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明日を憂う事なかれ  作者: 不可思議
45/47

合流  

今回のあらすじ


新潟から運送トラックの荷台に乗り名古屋までやって来た元【ABBA】の生き残りと

三上達は、ドクに話を聞き、美智子に頼まれた常盤 恵達と合流を果たす、


そして。  

 

(2025年10月2日) 



詳しく調べれば調べる程、出て来るあまりにも酷い、

多くの被害者達を作った原因の大半が、

同じ日本人が行った犯罪だと分かって来ると、

多くの捜査員達は驚き、これだけの売国奴達をのさばらせ、

それ等の者達を全く、

取り締まる事が出来ていない惨状がデータとして浮かび上がると、

その数の多さに唖然とし、 

現在の法律では、国を蝕む者達への対処が

全く出来ていなかった事を改めて認識する事に成り、

多くの心ある者達は、動き出す切っ掛けが来るのを待っていた、 


だが、これは一日や二日で何とかなる様な問題では無く、

取り合えず、集まってくれた勇士達で、

中国とロシアに攻め込まれ、

内部から国が破壊されて行く現状を打開する為、

大ナタを振るい、日本人拉致、および中露に都合の良い

情報を繰り返し発信していた者達を見つけ出し、

その身柄を確保、その者達の背後関係を調査する為の緊急投獄が決まると、

直ぐにその作戦が開始されたのだ。


この荒い処置に、マスコミ各社は一斉に反発したのだが、

マスコミの中で中露に都合の良い発言を繰り返していたコメンティーターや、

その者達を操って反対発言させていた某局等に対し、 

対抗処置として強制的に放送免許の一時停止を決め、 

国の一大事の折り、まだその様な屁理屈をこねくり回し

反抗的な対応を見せる局に対しては、解体、閉鎖する事も躊躇しないと告げると、

これ以上発言しては、自分達も投獄されかねないと逃げ出し始め、

上の方の役職に着いて居る者達は皆、呆気なく外国へと逃げて行き、

負け犬の遠吠えを奏でるだけと成った。     


公平では無かったが、 

【報道の自由】と言う印籠の様なモノで、

これ程までの長い期間、自由をはき違えた輩達が行き過ぎた力を持った為に、

その力を悪用し、おかしな世論操作や、しっかりと事実確認しないまま、 

自分達の都合の良い様に切り取り、シナリオを作り上げ報道されていた事で、


何度もそう言う情報を受け取った視聴者は、知らず知らずの間に

公共の電波を使って発信された情報を思考に植え付けられ、

誘導されていたのだ、


他の業種、民間企業とは違い、手厚く優遇された電波利権や、

都市一等地割り当て等、その既得権益の恩恵を思い切り授かり、

尚且つ、言論の自由、報道の自由等と良いとこ取りの

我儘を言い続けてやって来た者達への、ただ事実を客観的に伝えるだけと言う 

公共性の高い業種が持つ、当たり前の責任を果たして来なかった事への

制裁としては、かなり軽い処置だと言えるだろう。     

  


この様な現状が作られてしまった原因に成って居た者達に対し、

この程度の罰は仕方がなかったのだ、

政治の中枢、霞が関ではこんな事が決められて居たのだが、 


カオルにぶっ倒され、両手を切り落とされた挙句

胸と腹を拳で貫かれてしまった野口は、現在も意識は回復せず、

医療装置を取り付けられたままの状態に居る、

治療に当たった担当医の話では。


「生きてるのが不思議としか言えません。」 


美智子からの連絡を受け、名古屋医療センターに駆け付けた

ドクと壷井への説明では、それだけしか説明は無く、

逆に、

「この人は、どう成ってるのですか? 

何故この様な状態で今も生きてるんですか?」 等、


遺伝子強化された野口の身体の事を聞かれる事と成って居た。 



「儂も詳しい事は分かっておらんが、

もう何カ月も前に、ある組織に捕まり、遺伝子強化剤と言う

得体の知れん薬物を体内に注入され、洗脳まで施されていたんじゃよ、

幸い、洗脳の方は奇跡的に解けたんじゃが、体の作りはその強化人間のままなのじゃよ。」        



ドクからの説明に対し、先程流れていた報道を一部聞いていた

担当医の小暮先生は。 


「じゃあ、今、流されている報道に関係している患者なのですね。」 

  

