プロローグ
週1ペースで上げていければ最高です。
キャッチコピーは「男性も楽しめる乙女ゲームここ爆誕!」こんなうたい文句に当時の俺は、興味をひかれた。
ゲームのタイトルは「愛おしい君は永遠」ゲームを買ったあとに思ったが、何だか地雷臭が漂うタイトルに思わず笑いそうになってしまった。
28年間生きてきて初めての乙女ゲー、ノリで買ったのはいいけど実際にプレイするとなると戸惑うな。
ギャルゲーしかやった事がないからな。
乙女ゲーの基本知識として主人公(女の子)が次々に出てて来る攻略キャラ(男の子)の中から一人を選んで恋をする。
っであってるよな。
こんな知識しかない俺だがプレイしても大丈夫だろうか。
しかし、実際にプレイしてみると案外おもしろかった。
確かに男でも楽しめるな。
元々、俺は作品に対して影響を受けやすかったから余計なのかもしれないがプレイ時間を重ねるにつれ主人公に感情移入していった。
ゲームの舞台はありがちな中世ヨーロッパ風な世界で既存の国を使うのではなく、オリジナルの国を創りそこで主人公達は暮らしている。
ちなみに国の名はエルエ・オーグラン王国、封建制ので成り立つ国だ。
ゲームの世界では、魔法が存在しており簡単に言えば代々魔法が使える者が貴族で魔法が使えない者が平民になる。
主人公はゲームの世界では珍しく平民ながらに魔法が使え、なおかつ貴族も顔負けなほどの強力な魔力を有している。
強力な魔力を持つ主人公は必然的に国に唯一ある王立魔法学園に入学する事になった。
当然ながら学園には魔法が使える者しか入学できないこともあり、必然的に他の生徒は貴族だけになってくる。
平民と貴族、その格差による摩擦が主人公に対してのいじめに繋がってくる。
その日々のいじめに耐えながら健気に頑張る主人公に、次第に興味をひかれる攻略キャラ達。
そこで好きなキャラを選んで恋をする、とまぁこんな感じのストーリーである。
かなりの王道ストーリーらしい。
俺が一番好きなルートは王子に見初められ、お姫様になる成り上がりルートが好きだ。
好きな理由は他にもあり王子ルートだと王子との好感度一定以上、上がると王子の婚約者である公爵令嬢が必要に突っかかってくる。
この公爵令嬢が見た目が超可愛いのだ。
俺はこの令嬢に一目惚れし、王子ルートを何周もした。
しかし、残念ことがあり。
令嬢に会う事ができるのが王子ルートのみなのである。
全ルートやったが王子ルート以外で令嬢がどういうエンドを迎えたのかが、わからないのだ。
もちろん、王子ルートだと婚約破棄された公爵令嬢は学園を追放される。
その続きが描かれてないのだ。
その後が気になり、公式設定資料集まで買ったが、、、やはり書かれてはいなかった。
ギャルゲーでは、よくあるアフターストーリーが出るのを待ったが2年間でなかった。
徐々に「愛おしい君は永遠」を忘れかけた時に事件は起きた。
その日は肌寒く朝、布団から出るのがおっくうだったのを覚えてる。
もうすぐ、冬が来るのを肌で感じていた。
いつもは定時帰宅で知られる俺が、この日に限って仕事の進みが悪く残業になってしまった。
これがフラだったのだろうか・・・それとも明日、人生初の合コンに誘われたのがいけなかったのか・・・それともこの両方か。
なんとか仕事を終わらせる事ができたときには時計の針が10時をさしていた。
急いで帰路につくなか目の前に広がる、青白い光が俺を包んでいた。
視界に映る動きがスローモーションに感じて、その後に強烈な痛みを覚えた。
「あぁ~、続編出て欲しかったな」
薄れゆく思考の中で2年前にやった乙女ゲーの事を思い出していた。
長い眠りから覚めるように、重い瞼を開ける。
『あれ?・・・なんか視界がぼやけてるな』
目ヤニでもついてんのかと思い、指で目をこすろうとするが体が重く思いどうりに動かない。
やはり、あの青白い光は車でその直後に感じた痛みを考えると・・・俺、ひかれたな。
って事はここは、病院だな。
事故のせいで今は体が動かないと、そういう事だな。
『クソッ!最悪だ』
まさか体が動かないとは、どれだけヤバい事故だよ。
早く自分の容体を確認したい。
だけど、目がうまく見えないせいで確認できない。
近くに誰か居ないのか?
