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クローゼット
「お兄ちゃん、異世界に魔王が現れて異世界困ってるみたいだよ?助けてあげたら?」
は?異世界?なに言ってんの?頭おかしくなった?
「は?おかしいのはお兄ちゃんでしょ?お兄ちゃんの部屋のクローゼットが異世界につながってんじゃん」
そう言われてみればそうだった。
俺の部屋につながっている異世界が困っているのなら助けにいくのはやぶさかではない。
俺は親父のゴルフクラブを装備してクローゼットの前に立った。
「父親ならゴルフをしているはずなんてとんだ偏見だよ……。いまどきありえない。まあそんな時代錯誤のお兄ちゃんだから魔王を倒す冒険なんてテンプレに挑戦できるのかもね」
偏見がなんだ。俺のなかではインテリはビン底メガネだ。勉強も運動もコミュニケーションもできるリア充なんてものは存在しないのだ。
いや、そんなことはどうでもいい。俺はクローゼットのドアを開けて異世界に飛び込んだ。
「行ってらっしゃいお兄ちゃん。おみやげ忘れないでね」