そう答えて来た、それを受けドクは。 


「そうじゃ、この野口君は報道されている場の者では無いが、 

その流れで生まれ、より大きな規模でやっとる、

遺伝子強化兵を作る施設を今は中継しておるのじゃよ。」    

  

 

「そんな恐ろしい施設が身近にあった何て、

それに関わった人が、うちの病院にも来たと言う事なんですね。」                  


「そうじゃ、だがもう彼は普通の人間では無く成っておるんじゃ、

この病院での治療にも限界があるじゃろう。」 


「はい、今の所、輸血と各薬剤を点滴で投入する位しか手がありません、

外部の傷は、信じられないのですが、自己再生してるんで。」      

                   

「うむ、此方にその手の研究をしておる知り合いがおるんじゃ、

もう暫くお世話に成ると思うが、手筈が整ったらそこへ野口君を

移そうと思っとる、それで良いかの小暮先生。」       


「こちらで出来る治療は現状、今で限界なので 

もっと良い治療法があるのなら、それで構いませんが。」 


「ああ、それと、実は儂も医者なんじゃが、

野口君のカルテをちと見せて貰えませんか?」 


「ええ構いませんよ。」 


小暮先生はそう答えると、PCを操作しディスプレイに表示させてくれたのだ、

それに顔を近づけ、マジマジと見たドクは、自分一人

フンフンと頷き、何か得た様だった。       


感謝の言葉を小暮先生に述べると、  


そう小暮先生と意思疎通を図ると、ドク達は、連絡を寄越した

もう一人の患者である、美智子の事を聞いてみた。


「小暮先生、美智子さんは何処です? 

彼女からの連絡を受け、我々はここへ来たのですが。」      



「ええ、あの人ならもう、部屋へ移ってもらいましたよ、

落ち着きの無い人で、我々の手に負えない人でした、

これ以後は大人しくして貰う様に、あなた達からも言い聞かせて下さい。」


そんな事を言って来た、余程、この先生を怒らせる様な

態度を取って居たのだろう、そう思い、壷井と顔を見合わせたのだ。」 



怒りの波動を出す、小暮先生から簡素な情報だけ聞き取ると、

二人は、もう一度礼を述べ、

そそくさと美智子が入ったと言う部屋へと急ぎ向かう・・



階段を上がりやって来たのは、3階にある3B-16と言う4人部屋だった、

開かれたままの入口から中に入り、パーテーションの代わりに

天井から吊られた湾曲の医療用カーテンに付けられていた名札を見て

ネームを確認すると、そのカーテンを開け、

美智子と再会したドクと壷井の二名は。 



「美智子さん年寄りを心配させるんじゃない! 

もうダメかと思っとったんじゃが、何とか生きとったか。」        

   

「ほんとですぜ美智子さん、しかし良く無事に脱出出来たでやんすね、

野口さんがあんな状態でやんすに?」  


壷井が不思議に思うのも無理はなく、多くの強化兵の中から、

野口があの様な状態で美智子を連れ脱出するには

無理があると思ったのだろう。 


すると美智子が。 


「野口さんは私のせいであんな酷い目に遭ったんです、

全部、私のせいなんです。」 


涙目に成りながらそう言って来るだけだった、

それに、ドクが言葉を出し答える。


「今更何を言っとる、お前さんは、お前さんの遺志を貫き、

あのような行動を取ったんじゃろ、どんな選択をしようとも

この世のルールでは、良い面と悪い面が表裏一体としてくっ付いておるのじゃ、

悪い面を見て、嘆いていては、何も出来なくなってしまうのじゃから、

今は、そんな嘆いておる時では無い、儂はこれから

何とか【未来研究機構】の者と連絡を取り、野口君を

助ける事が出来ないか、交渉しようと思っとる、

手遅れかもしれんがやれるだけの事はやって置かんとのぉ。


彼を助けたい気持ちは儂らも一緒なんじゃ。」        


ドクの言葉から出た野口を助けようとする話に反応してから

必死にドクの話を聞いていた美智子は。   


「ドクさん、お願い、野口さんを、野口さんを助けて下さい。」    


泣き声を上げながらそう言った、それに対し、



「正直、現状は極めて厳しいじゃろう、

だが野口君は仲間なんじゃ、最後まで諦める訳にはいかん、

儂は連絡して来るから先の事はまた後じゃ。」    


「はい。」


そう言い残し、ドクはTELが出来る場を探しに部屋を出て行った。 


残された壷井は、患者である美智子を見て、

違和感を察知したのか、美智子に尋ねたのだ。 



「美智子さん、何か変わった気がするでやんす、

一体何が遭ったんすか?」    



「えっ、もう気付いたの?」 


  

