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最強の嫁

 俺は、配下になって貰えることを強調しながら固まったアシュタルト令嬢を説き伏せようとしていた。だって、絶対に勝てないし、戦いたくなかったから。それよりも有能すぎて、マジで配下になって欲しかった。


 だからさ、まさか嫁に来ると言われるなんて思わなかったんだ。


「え?!本当に?本当に良いんですか?ちゃんと考えましたか?大丈夫ですか?」


「はい。問題ありません」


「いや。問題あるでしょう!貴女だけで勝手に決めちゃ駄目なのでは?」

 ごめんなさい。俺から縁談申し込んだくせに即決されて怯んでます。泣きそうです。若干パニックになったので、何とか日を改めようと提案する。冷静に考えれば、親御さんに挨拶しなくちゃいけないはずだ。そう、あの娘さんを僕に下さい的なアレ。


「わかりました。では、そのように致します」


 分かって貰えて、ほっとした。やれやれと思っていたらアシュタルト令嬢がバルコニーのフェンスまで移動する。お帰りは逆ですよ。もしかして飛んで帰るのかな?


 不思議に思って眺めていると、アシュタルト令嬢はフェンスを握りしめ、思いっきり息を吸った。


「おとーーさまぁぁぁ!」


「リミはっ」


「魔王様のっ」


「お嫁に参りまぁぁぁす!」


「嘘だろー!!!」

 鼓膜が破れそうな大声に思わず耳を塞いだが、それでもビリビリと衝撃が走る。


 まさかの結婚宣言は木霊しながら遠方にとどろいている。何なら立体的な文字が見えたと錯覚するほど、はっきりと主張して移動している気さえした。


「わかったぁぁぁぁ!」


 しばらくしたら、まさかの、あちら側から小さくはあるが返事が聞こえてきた。


「はい???」


 アシュタルト令嬢がくるりと回って、俺の目の前まで歩いてくる。


「魔王様、父の許可が取れました」  


「はいーーー???」


 途端に今度は城周辺から怒号のような喝采と拍手が鳴り響く。その音が凄まじくて、城がガタガタ揺れている。「うぉぉぉぉ」とか「おめでとー」とか聞こえてきた。


 ――― 本日未明、魔王様の結婚が国中に知れ渡った。

【小ネタ】

ゆーや:こんな許し方しちゃダメでしょ。お義父さんorz

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