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明日を憂う事なかれ  作者: 不可思議
47/47

特別監察官    

今回のあらすじ



追い込まれた司懿特別監察官は、地下から脱出を図っていた、

所が後ろから得体の知れない者達に攻撃され・・・    

(2025年10月3日) 夕刻



もう辺りは暗く成って来ていた、それでも上空を旋回する

ヘリコプターの振動音が、施設内の様子を伺っている洋子と枝窪達の腹底まで響き、 

中へ潜入した三上と壷井の安否を願いながら、 

移り行く状況を見守って居た。


上空には、ニンジャの愛称で知られるOH-1 2機と、

アパッチ、ロングボウ AH-64D 3機が交代で旋回している、


マスコミ各社のヘリは、安全の為、更に上空へと押しやられての

撮影と成り各社は、遠方からの望遠カメラでの撮影と成っていた、

それでも少しでも良い映像を流そうと、何度も何度もぐるぐると旋回し、

今も上空を飛び回っていた。    


訓練された自衛隊員達が、中に押し入り、第三世代と言われる遺伝子強化人間と

戦闘していたのだが、十分に訓練され装備も整えた戦力での突撃にも関わらず、   

生身の兵士達の突撃では、桁違いのスピードと正確な射撃、

更に、アサルトライフルの弾が10数発当たった程度では倒れる所か

何も変わらん動きで攻撃を続けて来ると言う、

信じられない程、半端ないタフネスさで反撃を食らってしまい、

予想以上の被害が出てしまっていたのだ、


その報が、司令部にも逐一報告が齎されて来ると、

想定以上の被害報告に、作戦室の中の者から、一旦外へ出て

攻撃ヘリからの攻撃に切り替えましょう等と言う、

中にあるだろう証拠や、捉えられた一般人の安否おも危険にさらすと言う、

無茶な事を言い出す者まで出始める事と成り。 


 

「馬鹿な事を口にするな、中には捉えられた一般人も

いる事を忘れたのか!」   

   

「ですが指令、既にあの様な化け物兵士に作り変えられてしまっている

可能性の方が高いんですよ、可能性の問題で、

うちの隊員達の命は懸けられません。」 


「ふむ、君が部下達の事を思う心には一目置こう、  

だがその意見に私は反対するよ、

そもそもこの作戦は、拉致されたと思われる多くの一般人を

救い出すと共に、敵アジトの奪取が目的なのだ、破壊してしまっては

奴らの意図するところを調査出来なく成ってしまう、

我々は奴らの事をまだ良く知らないのだからな。」        


作戦司令部と成って居た豊川駐屯地では、

藍原(アイバラ)一等陸佐、妙善(みょうぜん)駐屯地幕僚以下、 

7名の隊員達が上がって来る情報を元に、時間と共に変化する

現場に合わせた作戦指示を送る為の決断に追われていた、


その中でも意見が真っ二つに割れ始めてしまい、 

一方は、武装した強化人間との戦闘で、隊員の命を守る為、

出来る限り安全に作戦を進める事が重要だとする意見と、

 

現場に囚われて居ると思われる人達及び、実行犯達の情報を保護しつつ

現場を制圧すると言う当初の作戦の通り推し進めようとする意見とに分かれ、

被害情報が挙げられて来る度に、当初の計画通り進めようとする

藍原(アイバラ)一等陸佐と妙善(みょうぜん)駐屯地幕僚達に

厳しい意見が投げかけられて来ると言った状況と成って来ている・・ 


            

予想以上に強力な強化人間との闘いで、突入により死亡、負傷する

兵士の数が許容出来る数を大幅に上回る報告が成されて来ていた為に、

妙善(みょうぜん)駐屯地幕僚も、このまま続けて良いのか?  