「はい、美智子さん野口さんと良く似た何と言うか

凄く恐ろしいモノとしか言いようが無いでやんすが、 

同種のモノを感じるんでやんすよ。」     



「流石ね壷井君、話す間も無く、ドクさんは行っちゃったから

戻って来てから話そうと思ったんだけど、先に壷井君に話しておくわ、


そう、壷井君の違和感は当たってるの、私も野口さんと同じ

遺伝子強化剤と言う薬品を体に入れられ、強化人間に成っちゃったのよ。」  



「ゲッ!  美智子さん、マジっすか。」  

  


「ゲッ て何よ、ゲッて!」 



「いや、あの つい口に出ちゃっただけでやんす、

それじゃあ、助かったのは美智子さんがその力を使ったんでやんすね。」 


「ええ、そう、でも簡単に敵にやられちゃったんだけどね。」 



「へ~ 敵に凄い奴が居るんすね。」


壷井がそう言うと、怒りの波動を出す美智子が、怒った声で。 



「そう、あいつが野口さんをあんな姿にしたの、あのロング髪の女が。」



「女・・」



病室で壷井と美智子が話していた頃、ドクはメモしていた番号へ

電話を入れて居たのだが、一向に電話に出ない所か、    


「お掛けに成られた番号は現在使われておりません。」 


等と、アナウンスされる始末に成って居た、

未来研究機構の複数の関係者、何処へ掛けても繋がらなかったのだ、



「おかしい? 一体何があったんじゃ?」 


知った番号、全部に掛けたが親友であるローレン・ハインツに

掛けた番号までもが通じる事が出来なく成って居て、

ローレンが儂に断りも無く、連絡が取れなくするとは思えなく、

何かが起こったのだと認識、別の方へと視点を変え、三上へ連絡する事にした。


トルルルル トルルルルル トルルルルル プツ ピピピピ ピポ。



「あっ、ドクさん私です、洋子です。」 



「おお、洋子ちゃんか、刃の奴に代わってくれ、大至急じゃ。」



「分かりました、ちょっと待って下さい三上さんまだ体調が悪く

うつ伏せに成ってる様なので、今はカメの様に動きが遅いんです。」

    

 

ドクは、三上に連絡を入れると、つい先程、ローレンと話をした事を

三上が告げて来た、その話を聞いたドクは早速。     



「おおっ、ローレンなら直ぐに対処してくれる、 

それなら早くしろ刃、事態は一刻を争そっておるんじゃ!」 



野口がかなりの重傷を負い、死にかけていると言う一報を聞かされ

三上も急ぎハインツのおっさんに再度、連絡を入れる事に成って居た。 



何とか、未来研究機構に連絡が届く事に成り、

ほっとしたドクは、今度は何とか未来研究機構に連れて行くまで

野口の命を持たそうと、HCU(高度治療室)に置かれている野口の元へと行き、

野口の状態をしっかりと確かめた、人への治療は精一杯施されていたので、

やれる事はそれ程残されてはいなかったのだが、

少しでも、命の灯を消さずに繋ぐ為の処方をする為、動き出す・・


途中、よそ者の爺さんが勝手に治療を始めてしまったので

看護士達が慌てて止めに入ったのだが、


「儂も医者じゃ、ほれ、この身分証を見てくれ、

この患者の事なら儂の方がちょっとは詳しい、

何とかこの患者の事を良く知る博士の元に届けるまで、

この患者の命を持たせんといかんのじゃよ、

ここは儂のする事に目を瞑り、ちょっとだけ手を加えさせてくれんか。」 


そんな、ルールを無視した事等、

何処の病院でも許されない事は分かって居たのだが

ただ時間を稼ぐ為に、もっともな事を言いつつ、

人の良心に訴えかけ、迷わせ、

必要だと思った治療をする時間を稼ぎつつ、

用意して来た注射器に入れられた薬剤をカテーテルに突き刺し投与したのだ。 


          

