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黒犬が運んできた幸運  作者: 伊佐波瑞希
4/7

遭遇

「はぁ、」


皆さんこんにちは!!

なつみです!!


私は今日も学校からトボトボ帰宅中です。

なぜか?

それは今朝登校すると朝からイチャイチャする先輩カップルを目撃してしまい私の心はずーんと沈んだ。そのせいか今日1日の授業内容が全く頭に入らず、友達とも何を話したか記憶がない、気づいたら帰路についたみたいな感じだ。

私はしばらく歩くとあの公園に通りかかる。

遊具がある広場からは子供達の笑い声が聞こえる。


はぁ、子供はいいなぁ~

なにも自分が大人とは思ってない

ただ、何も気にせず好きな相手に好きと素直に自分の好意を伝えることができた幼少期が懐かしいと思えるのだ。

そうして懐かしんでいるとふと、昨日奴と遭遇し出来事を思い出す。


〝うん、40点!!〟


あ~今思い出してもイライラする!!

無駄にイケメンだったからか怒りが倍増しそうだ

あの顔をめちゃくちゃにしたい!!


「今日もいるか?」


私はずんずんと奴と遭遇した池の前にあるベンチへと歩きだした。

別に奴とどうなりとかはない、ただ‥‥


あの無駄にいい顔に私の怒りのストレートをぶちかましたいだけだ


私はベンチに座ると池の畔で休んでいたカモ達が一斉に逃げていった。

別にあんたらには危害を加える気はないわ!!


とりあえず私はスマホを取り出し時間を確認する。今は17時前、2月の中旬とは言えまだ肌寒く暗くなるのも早い時期だ。


10分だ!!10分待っても現れなかったら帰ろう!!


私が座って奴への仕返しを考えていると


クゥ~ン


犬の鳴き声が聞こえた。

私が鳴き声のほうへ顔を向けるとまた茂みからあの黒犬が現れた。

たしかノアールだったか?


「こんにちは、ノアール?、」


私が黒犬の方へ歩みよると黒犬はタンタン地面を二回叩き私を見上げた。

なんだ?と私が首を傾げると黒猫はまたタンタンと地面を叩きキャンキャンと鳴く。

だからなんだ!?


「今日はクッキーないのか?って言ってるんだよ」

「え?」


突然後ろから声が聞こえばっと振り返ると先程まで私が座っていたベンチに奴が座っていた。


「よっ、また会ったね、」

「‥‥‥‥」

「というか、君暇なの?、まさか俺のこと探してたとか?、うわぁ、やめてよ」

「‥‥‥」


私は奴の言葉を無視し無言で立ち上がる。

そして奴のほうに歩きだした。


「?」


奴はなんだ?みたいな顔で私を見る

私はうつむき顔を隠しているためなにをしてるかわからないのだろ

もちろん私はわざと顔を下に向けている。

なぜって?

じゃないと‥‥


私の顔が笑っているのに気づかれるからだ!!


私は奴の足を見て射程距離に入ったのを確認すると顔をばっと上げ、


「くたばれぇぇぇ!!」


と渾身の右ストレートを奴に放つ、

だが私は間違ってしまった。

奴の足に気を配りすぎて奴が座っているということを失念していたのだ。

私の拳は奴の顔面からだいぶ離れた位置で止まる。


「「‥‥‥‥」」


私と奴はただ黙りこむ

するとどこからともなくヒュ~と風の音が聞こえた。

幻聴か?


「ぷ、ぷははは!!」


すると奴は急に笑いだした。


「せっかく勢いよく叫んだのに、ぷ、あはは!!」


目尻に涙をためながら笑い出す奴、私はとりあえず正拳づきの構えから直ると奴とは反対にある池に視線を向けた。


うん、綺麗な夕日だ


夕日が池の水に反射して綺麗な景色を演出するなか私の耳には奴の笑い声だけが響いた。


☆☆☆


「あ~、いや、ごめんごめん、あまりにも面白かったから」

「そうですか」


奴は一通り笑うと謝罪してきた。

全然心が籠っていないが‥‥‥


私は奴と間を開けてベンチに座ると奴がいる反対方向に顔を向けて返答する。

ちなみに奴の飼い犬であるノアール?は奴の膝の上で丸くなっている。


はぁ、早く帰りたい‥‥



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