12/20
告白した日。
「ごめん私、他に好きな人いるから」
そんな月並みな断り文句で、いとも簡単にフラれてしまった。
僕にとっては一世一代、勇気を出してようやく捻り出した告白だったのに、彼女はいとも簡単にそう言って、すたすたとその場を立ち去ってしまう。
彼女はモテるからきっと、こういうのにも慣れているんだろう。
僕とは180度違う、彼女。だからこそ僕は彼女に、こんなにも惹かれたんだ。 自分にはない部分を一杯持つ、彼女に。
彼女の立ち去った方向を、じっと見つめる。
不思議と、清々しい気持ちで一杯になる。
「…ありがとう」
思わずそう呟いて、僕は空を仰いだ。