看護師からの知らせを受け、駆けつけて来た医者が。 



「あんた気は確かか!」 


「まぁ、落ち着いて話を聞いてくれんか、

小暮先生から患者の状態の事は聞いたんじゃ、

このままだと、明日までには死んでしまうと言う話じゃった、


それなら、この患者の事を良く知る研究機関に連れてって言いか

小暮先生に話すと、その許可は頂く事が出来たんじゃ、

じゃが、直ぐに連れて行く事は出来ないので、患者の命を少しでも

引き延ばす必要があり、儂はその為に必要な処置をしておかなければ

成らなくなったんじゃ、

確かに、今現在、この病院で治療をしていただいて居て

この患者の事は、この病院が管理しておる事は分かっておる

儂のした事は許せる事ではないじゃろう、

でも、今はこうするしか

野口君の命を引き延ばす手段が無かったのじゃよ。」    

      


「患者を助けたい気持ちは分かりました、だが

許可なく病院の患者に治療を施したあなたをこの病院に

とどめて置く事は出来ません、今すぐに出て行って下さい。」 


         

駆け付けた先生は、凄い剣幕でそう言い、指を出口の方へと指示した、

だが、警察に通報等は、しない様だった、ドクは頭を下げ

トボトボと出口の方へ向かい、名古屋医療センターから出て行く・・ 



そんな事に成って居るとは思わなかった美智子と壷井の二人は、

電話を掛けに行っただけのドクが、中々戻ってこない事に苛立ち始め。



「ドクさん遅いでやんすね。」       

         


「ええ、連絡する位で、こんなにかかる何て、何かあったのかしら?」 



「美智子さん、おいらちょっと探してきます、

まさかと思うでやんすが、病室が分からなく成って

迷子に成ってる何て事もあり得るでやんすから。」 



「え~ まさかドクさんが迷子何て?」 


そんな事、ある筈無いわと思いつつ、確かにドクさんはお年だ、

まさかと思いつつ、壷井の提案に。 


「壷井君、お願いね。」 


「任せるでやんすよ。」 



それから壷井は病院中を駆け回ってドクを探したのだが

全く見当たら無いので、野口が入って居る

HCU(高度治療室)へとやって来て、そこに居た看護師に

ドクの特徴を話してここに来なかったかと聞いたのだ、

すると、その爺さんは、勝手に患者に薬剤を投与して、 

この病院への出入りを禁止された事を聞かされた。



「え~ マジでやんすか。」 


「そうよ、駆け付けてくれた長尾先生に厳しく叱られ、

出口へ向かって歩いて行ったわよ。」      



重要な情報を得た壷井は、取り合えず美智子の部屋へと戻り、

ドクがやらかして病院への出入り禁止処分にされて居た事を告げ、

今から自分も病院の外へ出て、ドクを探して来ると伝えてから出て行った。



似た者は引き付けると言うのは、間違っては無かった事を体感すると、

美智子は、ポロっと笑顔を見せた、 

一方の思考では、ルールに厳しい現日本は、国が無く成るまでルールに縛られ、

守り通すのだろうなぁと、その間抜けな一面に、


「目の前の事しか知覚出来ないのだろうか?」 


と  疑問符も湧いていた。       

    



暫くして、病院の外に居たドクと再会した壷井は、

無事に未来研究機構の者と連絡が取れ、

野口を一旦、以前三上を治療した事もある、熊本大学病院で人工臓器の研究を

しているアダム・クライスラー博士の研究室へと運ぶ為、

熊本大学病院が所有する医療用搬送ヘリで、この名古屋医療センターに

迎えに来てくれる事に成った事を知らされたのだ、


ただ、クライスラー博士の研究室は、臓器治療の研究室であって

総合医療を行う場では無く、あくまで次に引き継ぐ為の時間稼ぎをする、

治療を施す為に、一旦行くと言うモノだとドクは説明、

ただ、ドクは野口への勝手な治療を施した為に、この病院への立ち入りを

禁止された為、やって来た壷井にその手配を準備させる為、

野口の主治医に成って居る、小暮先生へ伝える様、言い聞かせたのだ。  

       