『すみません、誰か居ませんか?』
うん?今、思ったけど声もう出てないような。
「あれ?アレン君もう起きちゃいました~」
良かった、近くに誰かいるのか。
近くで女性の声が聞こえた。
おそらく、ここの病院で働く看護師だろう。
『すいません、ちょっと来てもらっていいですか?』
やはり、声がうまく出てない。
これだと看護師さんを呼べない。
しかし、俺の思いが通じたのか足音が近いて来る。
えっ?
急に体が浮く感覚に襲われる。
いや、違う抱えられてる。
嘘だろ!細身の俺だが女性が簡単に抱えられる体重じゃないぞ。
まさか、この看護師!最強にマッチョなのか?
だとしたら、俺を抱える必要はないはずだ。
頭の中で何故と言う言葉が飛び交う。
混乱する思考の中で徐々に視界がクリアになってきた、これでようやく体の状態を確認できる。
だが、目に映る光景がさらに俺を混乱させる。
黒髪の若い女性が俺を抱えていた。
とてもじゃないが、俺の体重を持てるようには見えなかった。
そして、何よりも信じがたいのが俺の手が小さい。
そう、まるで赤ん坊のような手だ。
自分の確認すればするほど自分は、赤ん坊なのではと思ってしまう。
まず、今着ている服が病院で着るような患者服ではなく赤ん坊なのが着ている服を今俺が着ているなど他にもいろいろあるが今はそん事どうでもいい。
今、最も重要なのがこれが夢かどうかの確認である。
女性の手から感じる手の温もり、人差し指で俺のほほをつつく微かな痛みこれを参考に俺が出した答えはこれは現実だ。
いや、現実であってくれ。
これは俺が夢にまで見た、異世界転生ってやつじゃね!?最高だ。
アーメンハレルヤピーナッツバターだぜ。
30歳まで童貞を守ったかいがあったってもんだぜ。
そうと分かればここはどういう世界なんだ?
1年間、この世界の情報収集してきたが得られた情報は少なかった。
だってしょうがないじゃないか、赤ん坊なんだから。
まぁ赤ん坊なりにわかったのはこの世界は中世ヨーロッパくらいの時代なのだろう転生ものでは、よくある時代なのではないだろうか。
それとこの世界には魔法が存在している。
その魔法のが使えるのが上流階級の者だけらしい、ようは貴族様だけだ。
でも時に例外があるらしく平民の中から稀に魔力を持つ者が生まれ、その者は魔力量により国に唯一ある学園に入る事が特別に許されるらし。
そして、その魔力を持つかどうかを調べる事が出来るのが洗礼と呼ばれる儀式らしい。
基本は5歳になると教会で無償で洗礼を受けられるが平民から魔力持ちが生まれる事が稀な為、平民が洗礼を受ける事はなくそんな事する暇があれば仕事をする方を選ぶ。
当然だろう、わざわざ時間の無駄だとわかる事する者はいない。
特に平民となればなおさらだ。
貧乏暇なし、この言葉が現実味を帯びてしまう世界なのだ。
俺も働ける年齢になると親の手伝いから始まり、出稼ぎに行かされる事もある。
だから俺の今の目標は洗礼を受ける事。
あと3年もすれば俺も5歳になるその時に何とかして親に洗礼を受ける事を承諾してもらう必要がある、じゃないと子供だけでは洗礼を受けれないからな。
俺には自信がある。
何故なら俺は転生者だからな、こういうのは転生モノのお決まりであるチート能力があるはずだ。
むしろ、ないとおかしい。
『あぁ洗礼楽しみだなぁー』
赤子の身である体だが内に湧き上がるこの感情は歓喜なのだろうか、いやもっと別の何かかもしれない。
今日は俺の待ちに待った洗礼の日だ。
「アレン準備はできた?」
玄関の前で立つ長髪黒髪が特徴的な女性、顔立ちは整っていて身内である事を抜きにしても美人であると断言できる。
前世の俺ならうっかり惚れていたかもしらない。
でも残念なのがこの美人は、我が母さんなのである。
「うん、できたよ母さん」
「母さんじゃないでしょう!ママでしょう」
俺の母さんは「ママ」と呼ばれることに強いこだわりがあるらしく、俺が「母さん」と呼ぶとすぐに今のように言い直すように注意される。
しかし、実際の5歳児ならば「ママ」と呼ぶのには抵抗はないだろうが、俺の中身は前世も合わせると35歳にもなる完全なおっさんだ。
そんなおっさんがどんな顔をして「ママ」と呼べばいいのだろうか?
