愛想よしの兄「はじめ」
ところで、わたしには兄が2人いる。
4つ上の兄は今は大学2回生。
名前ははじめ。
某有名国立大を一発合格しちゃうほどの秀才。
おまけにテニス界ではちょっと名の知られたひと。
6歳でテニスを始めて、あっという間に全国大会で優勝するほど強くなっちゃった。
20歳になり、プロ転向しながら大学に通っている。あんなにテニスの才能があるなら早く
テニスだけにしちゃえばいいのに、勉強好きで変わってるんだよね。
「はじめ」はといえば・・・涼しげな目元。
少し高い鼻。
女子はみんなかわいいと言うぽてっとした、でも、大きすぎない唇。
鋭角的なあご。
183センチの長身で細身だけど、テニスで鍛えてるから筋肉質。
そして誰にでも人懐っこい笑顔を見せる。
あきらにその人懐っこさの10分の1でも分けてあげて生まれていればね。
お母さん、産むのへたくそ(笑)
お母さんも時々「兄弟ってたして2で割ればちょうどいいって言うけど、ほんとにそうよねぇ。」
なんて人事のようにお兄ちゃんたちのことを話している。
ちなみにはじめはお父さん似。
あきらはお母さん似。
そしてわたしもたぶん・・・お、お母さん似・・のはず。
あの天然パワーは誰にも受け継がれてないと信じたいけど・・・。
お父さんは機械技術を伝えるため各国を飛び回っている出張の多い忙しい人。
でも、家族をとても大切にしてくれる。
お母さんは・・・う・・・これも言いたくない・・・カウンセラー。
あの天然炸裂の人がカウンセリングをしている姿は・・・想像できない(笑)
でもね、結構有名な先生らしい。
確かにわたしたちの育て方を考えるとずっとわたしたちにとっては理想のお母さん。
あの天然は計算なのか???いやいや・・・そうではない・・・はず。
とにかく癒しパワーはすごいわけで。
ということで、お父さんもお母さんにメロメロ。
ちなみにお母さん、めっちゃ美人。
そしてお父さんとお母さん、わたしたちの通っているこの高校で出会った同級生。
お母さん似と言われるわたしだけど・・・わたしには似ているとは思えない。
寝顔とかそっくり!ってお父さんが喜ぶけど、目つぶってるところ似てるって言われてもビミョー。
高校生の頃のお母さんにそっくり!ってやっぱりお父さんが喜ぶけど、あんなかわいくないし。
だって、お母さんの高校の時の写真って夢見る少女って感じなんだもん。
今もうちのリビングには、お父さんとお母さんが初めて一緒に撮った写真が結婚式の時の写真と一緒に飾られている。
「はじめ」は超モテモテ。
彼女も本気なのか遊びなのかいなかった時期を見たことがない。
それもみんな超美人・・・だけど、こころなしかお母さんに似てるなって思うのは気のせいかな。
とにかく、軽い。軽すぎるっ!!
妹のわたしにも歯の浮くようなセリフを普通にのたまうツワモノである。
自分の彼女にどんな殺し文句を言っているのか・・・想像したくないような想像してみたいような(笑)
今の彼女は実際にモデルの仕事もしているナイスバディのお姉さま。ロシア系ハーフで超美人で頭もいい。でも、半年後にはきっと清楚なお嬢様がお隣にいるはずだわ。
どうしてあんな軽ーい男になったのか?
わたしはその理由を知っている。
でも、はじめには誰にも言うなと言われている。
もちろんあきらも知っている。
本気で恋愛できなくなったのにはそれ相応の出来事があったから・・・。2年前のあの日。
だから家族ははじめに何も言わない。
はじめに新しい彼女ができるたびにわたしは胸の奥が軽く痛い。どんなに気の合う女性でも、長くても半年つきあえばいい方。
お母さんは「はじめ」のことを「トラウマになっているけど、受け入れられないでいるみたい。傷ついたって素直にあの子に言えばいいのに。」ってお父さんに言っていた。
そう・・・「はじめ」はあんなに気持ちを素直に表現する人なのに、胸の奥深くに仕舞い込んでいる気持ちがある。お母さんの言うあの子。
お父さんは「俺にも覚えがあるからねぇ・・・。」とお母さんをちらりと見た。
お母さんは気まずそうに・・でも、ちょっと嬉しそうに「そうね。」と返事をしていた。
お父さんとお母さんにも若い頃、何かあったのかな・・・。
(両親の物語は18禁で流れ星というHNにて書いています『どこから見ても同じ空。(連載中)』)
今回も最後まで読んでいただいてありがとうございました。だらだら書いてしまわないように気をつけているのですが・・・なかなか難しいです。短い言葉で情感を伝えたり・・・精進します・・・。