しかし、既に多くの兵士達が中へと進んでしまっていた状況から、

安易に撤退したとしても、余計に被害が大きく成り、

更に得る物も無し等と言う最悪の結果もあり得た為、

迂闊に撤退する事も指示出来なく成って居る、

そこで妙善(みょうぜん)駐屯地幕僚は、ここで、

此方の部隊が建物内部でも有利な状況を作り出す為、次の案を示して来た。  


現在進行中の南側出入口付近から遠い、建物北側付近から

ヘルファイア攻撃をさせ、そこから装甲車部隊で押し入り

中の兵士達の援護をさせると言う案を出したのだ。 


藍原(アイバラ)指令、ここは折角攻撃ヘリまで飛ばしているんです、

我々の兵士に北側から離れる様指示してから、建物北側から

攻撃ヘリに攻撃させ、そこへ装甲車部隊を送り込み、

中の兵士を援護させましょう、何なら、戦車を送っても構いません。」 

    

「いや、戦車を送ってる時間は無い、今、現場にある

装甲車を使おう、先ずは中の兵士達に北側からハイドラ(ロケット弾)で攻撃を行い、

装甲車5台以上が陣取れるだけの空間を作る様、伝えるんだ。」              

     

「了解しました指令。」 


その指示を受けた者が、直ぐに現場に指示を出し、

この作戦は直ちに実行されたのだ。




雨水貯水層の中では、数個のワークライトの明かりや

ヘルメット装着用のLEDライトの明かりが、激しく揺れる人影を映し出していた、 

その光は明るい物で1200ルーメン程度だったが、真っ暗な地下では

非常に明るく真面に見てしまうと眩しい位の明るさと成っていた、 

弾切れの為、敵に対抗出来なく成ってしまった

元【ABBA】工作員のメンバーは、壁に叩きつけられ失神したのか死んだのか? 

分からないメンバー3名を置き去りにしたままだったが、無駄にメンバーを

死なせる訳にはいかなかった為、堂本がメンバー達に、

増田さん達の所まで撤退だと叫ぶと、同意した沢も近くのメンバーに

撤退指示を送り、増田と熊谷が居る、地下との昇降口へと戻って来ていた、


そんな中、こちらも、自衛隊と愛知県警機動隊により完全包囲されてしまった

中国独裁党から、日本支部最高指導者【呂攻(リョコウ)】を補佐兼監視する為に    

派遣された【司懿特別監察官】が、【呂攻】に宣言した約束の期限までに

十分に日本を制圧出来る数の強化人間 約{10000体}を揃える事を公言していた為、

新潟に作った三条工場が壊滅した事を知ると、

何時もの平常心では居られなく成ってしまっていた、

そこに犬山工場までもが、事前に情報が入らぬ間に、

自衛隊に包囲されてしまうと言う不手際が起き、ここまで作り上げた

工場を見捨て、強化人間をも置き去りに地下から逃げ出すと言う屈辱を

味わう事と成ったのだ、更に後ろから追いかけて来た正体不明の者に

カオルがぶっ飛ばされ、壁に叩きつけられた状況を見て!

「屈辱だけでは済ま無いかもしれん」

現在では命を無くす危険まで迫っている状況と成っていた。


【司懿特別監察官】最後の要、

【カオル】の戦いに全てが掛かってる状況と成って居る。  

          

                                        

そのカオルの相手をしていたのは、フリージャーナリストの三上だった、 

仕事で敦森議員のパーティに出席、そこで得た遺伝子検査機valorから得た

遺伝子データが入ったノート型PCを手にした事で独裁党末端組織の者に拉致され

身体をボロボロにされた為、アンドロイドの身体と成った三上刃が戦っていたのだ。


普通の遺伝子強化兵とは別格の強さを持った恐るべき【稀】と呼ばれる

強化人間と成った【カオル】相手に互角以上の戦いを見せ、

司懿達を追い詰めている、 

だが、ここ来てカオルを殺す事に躊躇し始めてしまった事で、

余計な時間を使ってしまい、その僅かな時間を活用した【カオル】は

ここに来て更なる進化を見せ始め、潜在能力の高さを発揮し始めた。 



「くっ カオルの野郎、今の蹴りさっきより早く成ってねぇか!」    

      

ギリギリの所でカオルの足技を避けた三上は、

ますます切れ味が鋭く成って来たカオルの足技の連撃を避ける事で、

精一杯と言う有様だ、無限動力から供給されるエネルギーを使い、

強化された身体をフル反応させても全く余裕が無い所まで追いつかれている。


先程まで握ってたイニシアティブをカオルに奪われてしまった事に気付くと、

このままこれを続けていては此方が殺されるだけだと、

三上も、先程までの甘い気の入れ方とは違い、気を入れ直し、

研ぎ澄ました当たれば死ぬだろう、攻撃を組み入れた攻撃型の戦いへとup、


上部からの鞭の様な蹴り技を繰り出すカオルに対し、

その足に左フックをカウンターとして合わせた!  

