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イケメン兄弟。  作者: ぷちはむ。
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一喜一憂

~ 優衣Side ~


教室のドアを開けると「優衣ちゃん、おはよう~!!ね~ね~、はじめ君と付き合ってるの?」と数人の女子に囲まれた。


朝、傘が壊れて、その途中ではじめに会い、傘に入れてもらったことを話すと「心配して損した。」「よかったぁ。」「あたしも傘壊れればよかったのに~。」とか言いながら優衣を一気に囲んだ子たちは一気に離れていった。

優衣は日本に帰って来たばかりだから、まだ友達も少なかった。

もしかして友達ができたのかもと嬉しく思ったが、それは一瞬のことだった。

だから、それ以上しつこく詮索されるということもなかった。


朝のHRが終わって、1時間目の音楽に出かけるときだった。

「天野さん。」と廊下で声をかけられた。

振り向かなくてもはじめだということは分かった。

「なに?」と言いながら振り向くと、すごく近くにはじめの整った顔があった。

ドキドキしながらもう一度「なに?」と聞くと「音楽室まで一緒に行かない?」と聞かれた。

別に断る理由もないしということで、一緒に行くことにした。


はじめ「さっき、女子に囲まれてたみたいだけど、何か聞かれた?」と少し心配そうに大きな体を折り曲げて顔をのぞきこんでくる。

優衣「え?」

はじめ「俺、天野さんとどういう関係だってすげー突っ込まれた。」とはじめは、困ったような照れたような表情で頭をかいている。

優衣「なんて答えたの?」

はじめ「いや、あの・・・傘の話をしたら、みんなさーっと波がひくように去っていった。」

優衣「そうなんだ。」

はじめ「うん。って天野さんも同じようなこと聞かれなかったかなと思ってさ。」

優衣「・・・聞かれた。」

はじめ「で、なんて?」

優衣「え・・・やっぱり傘の話をしたら、みんないなくなった。」

はじめ「そっか・・・。」

何だかはじめがむっとした・・・ような気がした。


その後、無言のまま音楽室へ着いた2人はまたそれぞれの席へ向かった。




~ はじめSide ~


俺は音楽室へ向かった。

教室を出ると天野優衣が所在なさげに1人で歩いている。

さっき、女子に囲まれていたから何かされたかなと少し心配になって声をかけてみる。

時々、なぜか自分と関わった女子生徒がいじめられているのを目にするので気になったのだ。


しかし、ただ自分との関係を聞かれただけだったようだ。

傘が壊れただけだと説明した優衣に何となく腹が立った。


本当のことだし、自分とは何の関係もないはずなのに、仕方なく一緒に傘に入ったような言い方をされたような気がして寂しい感じがした。

決して優衣は「仕方なく傘に入れてもらった」と言ったわけではないのに・・・。

あきらかに俺は優衣を意識している。

まだ昨日出会ったばかりで何もお互いのことを知らないのに。


そのあと、帰宅時間まで何となく気分が悪いまま過ごした。


けど、また天野優衣を玄関で見つけた。

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