【番外編】 ラットキング誕生
今回は、前回出て来たネズミ達の説明の様な物語です。
(2025年9月9日)
此処は、宮城県仙台市に在った、
東北支部最大【ABBA】基地だった所だ、
僅か8時間ほど前までは、何時も通りの日常が繰り返されていて、
780名以上の工作員達が勤務する大きな基地だったのだが、
丸朝薬品の研究員達が作り出し洗脳した、遺伝子強化人間の強襲により壊滅させられ、
今は、破壊された瓦礫や、死んだ者達の血だまりの後、
食べ残された骨が残っているだけの場と化している、
そんな所にまだ残っていたのはネズミだ、全ての死骸の残飯を漁り、
一粒たりとも残す事無く漁り続け様とするネズミが残っていたのだ、
そのネズミの腹は、相当に膨らみ、今にも破裂しそうな様子を見せて居た、
腹の中から、ビクン、ビクンと、何かが突き出し、
お腹から出て来ようとしている様子を見せて居た。
余りに食べ過ぎたせいでも遭ったのだが、それはまた別のせいでも遭ったのだ、
このネズミは数日前に交尾をしたネズミだったのだ、
腹の中で、栄養として細胞が母ネズミから胎児達へと流れて行くと、
お腹の中で、まだ小さな存在だった胎児達が一斉に成長し始めたのだ、
その成長速度は凄まじく、
{遺伝子強化人間の細胞活性化速度は通常の人の22倍以上}
その細胞を取り込んでしまった胎児達は、通常のネズミの成長速度では
居られ無く成り、このネズミの胎児達の場合、強化人間と同じく、
一日辺り22日分の成長スピードで細胞が活性化し、分裂を繰り返す事と成って居た。
劇的な成長を維持する為、この母ネズミはエサを貪る様に食っていたと言う訳だ、
その為、この破裂しそうなお腹は、食べ過ぎた為にそう見えてる訳では無く、
急激に成長しでかく成った胎児達が、母親の腹を突き破り出て来ようとしていたのだ。
その為、苦しみ出した母ネズミは、彼方此方、のたうち回って居たのだが、
とうとう倒れてしまい、動かなく成ってしまった、
暫くすると、5匹の子ネズミ達が、母親の腹を食い破り外に出て来た、
外に出た子ネズミ達は、死にかけた母ネズミを食べ始める、
それが終わると、まだ目も良く見えない状態のまま、鼻を効かせ
匂いだけを頼りに、それぞれ別の方角へと移動し姿を消したのだ。
(9月11日)
ここは仙台市の中心部、JR仙台駅近くのショッピングモール内だ、
そこに隠れて居たのは、ABBA仙台基地内で、母ネズミの腹を食い破って
生まれ出たネズミの一体だった、このネズミは2日も経たない僅かの間に、
他のネズミ達とは比べ物に成らない大きさにまで成長を遂げて居た、
背丈で言うと、人の子供程の大きさ、1mはあろうかと言う高さにまで
成長を遂げ、しかも二足歩行して居たのだ、更に手には、何処で手に入れたのか
分らないが、日本刀が握られていたのだ、その日本刀を振るい
人間や、犬等を襲って食すると言う行いを、目立つ事無く
繰り返し行い成長する為のエネルギーを得て居た、
他のネズミ達とは違い、無暗やたらに人を襲い食い散らかす事は無かったのだ。
それゆえ、知能もかなり発達した個体だと推測される。
その大型化したネズミは、外の様子を伺いながら、
目立つ事無く自分の腹が満たされる分づつ、
人も含むエサに成る生き物を食していたのだが、
こちらは、
徒党を組み、別方面に向かって進んで居た群れだった、
此奴等もABBA仙台基地で、
遺伝子強化された獣化人間の残骸の残りを食べたネズミ達が、拡大した群れだ。
この群れは、活性化した細胞が支配する体で、通常なら交尾から出産まで
20日程掛かるのだが、どちらかが遺伝子活性した個体の場合、
通常の22倍ものスピードで成長を遂げる為、何と、僅か一日で、
4~6匹もの新たなる強化ネズミが誕生してしまうと言う事態が起こっていた。
その為、数日の違いで群れの大さは格段に違って来て、
日々を追う事に、人間達の被害も尋常では無く成って来て居たのだ。
仙台市から南下して行き、名取市、岩沼市と、線路沿いにある
人が多い場所に堂々とやって来て、そこに居る人や置いてある
食料品等を食い荒らすと言う行為が頻発。
被害を受けた人達は、警察に通報したのだが、駆け付けた
県警の警察官達は、ネズミは小さく、かなり素早かった為に、
捕まえようとすると、建物内の何処かに散ってしまう為、
殆ど、役に立たず、動物園の職員に頼み、罠を仕掛けて貰う等の
対策しか出来なかったのだ。
更に日にちが経つと、
鼠算式に数を増やし続けるネズミの群れに動物園の職員達でも対抗する事が出来無く成り、
通報を受け、サイレンを鳴らし、やって来たパトカーにまで群れは襲い掛かり、
車の窓ガラスを叩き割る大型の個体まで出現すると、
乗っていた警察官らを襲い、5分後のパトカーの車内には、
肉や臓器を食われた人間の骨だけが残ると言う有様に!
