言葉よ
僕たちは、言葉に殴られ、顔面が赤青く腫れるほど殴られ
僕たちは、言葉に切りつけられ、脚の腱を切られ歩けなくなって
僕たちは、言葉に爪を剥がされ、綿菓子も掴めなくなって
僕たちは、言葉に口を塞がれ、手拭いで固く猿轡をされ
僕たちは、言葉に皮膚をむくられ、何もしていなくてもひりひりと痛み
僕たちは、言葉に目を覆われ、緞帳のような幔幕に目玉をぐるりと囲われて
僕たちは、言葉に耳を削がれ、鼓膜を千枚通しで貫かれ
僕たちは、言葉に生きる意味を奪われ、ただ呼吸する肉塊にされる
それでも、僕たちは、
言葉に夢を抱き
言葉に希望を見出だし
言葉に愛を求め
言葉にならない言葉を感じる
一語一語に込めていく
力いっぱい、自分の思いを込めていく
その込めた思いを紡いでいく
一本一本紡いでいく
紡いだ思いで編んでいく
一針一針編んでいく
編んだ後に色は染めない
込めた思いで鮮やかに染まっているから
そして最後に願う
言葉よ、自分に届けと
言葉よ、あなたに届けと