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節電と事務員


 …暑い。

うだるような暑さは何のやる気も起こさなくて、オレは力なく机に突っ伏した。

今年は特に節電が騒がれているからか、毎年冷房ガンガンだった室内は、異常な程熱気が込もっていた。


 開け放たれた窓から入る風は生温く、逆に暑さを際立たせている。


「あちぃ…」


 呟いたところで暑さは変わらないのだが、どうしても言わずにはいられない。


 クールビズだサマータイムだのと騒ぐだけ騒ぐお偉さん方は、ホントにこんな非効率的な働き方してんのかね…?


 何もせずとも流れ落ちてくる汗を何度も拭いながらパタパタと扇子で扇いでみるが、残念ながら効果はあまりない。



 何度となく吐いたため息を再び漏らしながら、書類を整理してゆく。


 案外オレみたいな会社で事務作業してるヤツよりも、外に出て営業してるヤツの方が涼しいのかも知れない。


 そう思うと外回りのヤツを呪いたくなったが、この日射しの中歩くのも酷だ、と考え直す。

 …うん、こっちのが多分、まだマシ。


 窓の外、直射日光を目一杯浴びながら歩く人々の姿を見て、オレはまだ恵まれた方だろう、と、自分を奮い立たせる。


 …帰ったら速攻、風呂入ろう…


 汗でベタつく身体に不快感を覚えながら、ゆっくりと仕事を片付けてゆく。



 業務終了まであと数時間。とある会社の、とある事務員の心の葛藤。



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