時間と共に変容して行く群れの中の個体達からは、大型化した個体が
何体も出て来て、その群れの中でも大型化した個体同士の戦いが始まる事に!
大型化した個体の中でも、あまり知能は発達せず、
狂暴化と力だけの個体〈スレイブ〉
大型化と共に知能も発達、群れを統率し、動かす事が出来る
≪ハイネズミ≫
{それらは後に人間達から付けられた名称}
それらが上位関係に別れ、進化して行く事に成る。
それらの個体の主は、当然、それだけの力を群れの中で示さなくては成らず
戦いで己の力を示す必要が出て来た、力を見せなければ、
どのネズミも従いはしなかったのだ、
その為、大型化した者同士が鉢合わせると、力を示す為、即、戦いが始まると言う
ルールが、自然に作られる事に!
中には戦わ無い個体も居たが、そう言う者は、群れの中での地位は、
ずーと、下っ端のままと成り、最底辺の待遇に落とされたままと成っていた。
〈スレイブ〉と化した大型の個体は、ネズミからさほど発達しなかった知能と、
本能だけで相手に襲い掛かって来る、狂暴化して居るだけに、手の付けられない
暴れん坊なのだ、そんな〈スレイブ〉を従わせるには、その者達を大幅に上回る
力を示さなければ成らない、それが出来る個体は、≪ハイネズミ≫と
呼ばれる者達だけだったのだ。
知能まで持ち合わせた、≪ハイネズミ≫は、襲い掛かって来た個体に対し、
器用に人間達が作った、武器を使用したのだ、
何処で見付けたのか? 何処からか包丁を二本取り出すと、
その二本を装備して、力任せに襲い掛かって来た〈スレイブ〉の攻撃を
ジャンプし避けながら、〈スレイブ〉の両耳を包丁で切り落としてしまった!!
更に後ろに着地すると、両耳を切り落とされ、痛さで耳に意識が行った
〈スレイブ〉の背後を取り、スパスパッと その背中を切り裂いたのだ。
背中にまで激痛が走った〈スレイブ〉が、チュチュチュと チュッチュ泣きを入れ
何かを喋ったのだ、更に追撃する≪ハイネズミ≫は、
足で蹴り倒すと、〈スレイブ〉の手に包丁を突き刺し地面に縫い付けてしまった!
チュッチュ チュッチュ と泣き叫ぶ〈スレイブ〉に対し、
≪ハイネズミ≫は、何か言葉を掛けた。
チュッ チュ チュ チュチュン!