  

 

バシッ  

    

   

空中を回転しながら弓なりで振り下ろされたカオルの左足の足首に、

三上が合わせた左のカウンターがさく裂すると、

カオル側からすると、右からの強烈な力が加わった為、空中で右回転と成ってしまった、


カオルはそのバランスが崩された空中に浮遊した態勢から切り返す為、 

体を無理やり捻り、今度は右足の攻撃に切り替え、

三上の肩越しから足を振り下ろして来た!       

 

その切り替えの速さに完全に避ける事が出来なかった三上は、

カオルのしなった右足からの攻撃を肩から受けてしまった、 


ズシリと重いしなりを利かせた蹴りが肩越しから入ると、

人工被膜や強化筋肉で覆われた肩に大きなダメージが加えられ破壊、      


普通の人間の肩なら木っ端みじんに成って居た所だが、

人工的に作られた、強化された筋肉と被膜がLPSO型マグネシウム合金製の骨

へのダメージを軽減、破壊された人工筋肉はひしゃげ、潰れていたが、 

ほぼ無傷のままの状態で骨格は残って居た、三上が力を入れると

まだ問題の無いレベルで反応、動く事を確認。     

    

三上の方のダメージは、こう成って居たが、

【カオル】の方のダメージはかなり深刻と成って居た、  


三上の機械の左手で破壊されたカオルの左足首は砕け散った為、

足底部は地面に落下、左足底部が無くなった為、今までの様に動く事が

出来ない状態へと変化してしまい、右肩部分の人工皮膚と強化筋肉が少し潰れ、

剥がれた三上との優位性は大きな差と成って現れる事に。  

      


「おい、カオルそんな足でまだ俺と戦うのを辞めないのか!」



足の長さのバランスが無くなり、極端に動きの悪くなった攻撃を受け止め、

それでも今度は手を抜かなかった三上は、左ブローをカオルの腹に居れ

突き入れた、その左腕は、カオルの背中から飛び出し、血を滴らせ突き抜けたのだ。                

こんな状態に成っても戦いを辞めないカオルは、

今度は頭突き攻撃を三上に入れようとして来る・・ 


三上は戦いを辞めないカオルに対し、今度は全く気を許しては無かった、

その頭突きに対し、力を合わせた投げ技を入れたのだ、

腹に突き入れたままだった左腕を持ち上げ、右手を首に回し、そのまま地面に

叩き付けたのだ!!

頭突きを入れようとしたカオルの頭は、自分が頭突きを入れようと使った力と、

三上の突き入れた腕の力が合わさり、 地面とのバトルと成ってしまったのだ、

カオルの額は、コンクリートと戦ってしまった為、パックリと割れ、

頭から大量の血が噴き出している、

綺麗な顔も血で見えなく成ってしまったのだ。  

        

ほぼ、戦闘不能、ふらふらとしたカオルを見て  

もう戦うまでも無いと確認した三上は、カオルをこんな状態にした張本人に

目を向け、近付き始めると、司懿特別監察官は。



「待て、私は独裁党の中でもかなり高い、序列第9位の党員だ、

私をこのまま行かせてくれたら、必ず恩に報いるぞ!」 

      


この期に及んでもまだそんな事を言って来た名も知らない男に

三上は。           


 

「てめぇが何様かは知らねぇし関係ねぇ、ただ

俺の知り合いにこれだけの事をしてくれたんだ、

この状況で見逃す程、俺は甘くねぇんだよ。」          

     

                    