壷井は、その役目を受け、また病院へと戻って行った、

戻ると、まずは美智子が居る3階の部屋へと行き、

美智子を安心させる為、ドクから受けた役目の事を伝えた、


話を聞いた美智子は、今から壷井は小暮先生の所へ行き、

野口を搬送する為の手続きを行う事を知ると、

事が動き出した事を知り、まだ希望が持てる話を聞くと、

幾分、表情に明かりが差し、壷井に。


「お願いします壷井君。」 


深々と頭を下げ、そう言葉に出し送り出した。



壷井は、その表情と態度から重みを受け取ると、

足早に小暮先生に連絡を取る為、

3階のナースステーションに行き、小暮先生に連絡を取りたい旨を伝えたのだ、

すると、

インフォメーションセンターでアポを取りなさいと言われ、

一階にあるインフォメーションセンターへと向かう事に成った、


そこで小暮先生へのアポを取り、一時間以上待ってからようやく 

話が出来た壷井は、ドクから聞かされた野口の搬送の事を伝えた、

それを受けた小倉先生は、 「(ぜん)さんにも困った方ですねぇ。」 


ドクからの指示でやって来た壷井に、出入り禁止に成る様な事をした

禅 松五郎 通称ドクに対し、余り良く思わない気を放ちながら、

そう言って来たのだ、ただ、厄介な患者とその知り合いからの解放と言う点で、

利害があったのだろう? 直ぐに手配をする為に、動き出してくれ、


壷井には、

「直ぐに手配を付けて置きますから」と、 

受付の方へと急ぎ足で向かって行き、 

既に熊本大学病院から来ていた連絡を受け取り、

此方の搬送の準備を整える為、動き出してくれたのだ。  

 

・・・・・・・・

・・・



(10月3日) 早朝    



新潟から、新潟大学で知り合った里中万里の友人の叔父さんが

運営している運送トラックの荷台に乗せて貰い、

ほぼ、誰にも知られる事無く、元【ABBA】工作員10名と枝窪、

三上と洋子の全13名は愛知県名古屋市にある、常盤 恵が社長を務める

会社が入った34階建ての大きなビルの敷地内へと来ていた、

そこでは、簡単な事情をドクから聞かされていた

常盤恵が、何時までも動けないままでは役に立てないとむりやり退院して、

やって来る洋子の連れの方達の為に、取り合えずの場を段取りしてくれ、

そこで自ら出迎える為、まだ朝早かったのだが

信用出来る部下と共に待っていてくれていたのだ。  


今村隊長達、元【ABBA】工作員の皆と共に、三上と洋子、枝窪の三名が 

運送トラックの荷台から降りて来ると、そこは町中に建つ

巨大なビルの敷地の中だった、そう、ここは 

このビルの資材運搬用ゲート前だったのだ、


そこに顔を包帯で覆った痛々しい姿をした女性と共に、

その部下と思われる3名の方達、

それとは別の場に居る、背が低く小太りの男が出迎えてくれた。

 

 

「ようこそ、おいで下さりました、私は洋子さんの叔母、

葛城美智子の命で皆様の今後の手筈を任されている、 

常盤 恵と申します、此方の3名は、皆様の身の回りのお手伝いをして貰う為、

急遽来てもらった会社の部下達です、

三名共に私の最も信頼の置ける者達ばかりですのでご安心下さい、

大体の諸事情はドクさんから聞いておりますので、出来る限り

他の者へ知られずに行動したいと思っております。


それでは取り合えず中へ付いて来て下さい。」  


そう言うと常盤は前を先導し、建物の中へと入って行った、

一人の部下は、洋子達がここまで乗せて来てくれた運ちゃんに

お礼をしてる所へやって来ると、恵から渡されたお礼袋を運ちゃんに渡す為

声を掛けて来た。



「すみません、社長から運転手様にと、これを預かって来ました。」 


そう言うと、運ちゃんにそのお礼袋を手渡し、 


「それでは私は資材搬入口でお待ちしております。」 


そう言うと、急ぎ足で先導する恵が向かった方向へと行ってしまった。    


まだお礼していた洋子と、洋子を待つ三上は、

受け取りにくそうにしていた運ちゃんの様子を見て。



「多分、叔母から頼まれて居たのかもしれないね、

運転手さん、本当に助かりました、そのお礼袋は受け取って下さい、

とても助かったので、それと助けて頂いた皆様にも感謝していますとお伝え下さい。」   


そう言い、本業の仕事に戻る運ちゃんを送り出したのだ。   

   


