アラセイトウ
人の見ている光景は光の反射と屈折によるものらしい。もし光が違うものだったならばもっと違う今とは違う光景が見えるのかもしれない。
そんなことを考えるぐらい暇な授業中。先生の話は右耳から頭に行かず左耳から出ていく。
することと言えば、ノートに何を書いてるかもわからないような線の絵をただすることもなく書くだけ。
授業が終わると、隣の席の人と駄弁る。話すことがなくなると少しチクチクする腕を枕にしてカップラーメンを作るぐらいの時間をぐらいをごまかすように寝たふりをする。
チャイムで起きチャイムで寝る。
それを青春と呼びそれを高校生活と呼ぶのかもしれない。
学校の中の松の木を見るたびにあの人のことを思い出している。
特に話すことも無いけど話したくて仕方が無かった3年間だった。
結局何もできなくてほとんど話すこともできずにあの人は離れていった。結局何も変わらなかった。
一人で、心の中に思いを秘めてあの人を思った三年間はきっと無駄ではなかったと思いたいだけだ。だからきれいな言葉を並べて自分に対して言い訳して三年間を正当化する。それは今でも変わっていない。
あの頃から止まったままの時は、車輪が錆びたチンチン電車のように動き出すことはもうないのかもしれないとつい思ってしまう。
終わってほしくなくて仕方が無かった。いつまでも続いてほしかった・・・けどそんな毎日は幸せな毎日は終わってしまう誰が望んだわけでもないのに。
さようならも言えない卒業式はたった二時間、卒業式の後の二次会にあの人は来なかった。そこで僕の時間は止まってしまった。
もう戻らない時間
高校に入り変わったことは通学時間が長くなり下校時間が速くなったぐらい。
何も変わらない日常、大切な日常、守りたい日常、戻りたい日常、終わってほしい日常。
語ることもない日常がただ過ぎていくことで寂しく音を上げている気がする。
さようなら中学
こんにちは止まった時間
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