「お前の負けだ、配下に成れ。」
人間には分からなかったが、ネズミ語でそう話して居たのだ。
この様に、群れは南下しながら豊富なエサを得て、
活性化された細胞に十分な栄養が与えらると、強いオスは頻繁にメスと交尾を始め、
種を付けられたメス達は、僅か一日ちょっとと言う短時間の内に
出産してしまい、その数を急激に増やす事に。
新しく生まれた個体の殆どは、
途中で強化人間の死骸を食って変容した個体よりも強く、
遺伝子強化された完成体として生まれ出て来て居たので、
エサを与えられると、通常のネズミとは違い、
皆、人間の子供並みの大きさに大型化を始めたのだ、
その中から多くの知的ネズミも生まれ出て来て、後に人間達から、
≪ハイネズミ≫と呼ばれる個体も数は少なかったが、誕生する事と成って居た。
これ等の個体は、同じ進化では無く、かなり特殊な個性を持ち始める事に!
大まかに分けると、人間並みの知能に、
熊程にまで大型化する、(体長3m前後)
並外れた力と防御能力を備えた【グラン・ラット】
他を圧倒するスピードを持ち、
相手に悟られず殺す能力を持つ 【デス・ライナー】
人を凌駕する程の圧倒的知能を持つ【リサーチャー・ラット】
これ等の個体を軸に群れは形成され、その規模を拡大されていた、
その群れに対し、同じ様に群れを拡大させた、進化ネズミの群れが、
幾度も戦いを挑んで来ると言う、事象が発生していたのだ、
これ等の進化ネズミ達は、かなり激しい上位争いを好み、行っていた。
人間以上に序列制を好む為、戦う習性を持ち合わせて居たのだ、
これは遺伝子強化された野口が語って居た様に、
より強い者と戦いたく成ると言う本能が、
DNAに刻み込まれて居る為だろう、その為、本能も活性化され、
抗う事の出来ぬ衝動に襲われる様だ。
別の群れの中から選抜された強者達による戦いが、何度か繰り返されると、
勝利を収めた≪ハイネズミ≫が支配する群れは、
敗者に従えられて居たネズミの群れをも、支配下に置き、
益々、群れは拡大して強く成って行く、
10万匹と言う単位にまで膨れ上がった群れは、
今迄の様に、手当たり次第に人間を襲うだけでは秩序が保てないと
考え付いたのか? ずば抜けた知能を持つ【リサーチャー・ラット】が、
群れを幾つかに分け、それぞれ実力のある≪ハイネズミ≫にそれらを率いらせると、
何処を襲うかと言う、指示まで始め、
人の軍隊並みに統率した動きまで始めてしまったのだ。
現在9月14日に成って居たが、
この方面に南下した進化ネズミの群れは、
順調に群れの規模を拡大させると、暗闇に紛れながらこそこそする事無く
真昼間に堂々と、大勢居る人間達を襲い食らうだけの力を有して居た。
他に散った進化ネズミ達も、他方面で群れを作って居ただろうが、
その中でも、一早く大型化したネズミ達の争いも盛んに行われた為、
かなり強者の多い、群れに発展していたのだ、
その群れが、白石市を通り宮城県から福島県に入ると、
福島市にまで押し寄せ、暴れ始めて居た。
そんな中、自分が襲う為に餌場を眺め観察して居た一匹の大型ネズミの前で
群れの一団が突然来襲し、逃げ惑う人間達に襲い掛かり、
餌場を根こそぎ荒らしてしまったのだ、その為、激怒したそのネズミは、
荒らしたネズミの群れの中に、たったの一匹で躍り出て、
その群れの様子を伺ったのだ、そして目ぼしい大型ネズミを
見付けると、そいつの方へとやって来た。
その大型ネズミは、人間が作り出した刀と言う武器を装備した個体だった、
そいつが、強いリーダーを出せと、その大型ネズミに良く聞こえる様に、
ネズミ語を使い、彼を含めた群れを挑発したのだ!
「チュン チュン チュチュチュ、
チュッチュチュン!」
「お前達の群れは、誰が仕切ってる?