「ほら、どうしたの?ママでしょう」
俺がすぐに言い直さないからさいそくがきた。
少しづつ母さんの眉がつり上がってきてる。
ヤバいお怒りモードに入る。
「ハハッ、じょ冗談だよママ」
「そう、なら良かったあと少し訂正が遅かったら教会に連れて行かないとこだったわ」
手で口元を隠して「フフ」と笑っている母さんの目は笑っていなかった。
危なかった母さんは一度、怒ると頑固になるため俺の教会行きは無くなっていただろう。
「うっうん、さぁママ教会に行こ」
俺にできるだけの笑顔で母さんの手を取り教会に向けて歩きだした。
町はずれの丘の上の小さな教会、ここがこの町で唯一洗礼が受けられる場所だ。
俺が5年間待ちの望んだ瞬間が今、この場所で叶う。
ガチャ
2mくらいあるとみられる木でできた立派な扉を開けると、教会の中は俺が想像していたよりも簡素にできていて教会としての機能を最低限おこなえるものになっていた。
教会の中を簡単に説明すれば左右対称にできており、左右に長い椅子が合計で6個均等並べてあり各1mくらいの隙間が設けられており左端、中央、右端といった形で通路がある。
そして中央の通路の先には、この国の信仰の象徴である女神像がある。
昔は神様なんて信じていなかったが今なら信じられる。
「スィードさんですか?」
一番最前列の椅子に腰掛けていた神父さんが立ち上がりながら声をかけてきた。
ちなみにスィードとは俺の家名だ。
「はい、洗礼の予約をしていたと思うのですが?」
「聞いていますよ」
「しかし、今のご時世に洗礼とは珍しいですね」
やわらかい物腰に見えて案外、性格悪そうだなこの神父。
「やっぱり珍しいですよね」
なぜか母さんが申し訳ないように言っているのが気になるな。
平民で洗礼を受けるのは余程珍しいのだろうな。
でも、申し訳ないわけではないだろうに。
「そうですね、ここの教会では10年くらいは平民の方が洗礼を受けたことはないですね」
明らかに小ばかにしてるが癇に障るな。
「ですよね。私も受けなくても大丈夫だと何度も説明したのですが、アレン君がどうしても受けると聞かなくて」
「まぁこのくらいの年齢の子はわがままなものですからね、仕方ないですよ」
2人で俺をだしに談笑しやがって。
「では、そろそろ洗礼を始めますか」
「はい、お願いします」
「では、こちらに書いてある魔法陣の上に立ってもらえますか」
女神像の前に描かれた魔法陣、書かれている事は俺には理解できなかったがこの上に立てば自分に魔力があるかどうかがわかる俺にはそれだけで分かればいい。
「では、体を楽にし深呼吸してください」
神父の言う事に従い気持ちを落ち着かせる。
神父が魔法陣に手をかざすと魔法陣から青白い光が沸き上がってきた。
光は青白い光から金色に輝きはじめた。
「おお!これは大変珍しいですね魔力持ちですよ」
「えっ!?本当ですか神父さま」
「ええ本当ですよ、これは本当に珍しい平民の方から魔力持ちが出るのは10万人に1人と言うわれているので息子さんはまさに奇跡と言うほかありません」
2人が驚いている中、俺は冷静に受け止めていた。
当然だろう、なんと言っても俺は転生者なのだから転生モノでお決まりのチート能力くらい備えていてとうぜんだ。
「この魔力量ならお金を払えば王都にある魔法学園に入る事も可能ですね」
「お金はいくらほど掛かるのですか?神父様」
「そうですね・・・金貨3枚もあれば大丈夫ですよ」
「えっ!金貨3枚ですか?」
「はい金貨3枚ですね」
「とてもじゃないけど金貨3枚は払えないわ」
えっ?何、俺魔法学園に行けないのチート持ちなのに。
「あの神父様?僕の魔力量だとお金の免除などは出来ないのですか?」
「えーとアレン君だったかな君の魔力量だと魔法学園に入る事できる基準ギリギリになるんだよ、だから学園に入るには一般の貴族と同じようにお金を納めてでしか入る事は出来ないんだよ」
「僕の魔力量って少ないのですか?」
俺の問いに神父が少し困った顔をした。
「そうだね。平民という事を考慮すればとても高い部類になりますね」
今の言葉で悟れとでも言うことなのだろうか、神父は言葉を続ける事はなかった。
えっ?俺のチート能力は?無いの?本当に?Really?
俺の異世界ライフはどうなるの?
仕事の合間に書くのってムズイ