三上の目を見た司懿特別監察官は、この相手に何を言っても

殺されると悟ると、ここまでかと奥歯を有りっ丈の力を込め咬んだのだ、

すると、間もなくして口から泡を出し始め、地面に倒れ痙攣し始めた・・



「しまった、毒を仕込んでやがったのか!」 


 

三上が叫び越えを上げる、 慌てて口に指を突っ込み

吐き出させようと心みたのだが、仕込まれていた毒はかなり強い毒だった様で

司懿特別監察官は口から大量の泡を吹き、直ぐに息をしなくなってしまった。  


それを見ていた、敦森議員から派遣されていた小松と言う男が慌てて。 



「不味い何て事だ、特別監察官が死んでしまった、

もしかすると、嫌、間違い無く、あれが使われる、

特別監察官以外にあれが何処にあるのかさえ分かってないと言うのに。」           

 


この様な事を言い出した為、三上と壷井の二人は。 



「何だ、何の話を言ってる?」 


「その死んでしまった特別監察官は奥の手に、特定の遺伝子を持つ者だけに

対して致死の効果を発揮させるウィルス爆弾を用意してる。」          



「ウィルス爆弾だと。」 


「実際の装置がどう言う物なのかは知られてはいません、

しかしそう呼ばれて居ました、その為、

多くの日本人の遺伝子を携帯遺伝子検査機(valor)を使い集めさせていたんです、

既に日本国に住む者の6割近いデータは確保されていて、

私は敦森議員に命じられ、特別監察官からそのウィルス爆弾の在りかと

何時、どの様にして使うのか?

一早くその情報を知る為に特別監察官の近くに送られたのです。」        


「何、敦森議員! 奴め独裁党の手下をやりつつ

日本人拉致に大きく関わり、今度は、ウィルス爆弾だぁ。」



「そんな場合では無く成ってしまったのかも知れません、

特別監察官が死んでしまった事で、

その作戦が決行されてしまう危険が迫ってると考えて良いでしょう、

その爆弾は、何時、何処で使われるのか?  

それにウィルスと呼ばれてますが、どの様な物かは分かっていないのです。」      



「そいつは不味い、お前が死ぬのは構わねぇが、

日本に住む6割もの人達の遺伝子データが抜かれているって、

しかもそのデータの奴らがターゲットに成ってるって事だろう。」   



「そう、最悪なのは、その情報が分からないまま

責任者が死んでしまった事です、もう先が見えません。」 


「くぅ、迂闊に死なせてしまったな、

情報を引き出してから始末すればよかったか?

嫌、やり直せた所で、そんなに変わりはしなかっただろうな。」  

              

「それじゃあ三上さん、さっさと地上へ出るでやんす。」 



「そうだな、少しでもこの死体が発見されるのを遅らせる方が

良いだろうが、今はそこに倒れている奴らの手当が先に成る、

俺は取り合えずカオルを担いでと、 後、そっちのねぇちゃんだな。」 


三上が手前勝手に事を進めようとすると、そこに文句が飛んで来た、

言葉を発したのは壷井だ。


     

「ずるいでやんすよ三上さん、

それじゃあ、あっしの担当は野郎二人に成るでやんす!」       


今も地面に倒れていた米倉や西園寺、それと今村を担ぐ担当で

三上が女性二人を選んだ事で、壷井の怒りに火を付けてしまったらしく

激しい抗議の声を挙げたのだ、一旦怒り出すと気の荒さが表に出て来て

とても扱い辛くなる事を長年の付き合いから知ってた三上は。    

  


