪に持って来た。    


「ありがとう、喉からからだったのよ♫」


「それは良かった、では何から話せばよいか、

それじゃあ先ず、あなたの事を何故助ける事に成ったのか

その話から始めます。」


今村はそう言うと、枝窪に話を始めた、

枝窪は温かいお茶を飲みながら、その話を聞き始めたのだ。


「私達の組織【ABBA(アバ)】は✖〇党放置会系の議員を、

独裁党と手を結び、日本を攻撃する敵だと認定しました、

それで放置会系議員全員を監視していたのです、     

そこに、10日程前から、急に毎回同じ女性が報告リストに

出て来る様に成ったのです、それが枝窪(えくぼ)美彩(みさ)さん貴方の事です。   

  

「えっ見られてたの!」


「ええ、バッチリと監視されていましたよ、

それで不審に思ったうちの者が、貴方を調べました、

九州大学で講義しながら海洋資源の研究をされているとか。」


「そう、してるわ。」


「しかし、

調べて居たのは私達【ABBA】だけでは無かったのです、

放置会系議員を警護しているsp達も、枝窪さんの行動に不信を持ち

待ち構えて居たのです、その情報をキャッチした我々は

あなたを助ける行動に出ました、その理由は単純です。」 


「単純とは?」


「枝窪さんの行動は、明らかに放置会系の議員達の調査でした、

要するに、放置会系議員と敵対している行為だと分かったのです、

そうすると、我々と(こころざし)が近い、同胞だと上は判断したのです。」      


「志ってそんな大袈裟な、私はただ(ジン)の為に..」      


「刃さんとは?」


「あいつ等に、動けない体にされたの。」


「成程、恨みで動いてらしたのですか、

恨みで動いても、ロクな事には成りませんよ、

どうです、うちの組織であなたの能力を生かしてくれませんか?

偶に手伝うだけでも良いのです。」   


「私に出来る事って、海洋資源方面で? それとも別の何か?」    


「やれる事は多多あります、先ずはやっぱり

✖〇党放置会系の議員を痛い目に遭わす作戦等を

一緒にどうですか?」 

  

「ええっ、そんな作戦を 私もご一緒させて貰って良いのかしら?」


「勿論ですよ、お一人で調べて、危険な目に遭うより

私達のチームと一緒に奴等と戦いましょう。」


「分かりました、

何をすれば良いか分からないけど、

協力させて頂くわ。」


こうして枝窪は【ABBA(アバ)】に強力する事に成ったのだ。






最後まで読んでくれありがとうございました。

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