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可愛いあの子はおてんば娘



 今日も今日とて、俺は”彼女”に会いに行く。

「元気だったかー? 俺がいない間、変わりなかったか?」

 ”彼女”は返事の代わりに元気よく走り回る。まるで俺の話を聞いていないかのように。

「全く……ちょっとは俺に感心持てよ」

 それに苦笑しつつ、持ってきたものをどさりと床に置く。

「!」

 がさり、とビニール袋の音がした途端、”彼女”の態度は豹変した。

「おっと。まあそうがっつくなよ」

 自分よりお土産の方が上位という事実に内心落ち込みつつ、俺は何でもない風を装ってそう言う。するとじとり、と恨めしそうな上目遣いで見つめられて、ドキリ、と胸が高鳴った。



「にゃー……にゃおうー」

「おーよしよし。今ご飯あげるからなー」

 餌を用意した途端、子猫は彼の足に擦り寄る。それにデレデレと鼻の下を伸ばしながら、男は袋の中身を取り出した。



 

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