「分かった、そっちのねぇちゃんと米倉だっけか、

一緒に運んでくれ、俺は今村とカオルにするから。」



これはやばい、こんな所でゴネられたら叶わんと三上も条件緩和、


火が付き出す直前まで行った頭だったが、緩和された代案を聞き、

取り合えず公平かと考え直すと、壷井の頭の熱も冷めて行き・・


「まぁ 分かれば良いでやんす。」 



アンドロイドである三上が二人の大人を肩に担いで歩く事は、

それ程キツイ事では無かったのだが、それに負けず背の小さな

小太りの男が、大人二人をそれぞれの肩に担ぎ、軽々歩き出す様を見て。


壷井に蹴られ、取り押さえられた面々達は、

飛んでも無い力持ちの小男に、自分達が簡単にのされた事も

致し方なかったのだと、それを見て理解した。 



「良し、お前達前を歩け、出口に向かうぞ。」 


二人を担いだ三上が、元【ABBA】工作員達が侵入した

白山浄水場方面へと移動しはじめたのだ。  



三上達がぞろぞろと白山浄水場の地上に出て来ると、

置いて来た今村隊長等3名の姿も見え、

全員生きてる事が分かると、一先ずホッっと安堵する、


それから三上に担がれたままの全身血だらけの髪の長い女性に目が移ると、

その者が何者なのかと血だらけの顔を良く見た増田が!! 

   

「朝比奈隊長!!」 


突然大声を上げ、そう叫び出す。 


すると、周りの者達も驚き、 

増田が叫んだ朝比奈班の事を知って居た者も

三上が担いでいた女性をマジマジと見たのだ、 

その女性は、腹に空いた穴から大量の血を流した後が有ったが

現在では血は止まり、頭から流れていた血も見た目程、酷くは無い様に見える、

じっと見ていると、傷が縮まって来ている事や切り落とされた様に見えている

左足底も、足首から伸び、少しづつだがじっと見てると分かる程度に

再生している様子が伺え、こんなの見た事なかった者達は、 

自己回復と言う現象をマジマジと見る事と成った。


        

「マジか、この人、身体が自己回復してるぞ!」              



その疑問に三上が答える。



「ああ、カオルは強化人間に成っちまってる、記憶も無く成っちまって無い。」 



「ええっ!  朝比奈隊長、やっぱり奴らに捕まってたんですね。」  


増田が涙目に成りながらカオルを見ている、すると三上が。 


「何だ、お前はカオルの部下だったのか。」 


「はい、俺とそっちで寝てる米倉と二人。」    

 

そうか、だが此奴に以前の記憶はねぇぞ、それどころか

回復したらまた襲って来る筈だ、さっさとここから脱出し、

此奴を閉じ込めて置ける場を確保しねぇといけねぇ、

次やったら、今度は抑えきれねぇかもしれん。」

 

その言葉を聞き、まごまごしてられない事が分かると、

全員ここから撤退する行動に移す事と成ったのだ。   

  

  


 

常盤 恵が社長をしている会社が入った高層ビルの最上階に

戻って来た三上達は、犬山工場の遠方から様子を見ていた

洋子達よりも早く戻って来ていた、現在、連れ帰ったカオルには、

複数の手錠を掛け、ステンレス製のチェーンを使い

ベッドに括りつけ、動けなくし、一時も目を離さない様に、

皆が居る部屋に置く事にしていた、 それでも何時鎖を解き

襲い掛かって来るか分からない状態だった事もあり、

普段なら絶対出さない様な大きな声を挙げた常盤が。 


「三上さん、ここに彼女を置いて置くのは危険過ぎます、

それに野口さんをあの様な目に遭わせた張本人なのですよ、

さっさと始末した方が宜しいかと思いますわ。」          

      

こんな恐ろしい発言をして来たのだ、周囲に居た者達も、

一般人から、始末した方が等と言う言葉が出て来るとは

思ってもみない事だったので、まだ知り合って間もない状態だった事から

常盤社長と言う人物のイメージは大分、キツイ女性だと言う印象と成ったのだ。


常盤側からすると、野口をあの様な目に遭わせ

今も意識は戻らず、死の淵を彷徨ってると言う状況だった事からの

発言だったのだが、そんな細かい所までまだ知らなかった為に

そう成っていた。


その言葉を受け三上は。 



「あんたが何を思うか知らねぇが、カオルは殺させねぇ、 

必ず記憶を取り戻す方法はある筈だ。」       

 

こう常盤に告げると、もう別の話に切り替える事と成った。 


「皆、聞いてくれ、もう何時日本に居る遺伝子情報を抜かれた者達が

皆殺しにされるか分からん状況と成った、 

残念な事に、その恐るべき兵器の責任者が死んでしまったんだ、

情報を吐かせる間も無くだ。」   


  

