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イケメン兄弟。  作者: ぷちはむ。
8/22

放課後の約束

また帰りに玄関で会った2人はどちらからともなく一緒に歩き出した。

もう雨は降っていない。

だから、一緒に歩く必要はない。

それでも、2人は一緒に歩き始めた。


はじめ「なあ。」

優衣「なに?」

はじめ「俺さ・・・」

優衣「ん?」

はじめ「俺・・・いや、何でもない。」

優衣「ええ~?気になる言い方だなぁ。」

はじめ「いや、何か言いたかったけど、どう言ったらいいのかわかんねーし、いいや。」

優衣「なにそれ~。もしかして、はじめ君って優柔不断なの~?」

はじめ「俺・・・優柔不断ではないけど・・・。そもそも優柔不断はテニスにはネックだろ。」

優衣「確かに・・・そうよね。ボールが来るのにフォアかバックか迷ってたら決められちゃうもんね。」

などとテニスの話をしながら一緒に電車に乗り込んだ。


はじめ「そういえばさ、俺、天野さんがどこの駅から来てるのか知らなかった。」

優衣「わたし?わたしはあと・・・5つ目。」

はじめ「ん?それ、俺と同じ。」

優衣「え?」

今まで全く会わなかったのだが、実は同じ駅で乗り降りしていたらしい。

いろいろ聞いていくと町内会まで同じだった。

はじめ「なんだ、ご近所さんか。」

優衣「そうみたいだね。」

はじめ「今度、一緒にテニスしないか?」

優衣「え?」

はじめ「いや・・・家も近いことだし・・・あのコートも近いし・・・。ってだからあの時、あのコートに来てたのか。」

優衣「あぁ・・・家の近くのコートって言ったらあそこだもんね。」

はじめ「今日は部活もないし、体なまってるな・・・。これから打たないか?」

優衣「いいね!じゃ、あとでコートで会おうよ。」

はじめ「ああ。・・・あっ、その前にメアド教えて。」

優衣「え?」

はじめ「だってもし何かあってコートに行くのが遅れるとかあったときに連絡できないじゃん。」

優衣「それもそうだね・・・。」


そして2人はそれぞれの家に向かった。


 ~ はじめSide ~


なんか俺、勢いでメアドまでゲットしちゃったよ。

よし、俺。それでこそ男だ。えらいぞ、俺。俺大絶賛中。

こんなに俺をほめること、コートの上でかなりいいショット打ってもないぞ。

俺は明らかに天野優衣を意識していて、好意を持っている。

向こうはどうか知らないけど、嫌いではないだろう。

ああいうタイプははっきりしているし、外国から帰ってきているから自己主張にも慣れている。

嫌なら嫌だとはっきり言うはずだ。


にしても、俺をつかまえて優柔不断だと?

言ってくれるじゃないか。

どっちかって言うと迷いのないほうだと思っているのに。

どうも天野優衣が絡むと俺らしくない方向に流れていく。

もっと彼女のことを知りたい。もっと話をしたい。もっと一緒にいたい。

今までもかわいいな・・・とか思う子はいたけど、こんな気持ちになったのは初めてだ。



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