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失礼な男

「うそ待ってそれ普通死ぬやつ!」


人は何か衝突物に当たってお陀仏する時、何か思い返す時間があるんだろうか。だって未練タラタラというか、未練しかない。

そして結論から言うと、あった。本来ならないと思うんだけど、私の場合にはあったのだ。

誤解のないように訂正すると、これはさすがにヤバいでしょ、死んだ、と思ったのに目が覚めたらそこに広がるのは青空だった。


何でいま私は快晴のした、野原で大の字に寝転んでいるのか。恐る恐るめ線を下に向けると、何だか知らない服を着ている。なんというかというか、制服っぽい。全然見たことないデザインだ。

あまりの情報量に無言で空を見つめる。もしかして天国とかそういう類? 確かに死後の世界なら納得がいくかもしれない。悪行を働いた記憶もないから、いけるとしたら天国だと思うし。

そんなことを考えていると、誰かの気配が近づいてくる。天国の先住民、つまり私より先に亡くなった人だろうか。


「な〜んだ、花月先輩か…」


何だか私のことを知ってる口ぶりだ。いや、それにしてもすごい容赦なく顔を覗き込んできた。青く広がっていた空だったはずの視界が突如見知らぬ青年で埋め尽くされた。近い。ロマンスでも始まりそうな距離。いや近すぎ。

赤の他人がする距離感じゃないよ、と声を出そうとした。そのはずなのに。


「なによ、私じゃ文句があるって言うの?」


ーーへ?

私いま、なんて言ったの?


「へーへー、ありませんよ〜っと」

「ならその汚い顔を退けて」

「はいはいすみませんでした。来てみれば先輩がぶっ倒れてるから面白くて」


ぽんぽんと弾む会話に、脳がついていかない。私そんなこと言ってない。実際口に出して言ってるけど、脳は全く別だ。まるで別の人が私を支配して喋っているような。

一体これはどういうことなの?

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