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アネモネが咲く頃に  作者: Shiori
1/1

君と出逢い

初めて小説書くよ‼︎

使い方とかもイマイチわかってるない!笑

でもがんばるよ!

「花は人々を幸せにする。アネモネもこの国を幸せに出来るような人になりなさい」


亡くなったお爺様に幼い頃から言われ続けた言葉。あの頃は本当にその言葉の通りになろうと思って努力も惜しまなかった。


でもーー


「あの子は縁起が悪い」「あんな花言葉の名前をもつなんて」 「お爺様は何を考えてらっしゃるのかしら」



いつからか、こんな風に思われるようになった。


今の私には”幸せ”なんて難しいよ…



ここはマグノロードのバレッタ国。

別名花の国。この国には世界中の花が咲いていると言われている”奇跡の庭”がある。その庭を拠点にバレッタ国では花は人々を幸せにするもの、と遠く昔から言い伝えられてきた。

そんな”奇跡の庭”があるのはバレッタ城。バレッタ国をおさめる国王達が住んでいるお城。


そんなバレッタ城に住む少女、


アネモネ・バレッタ 17歳。

彼女はバレッタ国の姫様。容姿はロングヘアで色素の薄いピンク色の髪の毛。濃いピンク色の瞳。整った顔立ちでとても可愛いらしい。しかしそんなアネモネは城での嫌われ者。

それは、


アネモネの花言葉に関係していた。


バレッタ一族の女性は代々、花の名前をもつことになっている。当然花言葉も名前と関係してくるのであって唯一アネモネだけが縁起が悪いと言われた名前をもつことになった。


兄姉妹弟の間でもアネモネは同じ城の者として認めてくれる人は少なかった。


そんな彼女はいつも悲しそうな顔し、笑う事は日に日に少なくなっていったのだった。


この先、

そんな彼女を変えるキッカケとなる人物との出逢いがあるとは知らないアネモネは、城から少し離れた”奇跡の庭”に逃げ出すように訪れたのであった。




「…お城に居ると息が出来ないの。この庭に来ると一気に酸素が回ってくるみたいですっごく楽になるんだぁ。」


アネモネはお城の者達に散々嫌なことをされ もう慣れっこ、と思いながらもやはり心が落ち着く”奇跡の庭”に逃げ出すように訪れた。


新鮮な空気をいっぱいに吸い込んで深呼吸する。そして咲いている花に言葉をかける。


「…なーんて、もうどうしようもないんだけどね。」




少し悲しそうに笑い、立っていたアネモネはしゃがみ込み花に手を伸ばす。


強い、強い風が吹く。




「わっ…!あぶなかったー…。」


あまりにも風が強く吹くもんだからバランスを崩しそうになる。そして手元を見て、花を踏まなくて良かったと安堵の息をつく。


「…さてと、これからどこ行こうかな…。」


お城に戻ったらまた居づらくなるだけだから、と思いながらも他に帰る場所も無く、どうしようか考えこんでいた時ーーー


「……さっきの風強かったなー!危うく飛ばされちまうとこだった。」


”奇跡の庭”の入り口付近を見てみると、私と同じくらいの身長をした男の子が立っていた。


(城の人じゃない…なんで庭に入って来れたの…)

アネモネは頭の中でぐるぐると考えたが全く知らない人物だったためにかたまってしまった。


「ここが”奇跡の庭”かぁ〜‼︎てか、広いだろ‼︎広すぎだろ⁉︎これ本当に庭なのか⁉︎」


アネモネの事は気付いていないようで、庭を目の当たりにしてテンションがすっごく上がっているのがわかる。



「…ぁ、の」


アネモネはとても小さな声で目の前の人物に話かける。もともとアネモネは人と喋るのが好きではないので出来れば無視しておきたかったがそれはこの国の姫としてどうかと思い意を決して話かける。


しかし気付いておらず、


「ぁぁぁ、あのっ‼︎」


勇気を出して噛みながらも大きな声で言うと、予想以上に大きい声が出てしまったアネモネは目の前の人物がゆっくりこちらを振り返るのをビクッとしながら見つめた。


「あ?」


「ヒッ‼︎ ご、ごごめんなさい‼︎」


機嫌悪そうな声で返事をされたのでアネモネはまたしてもビクッとして、そしてなぜか謝った。


「…えと、あ、の」

アネモネが次の言葉を言おうとした時、


「…お前なんでこの庭にいる⁉︎不審者か⁉︎」


思っても見ない言葉が出てきたのでアネモネは、


「あ、あなたが不審者でしょ⁉︎私はこの城の者です‼︎‼︎」


つい怒ったように言ってしまった。


「てことわ…お姫様⁉︎ え、何番目のお姫様⁉︎いや、あの本当にすいません‼︎」


城の者と聞き、お姫様だと思いこちらもとにかく謝る。


(アネモネって言ったら、きっと…逃げてしまうんだろうな。言わない方がいいかな…でも、隠すのは良くない……)


アネモネは自分の名前を言うのを戸惑った。この国の人々は私の事を良く思ってもいないからだ。でも、嘘ついてもそのうちバレるなら、と。


「………」


長い沈黙が続く。


「…え、どうしたんスか?あ、いや、どうしたんですか⁉︎」


丁寧な言葉遣いをしなければ‼︎と思い言い直す。


「…ア…ネモ…ネ…バレッタ…。」


「…そっか!あなたがアネモネ姫か‼︎ いやー、姫様や王子様には会ってみたかったんだよな〜。」


とても明るい声で返事が返って来たのでびっくりするアネモネ。


「…気持ち悪いって、思わないの?」


「なんで、気持ち悪いって思うんだよ?」


真剣な表情で聞いてくるのでアネモネは困ったように、


「…アネモネの花言葉知ってるでしょ?この国にいるなら私の話を知らない訳がないもんね……「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」「見放された」……アネモネの花言葉。姉,妹の中で私だけ花言葉の縁起が悪いって言われ続けてるの。国の人だって私の事を良く思ってないんだから。」


あまり話したい事では無いがアネモネは彼に、君もそうなんでしょ?と言わんばかりな顔で話す。


「その話は知ってる。でも俺はそんなの気にしないけど。」


「…そんなの初めて言われました。変な人。」


みんないつも私の名前を聞けば関わりたくないって言って逃げてしまうのに。初めてそんな風に言われて少し照れて、でもやっぱりどこか悲しげな表情の笑顔をアネモネは彼に向けた。


「変な人って…まあいいや!ちなみに俺の名前はリュウ・レガード!助け屋をやってる。アネモネ姫も助けてほしい事があったらなんでも依頼してくれよ‼︎あ、報酬は頂くけどな!」


アネモネはリュウの名前を頭の中でリピートする。


「…助け屋…私、話し相手が…ほしい。」

アネモネは話すのはあまり好きではないがこのままではいけないと思い一応頼んでみる。


「オッケー!でも報酬は貰うから!」

「私、何も持ってないよ。」


目の前に手を出して何も持ってない、とする。


「…報酬はーーー、」


「俺と友達になる事‼︎」


満面の笑みでリュウは手を差し出す。


アネモネは一瞬目を大きく見開き、そしてすこし恥ずかしそうに、

「……ありがとう…」


そう言って手を伸ばし、リュウの手をとった。

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