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ゆいこのトライアングルレッスン 〜放課後クッキングーまだ知らない味ー〜

作者: ハルユキ

『下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ』のコーナー『ゆいこのトライアングルレッスン THE MOVIE』に応募した作品です。


たくみ・ひろし・ゆいこの原案者は巽悠衣子さんです。


※それぞれのご飯にシチューありなし設定の理由などは勝手に妄想を膨らませました。拙作の世界線での話としてお楽しみください。

 ずっとそれで育ってきたから、それ以外の味なんて知らなかった。


「シチューにはパンだろ。それか単品」

「へ〜!」


「たくみ! ゆいこ! ごめん委員会長引いた! 帰ろ」

「「おつかれ〜」」

「ね、ひろしはシチューにご飯あり? なし?」

「あり」

「私も!」

「俺はなしが当たり前なの! つか、こんな話してたら腹減ってきた。そーだ!」

「「?」」

「夕飯俺んちでシチュー食わねー?」


 ◇


「「おじゃましまーす!(おじゃまします)」」

「よーし! やるか!」


「たくみすごい! 料理うま!」

「野菜切っただけだぞ」

「肉できた」

「ひろしも手際いい! えっとじゃあ私炊飯器セットするね!」

「頼んだ〜」

「お米を入れて〜」

「って! なにテキトー入れてんだよ! ちゃんとはかれ!」

「へ?」

「だから、カップつっこんですりきって」

「あ! そっか」

「ったく……ほっとけねーやつ」


「へ? あ、どうしよどうしよ! 何杯入れたかわかんなくなっちゃった」

「ゆいこ、落ち着いて。とりあえずお米洗お?」

「うん」

「そしたらこうやって人差し指たてて」

「こう?」


 ひろしはゆいこの後ろにまわって手を掴む。


「そのまま下向けて、指の先で米粒触って、第一関節くらいのところまで水入れれば大丈夫だから」


 ゆいこの耳が赤くなるのを横目に見ながら、野菜を炒める鍋に水を入れるとジュッと熱が跳ねた。煮えるように火力を上げる。


 しばらく煮込むとじゃがいもが崩れていく。

 今まで当たり前だと思ってた俺たちの関係はいつの間にかこうやって崩れて溶けて別の感情と混ざり合ってたのかもしれない。


「シチュー完成! たくみはパン、ひろしと私はご飯ね! ん〜いい香り! いっただっきまーす! あむ。 美味しいー!」

「うん! うまい」

「ゆいこ、俺も食べたい」


 俺はゆいこの腕を掴んでそのままスプーンにのったご飯とシチューを口に運んだ。


「ぱく。もぐもぐ」

「あ! か、かん、せ…」


 目を丸くして、赤くなるゆいこ。

 嬉しい。かわいい。

 昔だったら間接キスなんて当たり前だったのに、いつから意識してくれるようになったんだろう。

 今まで当たり前だと思ってた『幼なじみ』とは違う味。


「おいし?」

「やべ、ハマりそ」


 当たり前を崩すのはちょっと怖くて。でも一度ついた火はもう止められない。


「放課後お料理楽しいね!」

「だな」

「またやろ?」

「ああ」

「次は〜、あ! ふたりは目玉焼き、なにかける?」


 知りたい。『幼なじみ』の先の味。


お読みいただきありがとうございます!


2021年2月26日放送の『下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ』にて、ご自由にとのことだったので投稿いたしました。


もしも投稿の仕方に問題がありましたら、すぐにお知らせください。よろしくお願いします。


「トライアングルレッスン交流会」ぜひ皆さまと一緒に楽しみたいです!よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読ませていただきました! キュン♪ギュン♪キューーン!! でした(語彙力) 最高です。
[良い点] とてもよかったですー! この3人のなんとも言えない微妙なバランス、いいですよね。 どちらか選ぶ必要なんて…ないよね。 と、声を大にして言いたいです。 思わずニヤニヤしてしまう素敵なお話、…
[一言] 読んでいて情景が浮かんできてキュンキュンしました( ⌯'-'⌯) たくみとひろしのそれぞれのいい所がリアルに現されていて、読んでいるとゆいこになった気持ちでした。 幼なじみから先の味、知りた…
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