西暦2011年より愛を込めて、2500年の人達へ
幻の携帯電話
私の記憶に幼い日の不思議な思い出が有ります。
まだ自然が巷には溢れていて、いろんな所が
子供たちの遊び場になっていました。
その日もいつものように、ところ構わず遊んで日が沈むのも
忘れて夢中になって飛び回っていました・・・
薄暗い青い夕闇があたりを包んで、もう夜の使者を
迎えようとしていた黄昏時期
私は遊びの流れで墓場へとなだれ込んで行きました。
もう一人の友人はどこかに隠れています・・・
私は早く見つけようと、必死に探し回っていました。
お墓には色んなお供え物がありますが、一つ離れた場所に
見慣れないお供え物が目につきました。
小さい揚げ豆腐が沢山それも、綺麗に積み上げていました。
そしてその横に、まるで鉄人28号のリモコンを小さくしたような
精密機械が置いてありました・・・
確かに、揚げ豆腐と、リモコンみたいな機械が置いてあります。
私は急に怖くなり、友人も置いてけぼりにして
必死になってその場所から逃げ帰りました・・・
もう50年も前のこと
今考えるとあの小さい機械は、携帯電話だったような気がします・・
なぜ、50年も前にお墓に、揚げ豆腐と、携帯電話が有ったのか
そして今、急にそれを思い出したのか・・
そう、これは今から起こる出来事のほんの序章にすぎなかったのです・・・