見送りが終わると、三上と洋子の二人は、先に行った者達が

向かった方向へと歩いて行った、


先程、お手伝いの方が言っていた、資材搬入口の前まで来ると、

言ってた通り、そこで待っていてくれたのだ、


二人が搬入口まで歩いて来ると、待っていた方が。 


「どうも、此方です。」        



そう言い、前を先導し案内してくれる・・ 



資材搬入用の巨大なエレベーターは、ホームセンター等に

設置されている大型のエレベーターと同じで大きく、

前も後ろも開く様に作られていた、そのエレベーターで

恵の会社が借りている、最上階までやって来ると、


そこは会社の中でも特別な階層と成って居て、

会社の人間でも殆ど入れないと場だと説明してくれたのだ。


{他の社員は、30階から33階までのフロアーが仕事場と成って居る。}

   

     

三上達が連れて来られた場は、特に重要な案件での交渉で使う為の

VIPルームと成って居て、そこでは先に来ていた者達が三上達を待っていた。 



「もう一度、自己紹介させて頂きます洋子さん。」 


「どうも、叔母から恵さんに任せれば、大丈夫よって言われて来ました

今回は、ほんとお世話に成ります。」 

          

何時も通り、笑顔を見せそう恵に話すと。   

   

            

「何を言ってるのよ洋子さん、私達は皆、もう仲間なのよ、

ドクさん達と知り合ってから、噂されていた拉致の被害が、  

私達の会社の社員まで拉致して、怪物に作り変えられている事を知り、 

実際に、それ等を作って居る建物の中にまで忍び込んで

実情を見て、{自分の顔に巻いた包帯を指差し} こんな目にも遭わされました、

それと戦うあなた達の力に成れる事なら出来る限りの協力を惜しみません。」 


力強くそう言い切る、恵の姿勢を見て、

      

独裁党と戦う自分達の協力者だと分かると、

突然知らない所に連れて来られ、幾ばくかの不安から警戒心を持っていた 

元【ABBA】の工作員達も、幾分、緊張感が和らぎ、引き締まった顔にも

それが現れる事と成った。 


連れて来られたばかりで、良く、この場の事が分かって無かった三上は 

恵の話を聞き終えると、早速、言葉を発したのだ。 



「所で、ドクからの話で、野口が死に掛けてる事は伝わって居る、

ドク達がここに居ないのは、まだ野口は生きてるって事で良いんだな。」 



「はい、あなたのおっしゃる通りです、ドクさんと美智子は

野口さんを熊本大学病院に居るクライスラー博士の研究室へと

連れて行く為、一緒に向かいました。」 



「ああ、そっか、確か俺も仙台からそこへ運ばれたとか言ってたな。」 


「はい、あの時は三上さんもお世話に成りましたね。」           

  

「まぁ、生きてんなら何とかするだろう、俺達は

犬山市にあると言う、強化兵工場を潰す段取りに掛かろう。」 


「やって来たばかりで、まだ諸事情が分からなかった三上は、

犬山工場が、自衛隊によって包囲されて居る状態だと言う事を

知らなかったのだ、その為、恵は。」 



「あの、犬山工場は現在、愛知県警の機動隊と、自衛隊の方達が

工場の周りを包囲してますよ。」 



「なにっ!  それは本当か!」 



「はい、ドクさんが、愛知県警に相談に行き、

壷井さんが、マスコミを誘導してこう成った様です。」       



「ほんとかよ、壷井?」 



「へへ、ドクさんと野口さんとで、作戦を立てたんでやすよ。」 



「成るほど、それじゃあ俺達が狙うのは頭に成るな、

雑魚は、公の組織の者達に任せよう。」 


三上は今回は、楽をしようと、そんな事を言ったのだ。 

しかし、その言葉に、恵が反応を見せ。


「あなたは、あの恐ろしい者達の事を分かって無いのですか?

野口さんの様な方でさえ、あの様な目に遭わせられたのですよ。」     

 

「そうだったな、野口が負ける程の奴が向こうには居たんだ、

だが、今なら俺も野口に勝てるだろう、

見てろ、野口の仇は俺が取ってやるから。」       

        

