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赤い何か 〜死者の視界〜  作者: ピモラス
墓地の攻防
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聖女キアラの計略

数多の報告を受けた聖女キアラ。

彼女は何を…

 聖女キアラは静かに怒りをたたえていた。

 一体誰が私の計画を妨害しているのか。

 ディクト教の上部に上り詰め、国家の中枢に入り込み実権を握る。

 私利私欲ではなく、全ては神と私の計画に沿った行動。

 今まで、大きな障害などなく、予測通り計算通りに進んでいた。

 しかし、ここにきて何故。

 私の中の神に問いかけても、答えはない。

「真なる我が信仰を取り戻せ」といった声しかない。


 報告を頭の中でまとめる。

 強力な魔物の話が数箇所で同時期に出現している。

 アンデッドやモンスターと言う報告だが、大半はアンデッドだ。

 あの、学院にいたネクロマンサーか。

 いや、彼には炎の国の調査に行ってもらっていた。

 移動距離や時限式の何かでも単独では無理がある。

 彼に協力者はいない。


 ネクロマンサーに限らず、力ある者はマークしている。

 そういった者たちは、泳がせてはいるが、直接接触し、思考を誘導したり、物理的に行動を制限したり、時間のかかる依頼などをして監視をつけたり魔力感知をして動向の把握をしている。

 自らの意思での行いと、本人たちは考えるだろう。

 だが、それこそが私の計算と予測通りなのだ。


 では、自然発生のアンデッドだと言うのか。

 不浄なる存在は、残念ながら自然発生する。

 都度駆除するが、まれに強力な個体が出てくることもある。それはアンデッドだけではなく、魔物にも当てはまる。

 しかし、各地の導師は浄化能力を持つし、軍や冒険者と言った手段もある。

 街ひとつ落とされている訳では…


 まさか

 見落としか


 知性あるアンデッドの存在。

 陽動作戦を用いて、他の街を陥落させるような事を考える者達はいる。

 吸血鬼やリッチだ。

 可能性としては、あるのならば吸血鬼だろう。

 ここ数十年、彼らの存在は聖王国内では確認されていない。

 古いヴァンパイアハンターが国内にはいるが…

 不確定要素だが、早目に手を打っておこう。


 全てを、取り戻すために

すみません、短いです。

次話から、新章になります。

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