どいつが、生意気に俺様のエサ場に横やりを入れやがった!」
そんな文句を口に出し、群れのリーダーらしき者を挑発したのだ。
そうこの刀を装備した個体は、仙台市にあるショッピングモールに隠れながら
ひっそりとエサを漁り、力を蓄えて居たあの個体だったのだ、
十分に力を蓄えたのか? 群れと同じく、線路沿いを南下しながら、
エサを捕獲し、福島市にまでやって来てたのだ、
そこで自分が狩ろうとしてた獲物を、この群れに掻っ攫われ事で、
激しい怒りを覚えたらしく、群れの中までやって来て、
群れのリーダーに挑戦すると言う、無茶をやり始める事に、
元々、ひっそりと力をつけて行くタイプのネズミだったので、
この様な目立つ事はこれまでして来なかったのだが、
よっぽどエサを横取りされた事に腹が立った様で、その勢いで喧嘩を売り始めたのだろう。
何処からか現れた大型ネズミが、何かわめいて居る。
その程度の認識の目で、近くに居る、刀を装備した個体に
冷たい視線を浴びせたのは、この群れを任された
≪ハイネズミ≫の一体【デス・ライナー】と後に呼ばれる系統に属する
最初の一体だ、此奴は、刀を装備した目の前の個体に対し、
鬱陶しい奴だな、程度に、最初は相手にしなかったのだ、
配下の者に何か命じると、2体の〈スレイブ〉がやって来た。
そいつ等に、 チュチュッチュチユチユ、チュュ!
「この世間知らずに、身の程を分からせてやれ。」
そう命じたのだ。
何か、獰猛そうな奴が2体現れ、此方に向かって敵意をむき出しにして来た為、
刀を装備するネズミは、目の前の個体に自分が舐められた事を悟る事に、
更に怒りに火をつけた事により、こちらに向かって突進して来た
〈スレイブ〉二体の首を、躊躇う事無く跳ね飛ばしてしまったのだ、
二匹の首から、ブシャーーと血が飛び出し、ぶっ倒れる、
それを見て居た周りで、人を襲い食して居たネズミ達は、
このネズミが強者だと言う事に気付く事に、
すると先程まで歯牙にもかけなかった態度は一変し、
群れの強者との対決を望み、他で食事していたネズミ達まで、
周りを円状に囲み、喝采を始める事と成ったのだ、
こう成ると、この群れリーダーとして任命された個体も、
暗黙のルールにより、刀を装備した個体との勝負をしなければいけなく成り、
何方がより強いかと言う決着を付けなければ成らなく成ってしまった、
それにしても先程〈スレイブ〉二体をあっさりと殺してしまった事に、
このリーダーは驚いて居たのだ、本来なら自分の配下に加える為、
殺す事は、あまり起こらない、だが、この一匹で群れに乗り込んで来た、
一匹狼タイプの個体は、躊躇いなく殺してしまったのだ、
他とは違い、群れを乗っ取る為の戦いでは無く、
死ぬか生きるかだけの戦いなのか? と 理解出来ずに訝しんでいたのだ。
チュンッ チュッチュ チュチュン チュチュ。
「貴様は何の為に命を賭ける?」
目の前の群れのリーダーがそんな事を訪ねて来た。
チュンチュンチュチュン チュッチュチュン。
「はぁ? 何を今更、惚けてやがる、
人の獲物掻っ攫っといて、お前はアホか!!」
そう言葉を掛けると、もう動いて居た。
「ぬぉぉぉ!」
初太刀を決める為、全力で上段から切り落とす!!
その攻撃を【デス・ライナー】は、寸前の所で間一髪躱すと、
手に持った、二刀流の包丁を使い、刀を装備する個体に対し、
鮮やかに跳躍しながら、連続攻撃を仕掛けて来た!
ガツン カツン ピキン!
何度か、刀と包丁が交わり、お互いの刃がぶつかり合う、
クルクルと飛び跳ね、バク転や、空中3回転等をし、
人間の目で追う事が難しい程のスピードで、互いはぶつかり合う!
周りに居たネズミ達も、これ程の戦いは初めて見る事に!
その為、全く声を挙げず、必死で二匹の姿を追う事と成って居たのだ。
更に何度か剣と包丁が激突する音がして居たが、
その音が止むと、両手を切り落とされた【デスライナー】が
立ちすくみ、自分の負けを悟る事に成って居た、
先程までこの様な大規模な群れのリーダーだったのに、
今は両手を切り落とされ、負けた相手に膝を屈する事と成って居た、
そして戦いに勝った、刀を装備した個体は、
自分に屈した生きたままの【デスライナー】の首筋に、
前歯を突き立て、かぶり付き、肉を引き千切って見せたのだ、
そして残さず、その肉体を食べてしまった!!