そんな軽口を叩く、三上の事を知らない恵は、

冷ややかな目を向け、三上を睨みつけた、

それを見て、洋子は。 



「あの、恵さんごめんなさい、三上さんはあの、

思った事を、そのまま言っちゃう人なので、その・・」 


オロオロしながら、中に割って入り、事情を説明する洋子に、

恵は、ニッコリしながら。    


「分かりました、だけど野口さんの事を軽く言わないで下さい、

あの人は、凄い人なんですから。」 


そう言う恵の目は正直、ちょっと怖かったが、

洋子は、苦笑いをし、三上は、「ははぁ~~ん」と 

また、いらん事を口走ってしまった。 



「ほ~ 野口とは深い仲らしいな。」     



三上にそう言われて、自分がむきに成り、 

喋って居た事を自覚すると、暗い表情に変わり、


「ええ、あの人は死ぬのを覚悟して美智子の為に

あそこへ向かってくれたんです。」   

  

そう言って来た、何かあった事は分かったが、

それ以上は触れない方が良いと悟ると、三上は。 


「で、その野口をやった奴の事は、何か情報を持って無いのか?」  

    


「はい、美智子から少しですが話を聞きました、

ロングの黒髪が美しい女性だそうです。」      

           


「黒髪のロングだと。」 


三上は、以前 宮城県富谷市にある丸朝薬品研究所で見た

朝比奈カオルの後ろ姿が脳裏に浮かんでいた、その為

その女が、カオルだと言う確率はとても高い事を把握したのだ。      

     

「成るほど、そいつはカオルの可能性が高いな。」 


三上がそう言うと、カオルと聞いた者達は一斉に【カオル】と口走る・・  

その中の一人だった壷井が。 


「三上さん、カオルって、あの時の女性でやんすか?」 


「そうだ壷井、あの時俺のレガシィに乗り、

ドクの診療所へ一緒に向かったあのカオルだ。」

       

「でもどうしてあのカオルさんが、そんな事するんでやす?」 


「おいおい、それを言うなら、どうして野口は俺を半殺しにしたんだ?」   

    

「えっ、すると三上さんは、カオルさんも野口さんと同じだと。」 

       

「そう言う事だな、奴らに捕まり、化け物にされた挙句

洗脳もされちまったてんだろうよ。」 


「そのカオルさんが、野口さんよりも凄い力を持って

敵に居ると言うんでやすね。」  


「その通りだ壷井。」 


「では、出て来たらどう対処する積りなんでやす?」       

 

「それは、決まってんだろう、邪魔するならブチ殺す。」      

                     

三上は、何の躊躇いも無く、そう言ったので、

その姿と目を見ていた、洋子は下を向き、恵は。


「この人、本気だったのね。」 

知り合いと言えど、殺す事を全く(いと)わず

そう告げた三上に対し、先程の舐めた様な軽口にも、

ずしりと重みが加わり、

先程言ってた事も本気だった事を認識すると、恵は。 


先程、野口さんの事を軽く言われた事で、ついむっとしてしまい  

おかしな事を言ったのは、自分の方だったと気付き、

恥ずかしさがこみ上げ、三上を見る目が先程までとは異なり、

最初の先入観から、軽口だけのショボい男として捉え、 

毛嫌いしそうに成って居た状態から反転し、

今度は、自分では想像も出来ない修羅場を潜って来た男を見る目に成ると、

先程までの洋子の心配は、一瞬でかき消される事と成っていた。    

           

  


「あの、洋子さん此方の男性は、どの様な方なのですか?」        


恵が、三上の事を聞いて来たので洋子は。 


「はい、此方は、私の雇い主にしてパートナーでもある

三上刃と言います、色々な事情から今は仕事を休止してますが、

compact通信社と言う会社を二人でやってます。」          

  

「まぁ、パートナーと言うと事業のパートナーなのか

男女のパートナーなのかな?」

     

「えへへ♡ その両方です。」 


洋子がそう言うと、三上ももう洋子に任せて。 



「まぁ、そう言う事だ、今は日本に巣くう怪物を退治する為

日本に戻って来たと言った所だ。」 

             


そんな話と共に、野口がボコボコにされた犬山工場の頭をやっつける為、

元【ABBA】のメンバー達と共に、作戦を立て、皆で

自衛隊に包囲されていると言う、犬山工場へと向かう事に決まると

恵達は、手筈を整える為、部屋から出て行った、 


手筈が整うまでの間、皆は疲れをいやす為、お風呂や食事、

仮眠出来る部屋で、それぞれ寛ぐ事と成り、備え付けられていた

バーでは、好きな物を飲み、好きな軽食を頂き、

つかの間の安息を得る事と成ったのだ。             




    

ここまで読んで下さった方、ありがとうございます。

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