愛想なしの兄「あきら」
初めて小説を書いてみました。初心者で非常に不出来なものですが、楽しんでいただけるようにがんばって書いていきますのでよろしくお願いします。
「みどり、わりぃ。リコーダー貸して。」
『ええ~?!お兄ちゃんと間接キスなんてやだぁ。』
「いやいや、そういうことじゃなくて・・・まじで、今日テストなんだって。頼むよー。」
『いつも忘れ物しないのに、どうしたの?もう、しょうがないなー。ちゃんと洗って返してよ。』
「・・・(洗う?洗うってリコーダー洗うのか??ま、いいか。)うん。さんきゅ。」
ぽんぽんと軽くわたしの頭を叩きながら話している人・・・わたしの大好きな大好きなお兄ちゃん。
わたしの名前は綾瀬みどり。高校1年生。どこにでもいる普通の女の子・・・と自分では思ってる。
ただ、人と違うのは兄2人がまさかのイケメン兄弟なことだけ・・・と自分では思ってる。そしてその2人はテニスをさせると強すぎるということだけ。
誰も普通の女の子だとは言ってくれないけど・・・それはまたあとの話にして・・・。
『ね・・・まさか・・・また?』
「あ?・・・あはは・・・はは・・。ばれた?」
『うん。すぐばれる。』
「はぁ~・・・どうにかして欲しいよ。」
『だね・・・。』
わたしの2つ上の兄あきらは、男子硬式テニス部部長。(ちなみにわたしも女子テニス部だよ。)
うちのテニス部は毎年全国大会に行くような強豪校だし、必然的にファンも多くなる。
けど、そのファンが困ったものなのだ。
黙って兄の持ち物を持ち出してはこっそり返すということを繰り返す一部熱狂的なファンがいる。
おかげで妹のわたしがいつも兄にいろいろなものを貸している。
シスコンと言われようと兄がわたしのところにやってくるのには理由がある。
実はこの人、ものすごいシャイ男なのである。
「お前は子犬かっ」と思わず突っ込みたくなる大きくて丸いつぶらな瞳。
女子のわたしでもずるいと思うほどの長いまつげ。
きりっと引き締まったあごに小さな口元。
俗に言うイケメン・・・なのだが・・・これがまた超がつくほどの恥ずかしがり屋。
179センチの大きな体を縮めてわたしにいつも話しかける。
よくこのシャイな兄が全国大会の舞台であんなアグレッシブなテニスを披露するなと関心するほど。
見た目はめっちゃクール。でも、女子と話すときには手に汗握るシャイボーイ(笑)
ということで、そのギャップが女子の心をわしづかみらしい。
わたしから見たらただ恥ずかしがって目を合わせないだけ。
必要のないことは話さない人だからクールなんじゃなくて物静かなだけ。
なのに、イメージが先行してツンデレとか言われてるし・・・。
時々、わたしには兄の心の声が読めるけどそれは兄には内緒(笑)
戸惑ってるところなんてめっちゃかわいいし。面白くなっちゃう。
「きゃー!!あれってあきら様じゃない??」
「ほんとだ!!またみどりのところに来てる。シスコンなのが惜しいわよねー。」
「ほんとほんと。でも、ま、いいんじゃない?目の保養になるしー。」
「だねっ♪」
「あきら様~!!」
と、わたしの背後からわたしと同じクラスの女子が騒ぎ始めた。
兄が借り物をしに来ると毎度こんな調子。
あきらはため息をついてすぐに赤くなる(笑)
「じゃ、おれ、行くわ。さんきゅ。家で返せばいいだろ。」
『あ~、だめ~、今日は5時間目に使うんだもん。』
「・・・う。(また来なきゃなんないのか??)じゃ、みどり、その・・・お前取りに来てくれない?」
『なんで、貸したわたしが取りに行くのよー。』
「そ、そうだよな。(はぁ~、またここに来るのかよ)」
『あ、なんならファンの子に取りに行ってもらう?(笑)喜んで行くと思うけど。』
「お、お前・・・本気じゃないよな(汗)」
『さぁ、どうかな?(笑)』
「なぁ・・・」
『ん?』
「俺で遊んでるだろ。」
『ま~ね~♪』
「あ、あとで返しに来るよ・・・。」
『はいは~い。じゃ~ね~、おにいちゃん(笑)』
そして、いそいそと去っていくあきら。
あ~、面白かった。
ほんとはわたしが兄の教室に取りに行ってあげてもいいんだけどね。
赤くなる兄がいちいち面白くてちょっぴりイジワルをしてしまう。
家にいると全然シャイな感じはないんだけど(当たり前か)。
学校に来るといつもこんな風になってしまう兄のギャップが面白くてつい・・・。
いい性格してるなっていつもあきらには言われる(笑)
そんな兄にも気になっている女子はいるらしい。
兄と同じ学年のクールな美人で有名な我らが女子テニス部の部長あおい様。
実はあおい様もあきらと同じでクールなんじゃなくてシャイなんじゃないかとわたしはひそかに思っている。
あおい様も男子のファンが多く、とてもじゃないがわたしたちテニス部員でもあおい様に到達するまでに数分かかる。
そんなあおい様と兄はこの高校で初めて出会った。
読んでいただいてありがとうございました。難しいですね・・・思ったように書いてみたのですが、なかなか伝えたいことと言葉のリンクが(汗)今後もがんばって続けてみます。