そんな行為は今まで見た事が無かった群れのネズミ達は、
刀を装備した個体がする事をただ黙って見て居た、そして
【デスライナー】を食い終わった個体が、勝ち誇った様に言葉を発すると、
円形に集まった群れの集団は、【デスライナー】に勝利したこの個体に、
群れのリーダーに成ってくれと懇願して来たのだ!!
今まで群れ等とは縁を持たなかったこの個体は、
そんな話に、断りを入れたのだが、群れの者達が皆、
ついて来てしまい、一緒に行動を取る事に成ると、
自分の意思に関係無く、リーダーへと押し上げられてしまった!
そして、【デスライナー】に任せて居た群れの行動が、
制御から外れた事に立腹した【リサーチャー・ラット】が、
各地に送り込んで居た群れを呼び戻す為、類まれな移動速度を持つ
〈ピット・ラット〉に命じ、此方へと呼び戻す言伝を授ける、
そんな中、人間達との戦いを始めていた群れの一部は、
出動して来た、福島駐屯地の自衛官員達との戦いを始めて居たのだ、
初動は、万単位で人々を襲う、化け物ネズミ達に対し、まだ
生きてるかもしれない人達が大勢いた地区での銃器の使用を躊躇し、
拳銃のみで戦って居た自衛官員達だったが、恐るべき力を秘めた
獰猛で大型のネズミ達の攻撃を受け、多くの自衛官が殺されたり
負傷したりと、散々な目に遭わされた事で、銃器の使用許可を
基地司令官の判断で出した為、それ等の有効と思われる武器を使用した
自衛隊の痛烈なる反撃に遭った群れは、散り尻に逃げ拡散する事に、
銃器の使用、特に火炎放射器の使用は、多くのネズミ達を焼き払い、
福島駐屯基地の自衛官達は、初めて化け物ネズミとの戦いを制した事で、
銃器を使えば、十分に化け物ネズミに対抗する事が出来ると言う事を、
基地司令に報告する事と成って居た。
更に先行した群れも居た、この群れは2つの群れで徒党を組んで、
数の暴力で、群れの先鋒を担うネズミ達だった、
この先鋒は、二本松市で暴れて居ると、出動して来た郡山駐屯地から
やって来た、自衛隊員が来ると、隠れ潜み装甲車から出て来た所を
一斉に襲い掛かる等、知能を使った攻撃を駆使して、
自衛官員達を手玉に取り戦って居たのだ、そんな中、
福島駐屯地からの報告も受けて居たのだが、敵の航空戦力に対する
兵器と人員が多い郡山駐屯地には、火炎放射器の様な兵装は、
置いて無かった為、装甲車両やアサルトライフルでの戦いが強いられる事に、
その為、体の小さなままの個体への攻撃は、あまり効果が無く、
人間の子供程にまで大型化した個体へのみ有効な兵装と成って居た。
その二つの群れは、2万匹近くを用いて、邪魔に成ると判断した
郡山駐屯地に襲い掛かると、そのネズミの大軍に対し、
ガチンコでの戦いに不向きな兵装が多い駐屯地だった事から、
郡山駐屯地は、自衛隊駐屯地として初めてネズミに敗北すると言う
不名誉な駐屯地と成ってしまっていた。
そんな状態だった群れに、【リサーチャー・ラット】から
派遣された伝令がやって来くると。
至急此方に戻り、取られた群れを取り返す様にと伝言して来たのだ。
その伝言を聞くと、群れのリーダーネズミは、否応なく従い、
まだ食らってる途中だったのだが、福島市へと引き帰す事に・・
元々、群れに興味の無かった、刀を装備したネズミは、
自分の意図した事から、大きく外れ、群れの支配権を巡る争いに
巻き込まれる事に成ってしまったていた。
命を受けた他の群れは、刀を装備したそいつの群れを見つけにやって来ると、
有無を言わさず戦いが始る事に成って居た、今度の群れを率いて居たのは、
