〈第五話〉試験の結果
明日の朝、カルトルミア学園のボードに
合格番号が表示されていた。
267番は、そこには乗っていなかった。
あぁ・・・やっぱり劣等書だからだろうか・・・
落ち込んでいるその時周りがざわつき始める。
その視線の先には特待生の合格番号が乗っている。
「おい嘘だろ・・・」という声や「バカみてぇ」という声もあった。
僕なんかが乗ることがないそのボードには
僕の受験番号が乗っていた。
はい?いやどういうことですか?
劣等書の僕が何故特待生なのだろうか
「おぉ!お前!その本で受かったのか!?
しかも特待生!すげぇなこりゃあ!」
「ウチバ、うん、僕も驚いてる。」
そこにはウチバがいた。
どうやら試験の結果が気になってやってきたらしい。
「よぉ、ラート、お前受かったんだってな。しかも特待生?どうせズルでもしたんだろ?まあ?俺は自力で特待生に入選したがな!」
アルベルだ、こんなことを僕にいつも言って
よく飽きないな、そこだけは尊敬する。
「アルベルか、確かにアルベルは頭もいいし
剣の腕もある、人望あるからね。
受かって当然だよ、おめでとう。」
アルベルは少し驚いたような顔をすると
「だろ?俺はすごいんだ!」と言った。
なんだかアルベルの流し方が分かった気がする。
「いやーお前は劣等書だからなー!守ってやるよ!ついて来い!」
あ、この流し方ダメなやつだ。
調子に乗ってしまう。めんどくさい。
「いってきます、ウチバ。」
「なんで俺なんだ?まあいい!いってこい!」
僕は学園への1歩を踏み出す。
どうやら試験合格者は通れるような仕組みになっているらしい。鍵はこの受験番号カードだろうか。都会って凄いんだな。
「あら、あなたは確か一般試験を1位通過した
方じゃありませんか?」
僕の耳元に透き通った声が響く。
体がゾクゾクし思わず飛び退き魔術書を構える。
「あら、驚かせてすみませんわ。
私はアラバスタ家の長女、ナーチェリー=アラバスタですわ。以後お見知り置きを。」
アラバスタ・・・あの一流魔術貴族の!?
謝らないと、消される。
「あ、あの!大変申し訳ございません・・・
アラバスタ家の方とは知らず、無礼なことを。」
魔術書を仕舞い額を地面に付ける。
どうしよう消されるだろうか。
それくらい僕は大変なことをしてしまった。
相手の同意なく人に魔術書を構える、それは
あなたといると不愉快ということを表すのだ。
しかもそれは一流魔術貴族の長女。
やろうと思えば一瞬で消されるであろう。
「顔を上げてくださいまし。
私、あなたの本が気になりまして話しかけたのですわ。その本、灰色の本ですわね?
その本でどう試合勝ったのですか?取得魔術は?」
一気に話してくるな。
まぁこっちの方が話しやすいけど。
「取得魔術は反魔術。
試合は相手の魔法に魔道共鳴して相手の術式を
乗っ取って、倒した。」
「反魔術ですか・・・ならあなた、もう1つ取得しないといけませんよ?攻撃魔術がないんですから。」
「確かに無い、どうしようか。」
僕の問題、それは攻撃が出来ないということだ。
なんの魔術がいいだろうか。
模倣魔術は必ず相手の術式を解析しないといけない、あれ?
反魔術は相手の術式に直接触れる、その時に
情報が流れてくるのだ。
これはなんの魔術を取得するか決まったな。
それと同時に本が輝き出す。
「ありがとうございます。ナーチェリー様。
おかげで2つ目の魔術が生まれました。」
「いえいえ、どういたしましてですわ。
あの、様は肩苦しいのでナーチェとお呼びくださいまし?あとタメ口というものにも憧れておりまして・・・」
「そう?じゃあナーチェ、ありがとう。」
何かといい人そうだな。この女の子。
ついに始まるのか、僕の一人暮らしが・・・!
新キャラ登場!ナーチェリー=アラバスタ!
特に名前に意味はありません!
キャラの崩壊を免れていきたいんですけど
今思ったけどこの物語の子達、まだ10歳くらいだよね?もうちょっと口調バカっぽくてもいいかもしらん!
まぁそんな話は置いときまして、
やっと学園内へ入ったー!
さてここからこの主人公ラートをバンバン進化させます!魔改造です!
それではまた夜に!see you again!