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使い魔の憂鬱。
「―さぁ、お逝きなさいっ!」
魔法少女は、今日も彼らをゴミのように使う。
まるで、使い捨ての駒のように。
『キェエエエ―ッ!!』
聞くに耐えない断末魔を上げて、魔物は浄化されてゆく。
魔法少女はホッと息を吐き、今日も一仕事終えた、なぁんて満足げに微笑む。
…彼らの犠牲等、全く気にせずに。
それが彼らの仕事だ、と言ってしまえば、それまでだ。
何せ、使い魔は彼女らが召喚したものなのだから、どう使おうがそれは彼女らの勝手だ。
ましてや名前からして、使われてなんぼなのかもしれない。
―けれど彼らにだって、少しくらいの選択権が与えられてもいいだろう?
自分の身を削ってまで魔法少女の言いなりになるのは、割りに合わないと思わないか?
彼らも実は、前々からそう思っていた。
その不満は少しずつ少しずつ、着実に増えてゆく。
今はまだ、ほんの少しのわだかまりに過ぎない。
―けれどいつかそれは、魔法少女を脅かす脅威に成長することになる。
「さぁ、お逝きなさいっ!」
けれどあぁ、そのことをまだ、彼女は知らない。