〈第八話〉本気
パーティは終わり、寝室に戻る。
楽しかった。そして、いいものを手に入れた。
身体能力強化魔術だ。
まさかこんな早くに手に入れたい
魔術ランキング上位にくい込む
魔術書に触れるとは思いもしなかった。
「確か、こうだったな。」
まずは身体を魔力で纏う。
自分の体が魔力で包まれるのが分かる。
ここからこの膜を固くする。
「流石に慣れていない魔術はキツイな・・・。」
やはり、魔力がもっていかれる。
今度ウチバさんのところに行こう。
あの人の魔術も欲しい。
しばらく身体強化を続けているとノックが鳴った。
「すまぬ、ラートはいるでござるか?」
「あぁ、カナデか、入っていいぞ。」
訪問が多いなと思っているとドアが開き、
カナデが姿を表した。
「どうした、カナデ。急に来て。」
「拙者、ラートと斬り合いをしたいでござる。」
「ほう、なるほど」
はい、キリアイ?なるほど?
それは何故、まさか狂戦士なのか?
何故?何故だ?分からない。
出会ってまもない俺を斬るのか?
「拙者、お主の刀を見て、対等に斬り合えると
思ったのでござる。
その刀、天ノ白銀で出来ているのでござろう。
拙者の刀は、絢爛翡翠でできておる。
ほれ、この少し薄く透き通っておりながらも
強く輝く強い緑色、面白いであろう。
名を燐煉と名付けたでござる。」
そういいながら語る姿は本当に楽しそうで
とても切なそうに思えた。
強すぎた故に本気を出せなかったのだろう。
そして僕の剣を見てこう思った。
こいつは自分と同じ場に立ち
本気を出し、戦えると。強いと。
「さて、雑談は終わりにござる。
ラート、斬り合うでござる!
命尽きるまで!存分にっ!」
「待て待て、まず落ち着け。
確か明日の授業で剣の授業があったはずだ。
それまで待ってくれ、頼む。」
「むぅ、確かにそうでござった。
分かり申した。明日、斬り合おうぞ。」
するとカナデは僕のベッドにダイブした。
おい、何してるんだこいつは。
なぜ僕のベッドに倒れ込んだ。
なるほど寝るのか、納得がいく。
いややはり納得いかない。
いやここでか?男の部屋だぞ?
「1日待つのでござる、身体を調べるくらい
いいであろう?
ほれ!拙者の体も触っていいでござるよ!」
「はぁ、もういいよ。好きにしろ。
・・・触らないからな?」
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「はぁはぁ・・・ふぅ・・・」
「・・・・・・っ!」
「・・・くっ・・・ふぅ・・・あっ!」
「・・・ラート、凄いでござる・・・
よくぞここまで体を鍛えておるな。
関節の可動域、筋肉も靱やかでござる。」
「・・・そりゃどうも・・・」
1時間くらい、いやもしかしたら
もっと体をいじられていたかもしれない。
腕の筋肉から胸、腹、股関節、足といくのに
ずっと触っているのだ、くすぐったい。
時々動かされたな、特に股関節部分。
「至高の領域にござるな、ラートの肉体は。」
「そうかい、寝ていいか?」
「嗚呼、すまぬな。触ってしまって。」
「いや、満足したならいいよ。」
くすぐったかったけどな。
「それでは良い夢を。」
そういうとカナデは服を脱ぎ始めた。
おい、僕を犯罪者に仕立て上げる気か。
違った。下に寝巻きをしているのらしい。
「隣、失礼」
いや戻れよ。ここで寝るなや。
しかしもう寝息が聞こえ始めた。
まぁ、いいだろうと僕も目を閉じ
睡魔に身を預けた。