「それはどう言う兵器なんですか?」 


「詳しい事は分からねぇが、採取した遺伝子データから、

その遺伝子を持つ者だけを殺す事が出来る兵器だそうだ、

多くの売国日本人は裏切ればその兵器で家族や親戚を殺すと脅されていたらしい。」  


強化人間だけでなく、そんな兵器まで日本に持ち込んでいた事を知り、

自分達が所属していた【ABBA】も今では閉鎖されているだろう状態で、 

どう探し出し、戦えば良いのか?

聞いていた者達の気は、どんよりと曇っていた。 


「一旦あっち側に手を貸した奴は、抜けられなく成ってたんだな。」 



「所詮、自分達の事しか考えない奴らだ、

その後、どう言う事に成るのかまでは想像出来ないんだろう。」

 


「奴らに文句垂れていても始まらん、今、真っ先にやらないと

行けない事は、その兵器を見つけ出し潰す事だ、

それか抜かれた遺伝子データを消去出来れば尚良い。」 


三上がそう言うと、雨水貯水層内で強化人間に叩きのめされ、

気を失っていた今村隊長が目を覚ましていた様で、

何か言いたそうに前に出て来た。 


「ん~ すまんな皆、まだ体が上手く動かん、

だがこうしては居れない、

今の話を聞く限りでは事態は一刻を争う状態にあり、

直ぐにでもその恐ろしい兵器が使われる可能性があると思われる、

問題は、その兵器の場所か遺伝子データが保管された場所の特定、

いかに素早く見つけ出せるかに掛かっている。」



そんな話をしてる所に、ようやく洋子と枝窪(えくぼ)も戻って来ると、

大きな声を挙げて話していた為、話し声が聞こえて居たのか、

早速枝窪が話に加わって来た来る。 


「その危険な兵器の所在を知りたいのね、

それなら、政府の諜報機関にその話をリークすれば良いじゃない、

私達でそれを探し出そうとしても、相当困難が予想されるし、

何より、時間が掛かってしまい手遅れに成っちゃうわ。」     


枝窪の意見を聞いた今村は。

「そうですね、枝窪さん、

何でも自分達でやろうとするのは間違っていましたね。」


「使える物は何でも使えって事ですね枝窪さん。」 


沢菜々美も枝窪の意見に大賛成の意を示し、他の者達も頷く。


すると今度は、三上と枝窪が同時に壷井の顔を見た!


まだ此処に戻って来て、ちゃんと一服も出来てなかった壷井に対し、

三上と枝窪の二人は、無言の圧力を掛ける・・


それを受けた壷井は。 



「分かったでやんすよ、行くっす、行って知らせて来るでやんすよ。」 


その言葉を聞け、三上は。 


「いやぁ すまんな、つい先程、戻って来れたばかりだと言うのに

壷井、お前しか出来ん仕事だからな。」 


「ごめんなさいね、壷井君。」 枝窪も同業者だったが、

壷井の様に、同業者とのネットワークは持ってなく、

表立っての活動でも無く、一人、ソロでの活動だった為、自分より

壷井に頼む方がより早く情報を伝える事が出来ると考えたのだ。」          


   

「良いでやんすよ、日本の為なんすから、

じゃ行って来るでやんす。」   

 

何だか分からないけど、

壷井さんじゃなきゃ出来ない事をしに行くのだと言う事だけは

分かった洋子も、出て行く壷井に、複雑な表情を見せたのだが、

洋子の珍しい表情を見た壷井は。

  

「頑張って、壷井さん。」       


壷井は、洋子にだけ笑顔を見せ、ハイタッチして出て行ったのだ。     


    

残された者達は、ようやく一息付ける状態と成ったのだ。 


・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



 (2026年1月11日)  


大量殺戮兵器の情報を日本政府に知らせてから3カ月余りの時が過ぎていた。 


 





    

最後まで読んでくれありがとうございます。


やっと2月6日も近付く事に成り、ちゃんと終わりが書けるかなぁと思っています。   

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