【グラン・ラット】と後に言われる個体だ、此奴はかなりの巨体を持つ、
狂暴な奴だった、戦いの開幕は、何も言わず
殴り込んで来た此奴の攻撃から始まる事に成ったのだ。
元々、自分の狙った獲物を掻っ攫われた事が原因で、
【デスライナー】を倒したこの個体は、
進化し巨大化した個体との連戦をする羽目に陥ったのだ、
【グラン・ラット】に圧し潰される個体達を見ると、
その目的が自分なのだと理解し、その挑戦を受けて立つ事に、
刀を装備したこの個体は、先の戦いで【デスライナー】を食べた影響だろう、
元々、前に出ず、影から襲い、楽に相手を殺すタイプだったのだが、
無性に此奴を自分の手で倒し、食してやりたく成って居たのだ。
動き始めたこの個体は、以前よりも格段にスピードが増し、
相手に成った【グラン・ラット】の攻撃を容易く掻い潜ると、
装備している日本刀を一閃、
【グラン・ラット】の腹を横一文字に切り裂いて見せたのだ。
余りの剣さばきの速さに、最初は痛みも感じなかった
【グラン・ラット】の腹からは、臓器が垂れ落ち始め・・
ようやく気付いたのか、慌てた様に腹を抑えたが、
隙だらけに成った所を、追い打ちのコンビネーションが炸裂、
両手を切り落とし、最後は
【グラン・ラット】 の首を刎ね飛ばしてて見せたのだ!
落ちた頭を持ち上げ食らい付くと、研ぎ澄まされた歯を用い、
頭蓋骨をバリバリと割りながら、脳みそ事、食して見せたのだ。
首が刎ねられた胴体は、まだヒクヒクと動いて居たが、
その新鮮な肉にもかじり付き、周りに見せ付ける様に、食べて見せたのだ。
チュチュンガ チュン チュン
「お前達、俺の家来のままで居たければ此奴を食って見せろ!」
そして自分に従って居る群れの者達に対し、
まだ十分に残っていた【グラン・ラット】の肉体を、
一口づつ、食う様にと促したのだ。
倒された【グラン・ラット】を食べた一万匹近く居たネズミ達の中から、
何体かの偶然適合した個体は、更なる覚醒を引き起こし、
新たなる【グラン・ラット】へと変化し始める事に、
その他の、食した者達も、以前よりも狂暴化し、
力、それに大きさが増し始めて行く・・。
チュチュチュチュチュチュチュチュチュ!!!
【グラン・ラット】を食った群れの一団が一斉に雄叫びをあげ始めると!
その行為は【グラン・ラット】が率いて居た群れにも伝染し、
勝者である刀ネズミに酔狂したネズミ達が前に出て、
【グラン・ラット】が率いて居た群れに対し、言葉を発したのだ。
チュチュン チュッチュ チュュュン。
「この方が、我等の主だ、今後はこの方の群れの
一員に成り働くなら良し、成らねば此処で死ね!」 等と言い、
またしても配下のネズミが増えてしまう事と成り
刀ネズミは、諦めに近い溜息を一つ付いて居たのだ。
それからも、何度か戦いを仕掛けられたが、
どうやら自分を上回る強さを持つ個体には出会う事が無かったのだ。
五度目の戦いに勝利すると、
【リサーチャー・ラット】が残りの群れを連れて来て、
全ての者を配下にしてくれと、頼み込んで来る事に成る。
【リサーチャー・ラット】は、刀を装備したこの個体の事を、
ラット王と呼び始めると、周りからもその名称は受け入れられ、
皆から≪ラットキング≫と呼ばれる事に成っていた。
≪ラットキング≫は、大きな群れの王に成ったのだが、
全く、満足はして居なかった、それ所か、群れを見捨てて
何処かへ放浪しようかと考えて居た位なのだ、
だが、狡猾で知的な【リサーチャー・ラット】は、
この新たなる王を、世界の王にしようと、考え始めて居たのだ。
最後まで読んでくれありがとう。




